二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.182 )
- 日時: 2016/12/18 22:47
- 名前: ロード (ID: MMm5P7cR)
とうとう始まった真薄と龍矢のデュエル。その様子を、菊姫達は遠目から見ていた。
「始まるな」
「ええ、どっちが勝っても恨みっこ無しのデュエルが……」
「ああ、アタシらとしては、どっちにも勝ってほしくて、どっちにも負けて欲しくない。複雑なデュエルだな」
そう呟いているところへ、遊太がやってきた。
「遅くなってゴメン。デュエル……もう始まってるね」
「ああ、ちょうど龍矢の先攻だな」
1・龍矢のターン
「俺のターン! 俺は手札から魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動! 手札のモンスター1体『D・ビデオン』を墓地へ送って、デッキからレベル1モンスターの『D・モバホン』をデッキから特殊召喚!」(龍矢手札5→3)(龍矢墓地0→2)
龍矢のデッキの起点、ガラパゴスケータイが変形したモンスターが現れる。そして龍矢は、早速効果を使う。
「モバホンの効果発動! 攻撃表示の時に1ターンに1度、サイコロを1回降って、出た目だけデッキからカードをめくり、その中にレベル4以下の『ディフォーマー』モンスターがいたら、特殊召喚できる。行くぞ、ダイヤル・オン!」
モバホンのボタンがピポパと点滅し、数字を決定する。出た目は3。
「よし、3枚めくるぜ……」
3枚めくった中にあったのは、レベル3チューナーの『D・リモコン』と、同じレベルでチューナーの『D・スコープン』だった。龍矢が選択したのは。
「俺は『D・スコープン』を、攻撃表示で特殊召喚! そして、モンスター効果発動。攻撃表示のスコープンは、1ターンに1度、手札からレベル4の『ディフォーマー』を1体特殊召喚できる! 『D・ラジオン』を、特殊召喚!」(龍矢手札3→2)
顕微鏡のチューナーモンスターと、ラジオのモンスターが一気に召喚された。真薄は、やはり、という顔をする。
「シンクロ召喚ですか」
「当たり前だぜ。俺は、レベル4のラジオンに、レベル3ののスコープンをチューニング!」
「世界の平和を守るため、勇気と力がドッキング! シンクロ召喚! レベル7『パワー・ツール・ドラゴン』!」(龍矢墓地2→4)
龍矢愛用の、機械のドラゴンが現れる。攻撃力は2300と貧弱だが、恐ろしい効果を持っている。
「パワー・ツールの効果発動、1ターンに1度、デッキから装備魔法を3枚選んで1枚相手に選ばせ、選んだカードを1枚、手札に加える。さあ、1枚選べよ」
「僕は、右のカードを選びます」
「わかった……よし。俺は装備魔法『ブレイク・ドロー』を、パワー・ツールに装備! 『ブレイク・ドロー』は機械族にのみ装備可能で、戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送ったとき、1枚ドローできる」
「でも、パワー・ツールの攻撃力はそのままですよ」
「そんなことわかってるよ、俺は手札から、魔法カード『ジャンクBOX』を発動! 墓地からレベル4以下の『ディフォーマー』を1体、特殊召喚する。俺はスコープンを攻撃表示で特殊召喚する! この効果で特殊召喚したモンスターは、エンドフェイズに破壊される……けど、そんなの関係ない!」(龍矢手札2→1)
「またシンクロ召喚を……!」
「そうだ! 俺はレベル1のモバホンに、レベル3のスコープンをチューニング! シンクロ召喚! レベル4『アームズ・エイド』!」(龍矢墓地4→6)
今度は手甲のようなモンスターが現れる。すると、パワー・ツールの右手に装着された!
「『アームズ・エイド』は、モンスター1体の装備カードになれる。装備したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップして、モンスターを破壊して墓地へ送ったとき、相手にその攻撃力分のダメージを与える。俺はカードを1枚セットして、ターンエンド」(龍矢手札1→0)(パワー・ツール・ドラゴン攻撃力2300→3300)
龍矢
ライフポイント8000
手札枚数0枚
モンスター1体『パワー・ツール・ドラゴン』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚『ブレイク・ドロー』 『アームズ・エイド』
墓地の枚数6枚
除外されているカード0枚
1ターン目から、容赦ない布陣を組んできた龍矢。しかし、真薄は臆してはいなかった。
(流石龍矢君……たった1ターンでこんなことをやってのけるなんて……)
(けれど、僕も負けない。だって、僕もここまで来たからには、絶対に勝ちたいから!)
2・真薄のターン
「僕のターン、ドロー!」(真薄手札5→6)
真薄の手札には、『ネオスペーシアン』があった。コンタクト融合のこのデッキで、立ち向かうつもりだ。
「僕は手札から、『コンバート・コンタクト』を発動。自分フィールドにモンスターがいない時、手札・デッキから『ネオスペーシアン』を1体ずつ墓地へ送り、2枚ドローする。僕はアクア・ドルフィンと、フレア・スカラベを墓地へ送る」(真薄墓地0→3)
「そして僕は、速攻魔法『サイクロン』を発動! フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する。僕は、装備カード扱いになっている『アームズ・エイド』を破壊する!」
カードから巻き起こった突風が、パワー・ツールの武装になっている手甲を破壊した。これで攻撃力が元々の2300に戻る。
「くっ……」(龍矢墓地6→7)(真薄墓地3→4)(真薄手札6→5)
「僕は更に、手札から『E・HERO プリズマー』を攻撃表示で召喚!」(真薄手札5→4)
水晶が人の形になったような『HERO』が現れる。すると、自身の体を光らせる。
「プリズマーは1ターンに1度、エクストラデッキから融合素材にモンスター名が書かれている融合モンスターを相手に見せて、その融合素材となるモンスター1体を、墓地へ送る。この効果を使用した時、プリズマーは墓地へ送ったモンスターと同じモンスターとして扱える」
「何をする気だ……?」
「僕は、『E・HERO ネオス・ナイト』を龍矢君に見せて、『E・HERO ネオス』を墓地へ送り、プリズマーをネオスとして扱う」(真薄墓地4→5)
プリズマーを構成する水晶の中に、ネオスが映る。
「更に僕は、魔法カード『ネオスペース・ソウル』を発動。このカードは、墓地の『ネオスペーシアン』を1体特殊召喚できる! 甦れ、『N・フレア・スカラベ』!」(真薄手札4→3)
炎の昆虫が現れる。ネオス扱いとなっているプリズマー、そしてフレア・スカラベが揃った。
「フィールドにネオスと『ネオスペーシアン』……まさかいきなりコンタクト融合か!」
「そうです。僕は、ネオス扱いのプリズマーと、フレア・スカラベをデッキに戻して、コンタクト融合!」
2体のモンスターが、空を突き抜けて宇宙まで飛び立ち、共に銀河へ入っていった。そして、銀河の中から光を帯びて現れたのは………!
「現れろ、『E・HERO フレア・ネオス』!」
まるでクワガタムシのような羽と角を持った、新しい姿のネオス。体には炎がたぎっている。攻撃力は2500。
「これがコンタクト融合……」
新しい融合の形に、息を飲む龍矢。更に真薄は続ける。
「フレア・ネオスは、フィールドの魔法・罠1枚につき、自身の攻撃力を400ポイントずつ上げられる。今のフィールドには2枚。よって、今の攻撃力は3300にアップする」
「マジかよ……」
「けど、これじゃあ足りない。僕は更に、カードを1枚伏せて、フィールド魔法『ネオスペース』を発動!」(真薄手札3→1)
モンスター達のいるフィールドが、たちまちのうちに光輝く宇宙空間となる。
「このフィールドでは、ネオスとネオスを融合素材とする融合モンスターは攻撃力が500アップする。その効果と、自身の効果で攻撃力は4200にアップする!」
「攻撃力4200……!」
「行くよ! フレア・ネオスで、パワー・ツールを攻撃! バーン・ツー・アッシュ!」
フレア・ネオスが放った炎が、パワー・ツールを襲う! 大きなダメージを食らうが。
「パワー・ツールは、破壊される時に自分に装備されている装備魔法を墓地へ送ることで、破壊されない!」(龍矢墓地7→8)
「けれど、ダメージは受ける!」
「ぐぅ……!」(龍矢ライフ8000→6100)
「僕は、カードを1枚伏せてターンエンド。本来ならエンドフェイズに、コンタクト融合したモンスターはエクストラデッキに戻るけど……『ネオスペース』の効果で、エンドフェイズに戻る効果は発動しなくても良い」(真薄手札1→0)
「じゃあ俺は、このエンドフェイズに罠カード『裁きの天秤』を発動! 自分の手札とフィールドのカードが、相手フィールドのカードより少ない時、このカードを除いた差分だけドローする。俺は3枚ドローする」(龍矢手札0→3)(龍矢墓地8→9)
真薄
ライフポイント8000
手札枚数0枚
モンスター1体『E・HERO フレア・ネオス』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚『ネオスペース』
墓地の枚数5枚
除外されているカード0枚
(やるな真薄……二週間前はカードの扱いすらおぼつかなかったって言うのに、今じゃこんなにも……けれど、俺だって負ける訳にはいかねえっ)
3・龍矢のターン
「俺のターン、ドロー」(龍矢手札3→4)
「俺は手札から、魔法カード『アームズ・ホール』を発動。デッキ・墓地から装備魔法を1枚手札に加える代わりに、このターンの間、その通常召喚はできない。俺は墓地から『ブレイク・ドロー』を手札に加える」(龍矢墓地9→10)
「俺は更に、パワー・ツールの効果を発動! さあ、3枚選べよ」
「じゃあ……左のカードを」
「……ラッキー。俺は装備魔法『月鏡の盾』を発動! 装備したモンスターは、相手モンスターと戦闘を行う時、その相手モンスターの攻撃力か守備力のうち、高い方プラス100となる! つまり、攻撃力を上げても、こっちが常に上回れば、問題無しってことさ!」
「……ええっ!」
「更に俺は、手札から『ジャンクBOX』を発動。墓地の『D・スコープン』を、再び特殊召喚する。そして俺は、スコープンの効果で手札から『D・ラジオン』を特殊召喚!」(龍矢手札4→2)
「またレベル7のシンクロを……!」
「ああそうさ、俺はレベル4のラジオンに、レベル3のスコープンをチューニング!」
「世界の秩序を守るため、力と機械龍がイグニッション! シンクロ召喚! レベル7『機械竜 パワー・ツール』!」(龍矢墓地9→11)
一見『パワー・ツール・ドラゴン』のような機械竜。しかし、体には黒いラインが描かれており、少々邪悪な姿をしている。
「俺は機械竜に、『レインボー・ヴェール』を装備。そして機械竜の効果発動。装備魔法が装備された時一度だけ、デッキから1枚ドローできる。そして『レインボー・ヴェール』は戦闘を行う相手モンスターの効果を無効にできる」
「……」
「そして俺は、『ブレイク・ドロー』をパワー・ツールに装備! そしてバトル! クラフティ・ブレイク!」(龍矢手札2→1)
パワー・ツールが左手に持った鏡の盾に、フレア・ネオスが映る。そしてそのモンスターの攻撃力を上回る! フレア・ネオスは、簡単に破壊されてしまう。
「くぅ……!」(真薄墓地5→6)(真薄ライフ8000→7900)
「そして、『ブレイク・ドロー』の効果で1枚ドロー。更に、機械竜でダイレクトアタック! 重装解体!」(龍矢手札1→2)
「くぅっ!」(真薄ライフ7900→5600)
「そして俺は、1枚カードを伏せてターンエンド」(龍矢2→1)
龍矢
ライフポイント6100
手札枚数1枚
モンスター2体『パワー・ツール・ドラゴン』(攻撃表示) 『機械竜 パワー・ツール』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード3枚『月鏡の盾』 『レインボー・ヴェール』 『ブレイク・ドロー』
墓地の枚数11枚
除外されているカード0枚
観客席で見ていた遊太達は、この激しい攻防に、思わず息を飲む。
「接戦ッスね、アネゴ」
「ああ、多分お互いの実力が拮抗しているから、こんなにも差が無いんだ。現に二人のライフは500しか違っていない」
「龍矢も、なんか熱くなってるみたい。気迫が違って見えるわ」
「兄妹だからわかるものなんだねえ」
皆がこう話しているのに対し、遊太はずっと黙ってデュエルを見ていた。隣から聞こえる、『イクスロードナイト・アルファ』の声を聞きながら。
(遊太、お前はどっちにも勝ってほしくて、負けてほしくないと思っているな)
(……ん)
(だがデュエルである以上、勝者と敗者が生まれるのだ。それを、受け止めるのだな)
(……ん)