二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.183 )
日時: 2016/12/21 12:55
名前: ロード (ID: rHtcSzQu)

4・真薄のターン

「僕のターン、ドロー!」(真薄手札0→1)

(このカードは……! よし、これならなんとかなるかもしれない。龍矢君の装備コンボを、打ち崩せる! と、その前に……)

「伏せカード発動! 『魔力の泉』! このカードは発動後、相手の表側表示の魔法・罠カードの分だけドローして、自分の表側表示の魔法・罠の数だけ手札を捨てる。龍矢君の場には3枚あるから、3枚ドローして、僕の場には魔法が2枚あるから、2枚捨てる。このカードが発動された時、相手の魔法・罠は破壊されず、無効にされない」(真薄手札1→4→2)(真薄墓地6→9)

「おいおい、装備魔法を多く使う俺にそんなカード使って大丈夫か?」

「まあ見ててください。僕は手札から、『N・グラン・モール』を召喚!」(真薄手札2→1)

出てきたのは、肩にドリルがついたモグラであった。攻撃力は900と、貧弱だが……? 

「グラン・モールは、戦闘を行うモンスターを、ダメージ計算前に手札に戻すことができる」

「何!? じゃあ『月鏡の盾』も……」

「そう。でも、僕はこれだけで終わりませんよ。伏せカードオープン! 『リビングデッドの呼び声』。これは墓地からモンスターを1体特殊召喚できる。僕が呼ぶのは、『E・HERO ネオス』!」

墓地から舞い戻ったネオス。そして、場にネオスと『ネオスペーシアン』が揃う。

「またコンタクト融合か!」

「ええ。僕は、ネオスとグラン・モールを、コンタクト融合!」

ネオスとグラン・モールがそれぞれ宇宙へ飛び立ち、銀河の中へと入って行く。そして、現れ出たのは。

「現れろ! 『E・HERO グラン・ネオス』!」

右手にドリルを蓄えた、大地のネオス! 攻撃力は2500だが、『ネオスペース』の効果で3000になる。

「グラン・ネオスは、1ターンに1度、相手モンスターを1体手札に戻すことができる! 対象は『パワー・ツール・ドラゴン』だ! ネビュラスホール!」

グラン・ネオスが地面にドリルを地面に突き刺す。すると、空間に穴が空いて、パワー・ツールは吸い込まれて行く。

しかし、龍矢はただではやられない。

「『機械竜 パワー・ツール』の効果発動! フィールドの正しい対象となる装備カード1枚を、機械竜に装備する! 俺は『月鏡の盾』を、機械竜に装備する! 装備強奪!」

パワー・ツールの装備魔法を、無理矢理奪い取る機械竜。ひとまずこれで、破壊は免れた。(龍矢墓地11→12)

しかし、真薄はこれだけでは終わらなかった。手札から、カードを発動しようとする。

「手札から速攻魔法『コンタクト・アウト』を発動! 『ネオス』と名の付いた融合モンスターをエクストラデッキに戻す。そして、自分のメインデッキに融合素材がそれぞれ揃っていれば、フィールドに特殊召喚できる! ネオスとグラン・モールを、特殊召喚!」(真薄手札1→0)(真薄墓地9→10)

真薄のフィールドに、再びネオスとグラン・モールが戻る。そして、今度はこの2体で攻撃を仕掛ける! 

「そして僕は、グラン・モールで機械竜を攻撃! グラン・モールは、戦闘を行う時グラン・モールと相手モンスターをそれぞれ手札に戻せーー」

「そうはさせるかよ! 罠発動! 『鎖付きブーメラン』だ!」

オープンした罠から、鎖付きブーメランが飛び出して来たと同時に、グラン・モールを縛ってフィールドに叩き落とした。グラン・モールは守備表示になってしまった。

「『鎖付きブーメラン』は、攻撃してきた相手を守備表示に変更できる。そして、モンスター1体の攻撃力500アップの装備カードになれる」

「なら僕はこれで、ターンエンドです」


真薄

ライフポイント5600
手札枚数0枚
モンスター2体『E・HERO ネオス』(攻撃表示) 『N・グラン・モール』(守備表示)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード2枚『ネオスペース』 『リビングデッドの呼び声』
墓地の枚数10枚
除外されているカード0枚


5・龍矢のターン

「俺のターン、ドロー!」(龍矢手札1→2)

「魔法カード『貪欲な壺』を発動! 墓地のモンスター5体、ビデオン、モバホン、スコープン、ラジオン、『アームズ・エイド』をデッキに戻してシャッフルした後、デッキから2枚ドローする!」(龍矢手札1→3)(龍矢墓地12→8)

(ここで『貪欲な壺』!? なんて引きをしているんだ……)

「俺は手札から、魔法カード『地割れ』を発動! 相手フィールドで、一番攻撃力が低いモンスターを1体破壊する! その標的は、グラン・モールだ!」(龍矢手札3→2)

地割れに巻き込まれたグラン・モールは、そのまま地割れの中へと落ちて行く。(真薄10→11)

「グラン・モールが……」

「更に、 俺は装備魔法『自律行動ユニット』を発動! 1500ポイントライフを払って、相手の墓地からモンスターを特殊召喚して、このカードを装備する! 俺がお前の墓地から選ぶカードは……」(龍矢手札2→1)(龍矢ライフ6100→4600)

「カードは……?」

「コイツさ! 現れろ『フレア・ネオス』!」(真薄墓地11→10)

「!」

龍矢の場に現れたのは、真薄が先程使って大ダメージを与えたフレア・ネオス! 魔法・罠の数だけ攻撃力を上げる強力なモンスターだ! 

「悪いな、ちょっとばかし借りさせてもらったぜ」

「そ、そんな……」

「フレア・ネオスは魔法・罠の数だけ攻撃力がアップする。そして、『ネオスペース』の効果で攻撃力500アップ。今フィールドに魔法・罠カードは6枚。よって攻撃力は、5400にアップだぜ!」

「嘘……」

「行くぜ! 俺は『機械竜 パワー・ツール』で、ネオスを攻撃! 重装解体! 『月鏡の盾』の効果で、攻撃力は3100にアップ!」

「ううっ……!」(真薄ライフ5600→5500)(真薄墓地10→11)

「そしてフレア・ネオスで、ダイレクトアタック! バーン・ツー・アッシュ!」

「うわあああっ!」(真薄ライフ5500→100)

「俺はこれで、ターンエンド!」


龍矢

ライフポイント4600
手札枚数1枚
モンスター2体『機械竜 パワー・ツール』(攻撃表示) 『E・HERO フレア・ネオス』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード4枚『月鏡の盾』 『レインボー・ヴェール』 『鎖付きブーメラン』 『自律行動ユニット』
墓地の枚数8枚
除外されているカード0枚


真薄のライフが100に、これに、焦る観客席の遊太。

「真薄君のライフがたったの100に……!」

「いくらシードを破ったとはいえ、龍矢の方が一枚上手だったようだな。まさか相手のカードを利用するとは……!」

「こ、これはどうなるッスかアネゴ!」

「よっぽどのことがない限りは、真薄の勝ちだが……」

(真薄君……!)

心の中で、なんとか踏ん張って欲しいと思う遊太。それを、アルファは隣でじっと見ていた。


6・真薄のターン

(ライフが100に……けど、まだ諦めないぞ、なんとかする! してみせるんだ!)

「僕のターン、ドロー!」(真薄手札0→1)

ドローしたカードを見て、真薄は安心した表情を浮かべる。

(まだ大丈夫だ、これなら行けそう!)

「僕は手札から、『逆境の宝札』を発動! 相手フィールドに特殊召喚されたモンスターがいて、自分フィールドにモンスターがいない時、デッキから2枚ドロー!」(真薄手札0→2)(真薄墓地11→12)

こんな状況でドローカードを引いたことに、龍矢は熱くなる。

(ここでそっちもドローかよ……激熱じゃん!)

そして、新たにドローしたカードを確認して、笑みをこぼす真薄。

「この2枚のカードなら、まだ戦えそうだ……僕は、『N・グロー・モス』を召喚!」(真薄手札2→1)

あの時ネオスとコンタクト融合し、グロー・ネオスとなってフィニッシャーとなった人形のモンスターが現れる。

「ソイツは確か、バトルを行う時、俺がドローしたカードで効果が変わるモンスター……けど、俺のカード次第で効果が変わるなんて、いけてないんじゃない?」

「慌てないでください。僕は、グロー・モスを対象に、魔法カード『NEX』を発動! このカードは、特定の『ネオスペーシアン』を進化させて、エクストラデッキから新たな『ネオスペーシアン』を特殊召喚する!」

「遊太みたいな真似を、お前もやるのか!?」

「僕はグロー・モスを進化させて、エクストラデッキから『N・ティンクル・モス』を特殊召喚!」(真薄手札1→0)(真薄墓地12→14)

グロー・モスが姿を変えると、女性的な体つきをした、人間に近い姿になった。攻撃力は500と、貧弱だが……? 

「そして僕は、ティンクル・モスでフレア・ネオスを攻撃! ティンクル・モスは戦闘を行う時、僕がドローしたカードの種類によって効果が変わる!」

「グロー・モスが相手依存から、自分のドローに変わったってことか……」

「モンスターならバトルフェイズが終了。魔法ならダイレクトアタック。罠なら守備表示になる。ドロー!」(真薄手札0→1)

真薄が引いたのは、緑色のカード。魔法カードだ! 

「よし! ダイレクトアタックだ! ティンクル・フラッシュ!」

ティンクル・モスの右手から放たれた輝きが、龍矢を直接襲う! 

「う、く……けど、たった500なんて痛くないぜ!」(龍矢ライフ4600→4100)

「いいや、僕はメイン2で魔法カード『スペーシア・ギフト』を発動。自分フィールドの『ネオスペーシアン』1体につき、1枚ドローする」

「つまりは1ドローか……」

「いいえ、ティンクル・モスはグロー・モスとしても扱うため、1体で2体分の『ネオスペーシアン』になれる。よって僕は2枚ドローします」(真薄手札0→2)(真薄墓地14→15)

「……マジかよ」

「そして僕は、速攻魔法『非常食』を発動。自分フィールドの魔法・罠を墓地へ送って、その数×1000ライフを回復する。僕は『ネオスペース』と『リビングデッドの呼び声』を墓地へ送って、2000ライフを回復する!」(真薄ライフ100→2100)(真薄墓地15→18)

「クソッ、後一歩だったのに……」

「僕はカードを1枚伏せて、ターンエンド。そして、フィールドに『ネオスペース』がなくなったので、フレア・ネオスは僕のエクストラデッキに戻る!」

「あー……せっかく奪ったのに……!」(龍矢墓地8→9)

「僕のモンスターだから、返してもらいますよっと!」


真薄

ライフポイント2100
手札枚数0枚
モンスター1体『N・ティンクル・モス』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数18枚
除外されているカード0枚


まさかまさかの展開に、驚くしかできない観客席の遊太達。このままやられると思われた真薄が、耐えてみせたことに。

「凄い……まさか、絶えるなんて」

「やるものッスねえ……」

「このままなら、まだわからないな……」

「それだけじゃない、ティンクル・モスは戦闘を行うたびにドローできる。大量ドローも夢じゃない」

二人のデュエルを見て、龍奈が感づく。

「あれ……? なんか龍矢、楽しそう……? いや、龍矢だけじゃなくて、真薄君も……」

「うん。なんか、お互いに楽しみあってるような気がする……」

遊太は感づいていた。いつの間にか、二人の間に不思議なものが漂っていることに。

それは、張りつめた空気などではなく、 お互いに 勝ちたいと思っている、凄く、純粋な気持ち。それを感じたのである。

(二人の間にあるこの空気……)

(そう、純粋に勝ちたいと思うこの気持ち。それが二人がデュエルを楽しんでいる最大の要因。だからこそ、デュエルは面白い!)

(そうだろう? 遊太)

(……うん!)

アルファに言われて、二人がなぜそんな空気を出しているかわかった遊太。でも、やっぱりお互いに勝ってほしいと思っている遊太。

このデュエル。どちらが勝つのか。まだわからない。