二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.185 )
日時: 2016/12/22 16:45
名前: ロード (ID: 5J8asoW6)

9・龍矢のターン

「俺のターン、ドロー!」(龍矢手札0→1)

「俺は、パワー・ツールの効果を使って、装備魔法を3枚選んで相手に選ばせ、その中にあった1枚を加える。さあ、選べよ」

「僕は、真ん中のカードを」

「……よし! 俺は装備魔法『メテオ・ストライク』をパワー・ツールに装備! そしてバトル! ティンクル・モスに攻撃! クラフティ・ブレイク!」

「ティンクル・モスが戦闘を行うとき、ドローしたカードによって効果は変わる! ドロー!」(真薄手札1→2)

真薄が引いたカードは……。

「ああっ、罠カードだ!」

「よっしゃ! そのまま攻撃! クラフティ・ブレイク! 更に、『メテオ・ストライク』を装備したモンスターが戦闘を行うとき、貫通ダメージを与えられる!」

2300の攻撃力と、1100の守備力。1200のダメージが、真薄を襲う! 

「うわあああっ!」(真薄ライフ1300→100)(真薄墓地19→20)

「俺は、カードを1枚伏せて、ターンエンド!」(真薄手札1→0)

(……俺が伏せたカードは、速攻魔法『リミッター解除』……もし真薄が何かしてきても、このカードで返り討ちにしてやるぜ!)

(油断しちゃダメだよ! 龍矢!)

(だ、誰だよ……!)

(今はそんなことどうでも良いでしょ! とにかく、油断しちゃダメなんだ!)

(わ、わかったよ……)


龍矢

ライフポイント1100
手札枚数0枚
モンスター1体『パワー・ツール・ドラゴン』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚『メテオ・ストライク』
墓地の枚数15枚
除外されているカード0枚


10・真薄のターン

圧倒的ピンチに陥ってしまった真薄。しかし、その目はまだ死んでいなかった。このターンをどうやって凌ごうか、いや、ここでどうやって決めようか考えていたのだ。

(僕の手札にあるのは、エア・ハミングバードとさっき引いた罠カード1枚だけ……次のドローに全てがかかっている!)

「僕のターン……」

デッキに手をかける真薄。その顔は、どこか笑みがこぼれていた。

(……僕も、こんなデュエルがしたかった。友達と、沢山高めあって、おもいっきり実力をぶつけ合うデュエルが……!)

「ドロー!」(真薄手札2→3)

真薄がドローしたカードは。

「僕は手札から、『手札抹殺』を発動! 手札があるプレイヤーは手札を全て捨てて、捨てた枚数分ドローする! 僕は、2枚ドロー!」(真薄手札3→2)(真薄墓地20→23)

手札を捨てて、新たにドローした2枚のカード。それは、新たなる希望のカードであった。

(ここでこんなカードを引くなんて……僕に、勝てと言っているのかな……)

(そうだ真薄。お前は勝つんだ!)

(……! あの時僕を励ましてくれた、あの声!)

(さあ、そのカードを使って、偉大な勝利を掴むんだ!)

(うん。また……誰だか知らないけど、ありがとう)

真薄は、声高らかに、カードを発動する! 

「僕は手札から、魔法カード『ミラクル ・コンタクト』を発動! 自分のフィールド、手札、墓地から『E・HERO ネオス』を素材とする融合モンスターの融合素材をデッキに戻すことで、エクストラデッキからネオスを素材とする融合モンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚する!」

「そんなカード、ありかよ!?」

「僕は、墓地のネオス、エア・ハミングバード、アクア・ドルフィンをデッキに戻して、融合召喚する!」(真薄手札2→1)(真薄墓地23→21)

3体のモンスターが、ネオスを中心に渦巻く銀河の中へと入って行く。

「銀河を駆ける、ネオスペースのHEROよ、水と風の力を受けて、宇宙に大嵐を巻き起こせ! コンタクト融合! 現れよ『E・HERO ストーム・ネオス』!」

水と風の力を受けた、青きネオス。レベル9で攻撃力3000と、強力だ。

「ストーム・ネオスは1ターンに1度、フィールドの魔法・罠を全て破壊できる! アルティメット・タイフーン!」

フィールド上に、大嵐が巻き起こる! 真薄の場には魔法・罠カードがないが、龍矢の場には2枚のカードが……! 

「伏せカードオープン! 『リミッター解除』! 俺のフィールドの機械族モンスターの攻撃力を2倍にする! よってパワー・ツールの攻撃力は4600にアップする。無駄にはしないぜ!」(龍矢墓地15→17)

攻撃力が2倍となったパワー・ツール。これでは攻撃すれば返り討ちになってしまう。

「『リミッター解除』の効果で、エンドフェイズに自壊するけど……次のターン、なんとかしてやるぜ!」

「それは、どうですかね?」

「何……?」

「僕は速攻魔法、『決闘融合−バトル・フュージョン』を発動! 融合モンスター1体の攻撃力は、相手モンスターの攻撃力分アップする!」(真薄手札1→0)(真薄墓地21→22)

「嘘……だろ?」

「バトル! ストーム・ネオスで、『パワー・ツール・ドラゴン』を攻撃! グレート・ヘビー・ストーム!」

「ぐああああああっ! ま、負けたぁ〜!」(龍矢ライフ1100→0)

このデュエル。真薄の勝利で終わった。

真薄は、まさかまさかの逆転勝利で大喜びし、龍矢は、リングに手を打ち付けた。

それを、観客席の遊太達は大喜びする。

そして、リングから降りた真薄と龍矢は、お互いに握手する。

「おめでとう、ベスト4進出だぜ」

「あ、ありがとうございます……」

「おいおい、俺に勝ったんだから、もっと喜んでもいいんだぜ」

「は、はい……!」

「ま、心配するなよ、俺は俺で今度頑張ればいいんだし。じゃあな!」

そう言って、龍矢はどこかへ行った。それを真薄は、黙って見ていた。

そして、菊姫達がやって来て、真薄をちゃかぽこと叩く。

「凄いな真薄 ! まさか勝つとはよ!」

「凄いッス! まさかあんな大逆転をしてみせるなんて!」

「お前本当に、2週間前にデュエル始めた初心者かよ!?」

菊姫、岩ノ井、鏡山にもみくちゃにされる真薄。それを、黙ってみつめる遊太。そして、遊太が真薄に言う。

「真薄君、次は僕と勝負だ!」

「ええ、望むところです!」

お互いに、火花を散らす遊太と真薄。そして、遊太には見えていた。真薄の後ろにいる、ネオスが。

(頑張れ真薄! お前ならきっとやれるはずさ!)

(……見えるか遊太)

(うん。ネオスが、見える)

(彼はこちらにきづいていないが、彼もまた、我々の協力者だった)

(そうなの?)

(だが、お互いのマスターのために、こうして合間みえるとはな)

(たとえそうだとしても、僕は全力で行くよ)

(ああ、我らもだ)

そして、会場の外では。

「だー! チクショウ! 負けちまったよー!」

一人で叫んでいた龍矢のところに、妹の龍奈がそっとやってくる。

「やっぱり、悔しいの?」

「龍奈、悔しい。滅茶苦茶悔しい!」

「そうして見れば、誰だって悔しいってわかるわよ」

「……うん。けど、向こうにいた時は、デュエルでこんなこと、思わなかったよなー……」

「そうね……」

二人は思い出す。あの時のことを。

ずっと、二人だけでデュエルしていた。デュエル友達はおらず、たまに遠出をした時見知らぬ人とだけ……。

でも、今は違う。

龍奈は、龍矢に言う。

「ねえ龍矢、次は私の番だから、しっかり応援してよね」

「おう! 頑張って応援しちゃうぜ!」

「じゃあ、皆の所に戻ろうね」

「うん!」

龍矢があんなに楽しそうにデュエルをしてたのは、きっと相手が友達だったからかな、と、龍奈は思っていた。


第三十一話。終わり。