二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.210 )
- 日時: 2017/02/27 18:32
- 名前: ロード (ID: MMm5P7cR)
第三十五話「菊姫とアキラ」
見事、決勝戦への進出を決めた遊太。そして準決勝第2デュエルは、遊太の仲間である菊姫と、アキラとのデュエルであった。
「さて……あの時の因縁……というか、屈辱を果たすために、アタシはデュエルしてくるよ」
「アネゴ……大丈夫ッスか?」
「無茶はしないでくださいよ」
「なあに、お前らに心配されなくても、蹴りはちゃんとつけてやる。なんせ、アタシとアイツのデュエルなんだからな」
岩ノ井と鏡山の両方に心配されながらも、勇んでデュエルに向かおうとする菊姫。
そして、龍矢や龍奈の二人も。
「心配いらねえって、なんて言ったって、菊姫は結構やるほうなんだぜ? あのアキラとも、互角に渡り合えるって!」
「そうよね、菊姫さんなら、問題ないとは思うわ」
「な、コイツらもそう言ってくれてるし、心配なんかしなくても結構! ……じゃ、遊太と真薄がまだとはいえ、そろそろデュエルが始まるから行ってくるわ。じゃ、行ってくるぜ!」
そう言って、菊姫はデュエルリングへと向かって行った。
そして、観客席へと戻って来た遊太と真薄であったが、既に菊姫はいなかった。
「お待たせ、菊姫。あれ……菊姫はどこに行ったの?」
「二人が遅いんで、すぐにデュエルに行っちゃったんだよ」
「ごめんなさい、僕が遊太君との話に夢中になっていたばっかりに」
「まあ、当のアネゴはアキラとのデュエルに勝って、あの時の雪辱を果たすことしか、今は頭に無いッスからねえ」
「あ、そうなんだ。というか、そういうことを前も言ってたけど、一体アキラ君と菊姫の間に何があったって言うのさ?」
「ああ、実は……以前アネゴは、俺達以外の取り巻きも持っていたんだよ」
「へえ、それは以外ですね」
「けど、アキラに惨敗して以降、俺達以外の取り巻きはどんどん離れて行って……遂には俺達以外いなくなっちまった」
「そ、そうだったんだ……けれど、そんなこと菊姫はおくびにも出してないけど……」
「俺達が残ってくれたのを、アネゴは凄く喜んでくれたッス。まあ、俺と鏡山も、昔アネゴに助けてもらったことがあるッスから、その恩返しのような形ッスね」
「ということは、君達は菊姫に……」
「ああ、昔の話だけど、アネゴに助けてもらった経験があるんだ。俺も岩ノ井も」
「菊姫……」
それを聞いて、遊太が持っているカードの精霊達が口々に声を上げる。
(ずっと一緒にいれるような恩を、あの女の子が作ったというのか……)
(素晴らしいというか……流石というか……そういう感じがしますね)
(何を言うか、素晴らしい女ではないか!)
ドゥフト、マグナ、デュークの三人が口々にそう言ったことに、遊太も納得する。
(それに対しては、僕も同感……)
そして、デュエルリング。アキラは一番に来ており、菊姫がその後から来たようだ。
「おっ、やっと来たか。まあ、俺からビビッて逃げたなら……そのままでもよかったんだけどな」
「別に、逃げる気なんてなかったし。それに、アンタをブッ飛ばす前に、やらなきゃいけないことがいろいろあったあったからな」
「やらなきゃいけないこと? ああ、仲間達とのお喋りか」
「そうだけどよ……あの天羽とのデュエルとあの二人のお陰で、余計な物が吹っ切れちまったというかな……お前は覚えてないかもしれないが、アンタはアタシをぶっ倒したことがあるんだよ」
「ああ、お前いつもそんなこと言っていたな。それで俺に突っかかっていた」
「そうだよ。お前にとってはくだらない勝利かもしれないが、アタシは失った物が大きいんだ。けど、残った物も大きかったけどな……」
「……? お前が何を言っているのかわかんないぜ?」
「嫌でも分かるようになるさ、このデュエルが終わればな……」
そうして、先攻アキラ、後攻菊姫となってデュエルは始まることとなった。
「それでは、準決勝第2デュエル、一条寺菊姫選手と八神アキラ選手のデュエルを始めます!」
「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」