二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.163 )
日時: 2016/11/15 18:57
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

まさかのロックバーンデッキに驚く遊太達。このままでは、何の策もなく石崎にライフを削られ、負けに繋がってしまう。

「な、なんとかならないッスかアネゴ!」

「要はロックしているカードを除去してしまえばいいが……アイツのことだ、絶対にロックを崩させないカードを仕込んでいるはずだ……」

「本当なの……?」


6・真薄のターン

(たった数ターンでダメージをこんなに……相手は長期戦を見越して、僕のライフを直接削るつもりか……なら、早くあのカードを除去しないと!)

「僕のターン、ドロー!」(真薄手札4→5)

引いたカードを見て、真薄は安堵の表情を浮かべる。

(やった! 魔法カード『サイクロン』! このカードは魔法・罠を1枚破壊できるカード。これでグラヴィティ・バインドを……!)

「手札から、速攻魔法『サイクロン』を発動! フィールドの魔法・罠を1枚破壊する! 僕が破壊するのは、グラヴィティバインド!」

カードから出現した竜巻が、グラヴィティ・バインドを破壊しようと飛んで行く。が。

「そうはいかないよ!。永続罠発動! 『宮廷のしきたり』。このカードが場にある限り、この永続罠以外の永続罠を破壊することはできないんだよ」

「そ、そんな! 『サイクロン』が……!」(真薄手札5→4)(真薄墓地4→5)

「残念だったね。僕がわざわざグラヴィティを野ざらしにしておくと思ったのかい? 間抜け君」

予想通りの結果に、菊姫は納得する。

「な? 言った通りだろ」

「うん。菊姫の思ったとおり、これじゃあしきたりを破壊しない限り、永続的に攻撃はロックされてしまうよ」

「かと言って、しきたりと他の永続罠は同時に破壊することはできない。幸いあの永続罠はバウンスや除外には対応しないが、大体の魔法・罠に対応するカードは破壊するカード。さて、真薄はどうするのかね」

遊太と会話し、真薄がどうするかを見極めようとする菊姫。他のメンバー達は、固唾を飲んで行く末を見守っていた。

そして真薄はというと。

(やっぱりそう簡単には……なら!)

「罠発動! 『リビングデッドの呼び声』! このカードは、墓地のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。僕は『N・フレア・スカラベ』を特殊召喚する!」(真薄墓地5→4)

墓地から、カブトムシのようなモンスターが特殊召喚される。攻撃力は500と、一見貧弱だが、体中に炎をたぎらせる。

「フレア・スカラベの攻撃力は、相手フィールドの魔法・罠の数×400ポイントアップする。君の魔法・罠は3枚。よって攻撃力は、1200アップの1700だ!」

「ふーん、で?」

「フレア・スカラベはレベル3モンスター、グラヴィティバインドの効果は受け付けない! 行け、『プロミネンス・ドラゴンに』攻撃! フレイム・バレット!」

手の中から生み出した炎が、相手のモンスターを襲う! だが。

「永続罠発動! 『光の護封壁』! このカードは発動した時1000の倍数のライフを払う。そして、払ったライフポイントの数値分以下の攻撃力を持つ相手モンスターは、攻撃できない!」

「そ、そんな!」

「そうだな……君が大型モンスターを出して来ないとも限らないから、ここはライフを3000ライフを払って攻撃力3000以下の攻撃を出来なくするよ。払うライフには困ってないからね」(石崎ライフ8000→5000)

フレア・スカラベの攻撃は、光の壁に阻まれて届かなかった。

「うう……僕はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」(真薄手札4→2)


真薄

ライフポイント5200
手札枚数3枚
モンスター2体『E・HERO アナザー・ネオス』(攻撃表示) 『N・フレア・スカラベ』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚『リビングデッドの呼び声』
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚


攻撃しようとしても、ことごとく防がれてしまう真薄。菊姫達はただただ心配するばかりであった。

「あんな罠まで仕込んでいやがったとはな。こうなるとレベルの低いモンスターを強化してすり抜けることも……できなくなっちまった」

「おいおいどうするんだよ! 攻撃はできない、ダメージは受け続ける! これじゃどうしようもないじゃねえか!」

「うん……なんとかしてこのロックから脱出しないと、このまま恒久的にダメージを受け続けることになって、負けちゃうわ!」

「真薄君……!」


7・石崎のターン

「僕のターン、ドロー。そしてこのスタンバイフェイズに 君に600ダメージを与える」(石崎手札1→2)

「……」(真薄ライフ5200→4600)

「そして僕は手札から、魔法カード『マジック・プランター』を発動。僕のフィールドの永続罠を1枚墓地へ送り、2枚ドローできる。僕は、グラヴィティ・バインドを墓地へ送って、2枚ドロー!」(石崎墓地2→4)(石崎手札1→3)

自らロックを解除したことに、驚く真薄。

「なんで? あそのカードは置いておいた方が良いんじゃ……」

「バカだねえ、良いカードが手に入ったから、コイツは用済みなのさ、僕は手札から、永続魔法『平和の使者』を発動! コイツが場にある限り、互いに攻撃力1500以上のモンスターでは攻撃できない!」(石崎手札3→2)

「な、なんだって!? 護封壁で3000以下のモンスターの攻撃を封じて、その上更に攻撃の高いモンスターの攻撃を封じるなんて……!」

「万が一お前が攻撃力3000以上のモンスターを出してこないとも限らないからね。念には念をって訳さ。ターンエンド! そして君に500のダメージを与える!」

「ううっ……」(真薄ライフ4600→4100)


石崎

ライフポイント5000
手札枚数2枚
モンスター2体『プロミネンス・ドラゴン』(攻撃表示) 『ボーガニアン』(守備表示)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード3枚『宮廷のしきたり』 『光の護封壁』 『平和の使者』
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚


石崎と真薄の試合を、遊太達以外に見ている人物がいた。

それは、あのアキラである。アキラは以前あの石崎をボコボコにのしたことがあるが、石崎がどれだけのデュエルをするようになったのか、気になったのである。

そして、今の状況を見て。

「ほう? ちっとはやるようになったじゃねえか、あのガリ勉メガネ。ま、俺ほどじゃあねえが……」

だが、真薄にも一言言う。

「アイツ、ダメージこそ受けちゃいるが、布石を整えているようにも見える……となれば……この後アイツがなにかをお見舞いしそうだな」


8・真薄のターン

「僕のターン!」

(どうする? あの2枚のせいで、モンスターを出してもダメージは与えられない! かといって、相手に直接ダメージを与えるカードは僕のデッキには1〜2枚程度……引き当てられるとは思えない……けど、うだうだ言ってちゃ何も始まらない。これが未完成のデッキでも、これを言い訳になんかできない!)

「ドロー!」(真薄手札3→4)

ドローしたカードを見る真薄。 だが、ドローしたカードはこの状況ではあまり役に立たないカードだった。

(これじゃあどうにもできない……なら! これに賭ける!)

「手札から、速攻魔法『手札断殺』発動! このカードは、互いに手札を2枚捨てて、2枚ドローする! 僕は、『N・エア・ハミングバード』と『N・ブラック・パンサー』を捨てる!」

「おやおや、手札に困って運任せの手札交換カードを使うなんて、大丈夫かい? 僕は『工作列車 シグナル・レッド』と『魂の解放』を捨てる」

「そして、2枚ドロー!」

(今の状況を打開するには、このカードを使うしかないんだ! お願い……来て! 逆転のカード!)

カードを2枚引く真薄。すると。(真薄墓地4→6)(真薄手札4→3)(石崎墓地4→6)

(こ、このカードは!?)

希望が見えた。一筋の、希望が。

(このカードなら、あのロックを切り抜けられる! そして、次に繋げられる! よし、行くぞ!)

「僕はカードを1枚伏せて、『N・グロー・モス』を攻撃表示で召喚!」(真薄手札3→1)

なにやら簡略化された人間のようなモンスターが現れる。攻撃力は300と、非常に貧弱。

「ターンエンド!」


真薄

ライフポイント4100
手札枚数1枚
モンスター3体『E・HERO アナザー・ネオス』(攻撃表示) 『N・フレア・スカラベ』(攻撃表示) 『N・グロー・モス』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード1枚『リビングデッドの呼び声』
墓地の枚数6枚
除外されているカード0枚


9・石崎のターン

「僕のターン、ドロー。スタンバイフェイズに、『平和の使者』の維持コストでライフを100支払うよ」(石崎手札2→3)(石崎ライフ5000→4900)

「そしてお前に600ダメージを与える!」

「……」(真薄ライフ4100→3500)

「どうやらエピローグは近いようだ。このターンで君は僕に敗北する!」

「一体、何を……」

「僕は、魔法カード『融合』を発動! 『プロミネンス・ドラゴン』と『ボーガニアン』を融合させ、エクストラデッキから『重爆撃禽 ボム・フェネクス』を融合召喚する!」(石崎手札3→2)(石崎墓地6→9)

現れたのは、炎と機械が一つになった、不死鳥のごときモンスターであった。

そして、効果を発動させる石崎。

「ボム・フェネクスの効果発動! このモンスターの攻撃を放棄する代わりに、フィールドのカードの数×300ポイント相手にダメージを与える!」

「そ、そんな! 今フィールドにあるカードは12枚。3600のダメージを僕は受けるの!?」

「その通り! 行け! 敗北者は消毒だ〜!」

このままでは、せっかく積み上げてきた苦労がまるで無意味になってしまうと感じた真薄。そして観客席の遊太達も。

「真薄ー!」

「真薄くーん!」

悲痛な叫びが、真薄に向かって飛ぶ。

真薄は!?