二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.177 )
- 日時: 2016/12/06 10:19
- 名前: ロード (ID: rHtcSzQu)
5・遊太のターン
「行くよ! 僕の、ターン!」(遊太手札2→3)
「僕は手札から、魔法カード『逆境の宝札』を発動! 相手フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターがいない時、デッキから2枚ドローできる!」(遊太手札2→4)(遊太墓地5→6)
ドローしたカードを確認する遊太。それを見て、まだやれると信じる。
「よし……手札から、手札に戻った『ロードナイト・クレス』を召喚! 更に僕は、手札から速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』を1体墓地へ送り、エクストラデッキから同じ属性の『イクスロードナイト』を特殊召喚する! クレスの属性は地属性。よって、エクストラデッキから地属性の『イクスロードナイト・スレイプ』をエクストラデッキから特殊召喚!」(遊太手札4→2)(遊太墓地6→8)
先程のデュエルで見事フィニッシャーとなった赤き神馬の騎士が現れる。
「この瞬間、僕の墓地の『迷い風』の効果発動。相手のエクストラデッキからモンスターが特殊召喚された時、このカードを墓地からフィールド上にセットできる」(星野墓地6→5)
効果を無効にする罠が再びセットされる。だが、それに臆する遊太ではない。すかさず攻撃を仕掛ける!
「行くよ、スレイプで星野君にダイレクトアタック! スレイプはフィールドで元々の攻撃力が最も高いモンスターが自分フィールドにいる時、相手プレイヤーにダイレクトができる。それはスレイプも例外じゃない! ムスペルヘイム・ロード!」
相手がダイレクトアタックをしかけてくるとわかった星野は、すかさず伏せカードを発動しようとする。が。
(か、カードが発動しない!?)
「スレイプは神馬の騎士! その素早い動きは相手の効果の対象にはならない! そしてその効果は仲間にも加わる!」
スレイプが助走をつけて飛び上がり、天から放った大量の矢が、星野に降り注ぐ! 2700の大ダメージと言うべきダメージが、星野に与えられる。
「くっ……」(星野ライフ7000→4300)
「僕は、カードを1枚伏せて、ターンエンド」(遊太手札2→1)
(この伏せカードは『聖なるバリア −ミラーフォース−』……相手が)
遊太
ライフポイント5700
手札枚数1枚
モンスター1体『イクスロードナイト・スレイプ』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数8枚
除外されているカード2枚
6・星野のターン
「僕のターン、ドロー」(星野手札3→4)
(まいったな……僕の伏せカードは『迷い風』と『強制脱出装置』と『リビングデッドの呼び声』。対象に取られなくするあのモンスターがいるんじゃ、発動はできない)
(けど、たった今ドローしたカードは、その対象に取られないカード。問題ない……その前にっと)
「僕は、トライヴェールの効果発動。エクシーズ素材を1つ取り除くことで、相手の手札をランダムに選んで1枚捨てる……といっても、君の手札は1枚。さっき手札に戻ったボルカだけどね」(星野墓地5→6)
「わかったよ、捨てるよ」(遊太手札1→0)(遊太墓地8→9)
「そして僕は、魔法カード『地砕き』を発動。相手フィールドの、守備力が最も高いモンスターを破壊する。これは対象を取る効果じゃない。発動した時に存在するモンスターを自動的に選ぶからね。君のスレイプを破壊するよ」(星野手札4→3)(星野墓地6→7)
「……チェーンはないよ」(遊太墓地9→10)
空からいきなり降ってきた大きな拳が、スレイプが立っている地面を破壊する。破壊された地面に出来た裂け目に、スレイプは落ちて行った。
「更に僕は、伏せてあった『リビングデッドの呼び声』を発動。墓地のベガを特殊召喚する。そして、ベガの効果で、手札からデネブを特殊召喚。更に、デネブの効果で、シャムを手札に加える」(星野墓地7→6)
十分に土台が整えられた星野は、グルグルと目まぐるしく盤面を回して行く。
「……どんどんループして行っている。そぞれのカードがお互いにシナジーを持つから、どんな所からも展開ができるんだ!」
「その通り。『テラナイト』はお互いがお互いをサポートしあう、結束の固いカード群。まるで夜空に浮かぶ、星座のように」
「星座……」
「君の『ロードナイト』も、中々の結束を持っているようだけど、僕の『テラナイト』程じゃない」
「……」
「行くよ、僕はシャムを召喚。その効果で、君に1000のダメージを与える!」(星野手札3→2)
「ぐぅ……」(遊太ライフ5700→4700)
「僕はこの3体のテラナイトで、エクシーズ召喚! エクストラデッキから再び現れろ『星輝士 デルタテロス』!」
このデュエル二度目のデルタテロスが現れる。 遊太は、これはマズイと判断する。
(マズイ! デルタテロスでミラーフォースを破壊されたら……!)
「僕はデルタテロスの効果発動! エクシーズ素材を一つ取り除き、フィールドのカードを1枚破壊する! 僕が破壊するのは……当然、君の伏せカードだ! サテラナイト・レイ!」(星野墓地6→7)
伏せカードは破壊され、遊太の場にはカードが1枚も無くなる。丸裸の状態だ!
「ミラーフォースが……!」(遊太墓地10→11)
「行くよ! トライヴェールと、デルタテロスでダイレクトアタック! デュアル・デルタ・ソード!」
デルタテロスとトライヴェールの、二連ソード攻撃がクリーンヒットする! 手痛いダメージが、遊太に襲いかかる。
「うわああああっ!」(遊太ライフ4700→100)
「むう……ライフが100残ったか……けど、これで問題ない。僕は、メインフェイズ2で、更なるモンスターを召喚する!」
「メイン2で!?」
「僕はトライヴェールに、このエクシーズモンスターを重ねてエクシーズ召喚する! 来い、ランク5『星輝士 セイクリッド・ダイヤ』!」
ドラゴンのようなモンスターが現れる。しかし、星野は更に何かをしようとする。
「そして僕は、このセイクリッド・ダイヤの上にエクシーズモンスターを重ね、更にエクシーズ召喚をする!」
「嘘でしょ!? この上に更にモンスターを重ねるなんて!」
「ああ。星々の輝きよ、今こそ一つになり、夜空を包む星雲となれ! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク6『セイクリッド・トレミスM7』!」
ダイヤが輝く星雲の中に入り、そこから出でた時、白く輝く星のドラゴンが現れた! 攻撃力は2700と、かなり高い。
「これは……」
「セイクリッド・トレミスは、1ターンに1度、エクシーズ素材を取り除くことで自分か相手の、フィールドか墓地のモンスターを手札に戻せる」
「えっ!? それじゃあ僕のスレイプを……」
「ただ、トレミスの効果は『セイクリッド』モンスターの上に重ねてエクシーズ召喚した時、召喚ターンには効果を発動できない。これでターンエンド」
星野
ライフポイント4300
手札枚数2枚
モンスター2体『星輝士 デルタテロス』(攻撃表示) 『セイクリッド・トレミスM7』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚『リビングデッドの呼び声』
墓地の枚数7枚
除外されているカード0枚
(さて、これで僕の勝ちはほぼ確定……なんだけど……)
星野は、圧倒的状況にいるにも関わらず、何故か不安で仕方なかった。
(やっぱり、あの時あの子を一目見たからかな……)
星野は、選考会のことを思い出す。それは、輝かしく活躍する、遊太のことである。
あの時、選考会を軽く突破した星野は、手応えのありそうなデュエリストは才羽とかぐらいだと思っていた。
けれど、彼が現れた。それは遊太だった。
「さあ! これから僕が見込んだデュエリストとデュエルを行います! 皆さん、最初から最後までご覧ください!」
彼は、遊太は、ロベルト・フランシスという、日本のデュエリストならまず知らない人と、デュエルをしたのだ。
それだけではない。なんと遊太はロベルトに勝ってしまったのだ。それも、とびっきりの大逆転で。
会場の誰もが、遊太に注目した。そして、星野も例外ではなかった。
星野は思った。できるなら、彼とデュエルしてみたいと。
そして願いは叶った。自分は今、デュエルしたい相手とデュエルしている。そして、彼に勝とうとしているのだ。
だが、星野は安心できていなかった。手札もフィールドも0なのに、また逆転されてしまうのではないのかと。
だが、その不安も。
(なんでだろう。負けるかもしれないのに、どうして、見てみたくなっちゃうんだろう……いや、むしろやってみろって思っているんだ……)
(彼に会うのは初めてなのに、どうしてこう思っちゃうんだろう……?)
そして、遊太はというと。
(なんだろう、あの子、笑ってる……ひょっとして僕に……逆転してみろって思っているのかもしれない。……だったら、その期待に答えなきゃ!)
星野の期待を、一手に担うつもりでいた。