二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.197 )
日時: 2017/02/16 12:00
名前: ロード (ID: MMm5P7cR)

そして、デュエルを終えた龍奈はというと。

「ご、ごめんね……負けちゃった……」

「ま、まあ、相手が悪かったとしか言えないし、それに内容だって……」

そうなだめる龍矢だったが、遊太は。

「いや、やっぱりどこか使いづらそう感じが僕にはした。さっきも、なんか発動をためらうような感じがしたし」

「えっ……」

「これは僕の私見なんだけど、デュエリストはやっぱり自分に合ったデッキを使うのが一番じゃないのかなあ。わざわざ使いづらいデッキを使って、自分を殺すのは、よくないと思う」

龍奈にそう言った遊太であったが、龍奈はというと。

「……確かに、そうかもしれないけど、でも、私にはダメなの!」

そう言って、龍奈は何処かへ行ってしまった。

「あ、ちょっと……」

「もう、遊太があんなこと言うから、龍奈の奴トラウマ思い出して行っちゃったじゃないか……」

「あ、ゴメン……そんなに強く言ったつもりは……」

「確かに遊太の言っていることは正しいかもしれないがよ、龍奈はあのデッキを使って、友達を無くしちまったんだぜ? そう簡単に受け入れろって言われても、無理だと思うぜ? ……そう簡単に、きっかけがなかったら」

と言って、龍矢は逃げた龍奈を探しに行った。遊太はそれを見て、こう呟く。

「向き合おうとしなければ、いつまで経ってもそうだと、僕は思うな……」

一方、龍奈はというと、一人で会場の外に佇んでいた。

「確かに……確かに遊太君の言う通りかもしれないけど……私には……!」

そう言っていた龍奈の所に、一つの声が頭の中に響く。

(酷いよ……なんでこんなことするの!? せっかく……デュエルを始めようと思ってデュエルしたのに……! ひどいよっ!)

トラウマとなっている、あの子の声。しかし、その声とは別の声が、竜なの中に響く。

(駄目よ、龍奈……過去に目をそむけては駄目……)

(!? 誰なの!?)

(私はあなたの懐の中……あなたのカードよ)

そう言って、龍奈は先程遊太に拾われたあのカードを懐から出す。

(あなたは、あのデッキを封じた。けれど、私をまだ持ってくれている)

(だ、だから……?)

(あなたは……まだ私のことをどこかで思ってくれていることよ)

(ええ……)

(それに、あの子も……)

(ああ、私も共に……)

(!?)

すると、龍奈のデッキに入っていたレインボー・ドラゴンのカードが光った。

(あ、貴方たちはいったい……!)

(私達は精霊。精霊界より来た、異なる存在……)


第三十三話。終わり。