二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.218 )
- 日時: 2017/03/03 16:19
- 名前: ロード (ID: MMm5P7cR)
5・菊姫のターン
「アタシのターン。真薄よお、お前随分と成長したよなあ。始めて会った時は、カードの使い方すら、おぼつかなかったって言うのに。今じゃこんなだぜ?」
「は、はい。ありがとうございます」
「けどよお、アタシから言わせれば、お前はまだまだだね」
「えっ……」
「確かにやってくれたぜ。ハンデスだのフォースだの色々……けれど、アタシは負けない。ライフがこれだけ差が付こうとも、アタシは負けない」
「……」
「だから、このままやってやろうじゃねえか! アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札1→2)
(……来た! このカードなら、アタシは一気に逆転できる!)
(そう、ピンチの時は、いつだってデッキが助けてくれる……)
「アタシは永続罠『古代の機械蘇生』の効果を発動! 墓地より『古代の機械飛竜』を特殊召喚だ!」(菊姫墓地8→7)
「そして手札に、『古代の機械箱』を手札に加える。そして箱の効果で、もう1枚の機械箱を手札に加える」(菊姫手札2→4)
「何だ……何をやってくるんだ……?」
「そして、フィールド魔法『歯車街』の効果で、リリース1体でレベル8『古代の機械』モンスターを、アドバンス召喚する! 来い、アタシのエースの、もう一つの姿! 『古代の機械巨人 −アルティメット・パウンド−』!」(菊姫手札4→3)(菊姫墓地7→8)
現れ出でたのは、菊姫が最も信頼するエースモンスターの『古代の機械巨人』。しかし、どこか違う雰囲気をかもしだしている。
「こ、これは一体……? アルティメット・パウンドって、確か『古代の機械巨人』の攻撃名……どういうこと?」
「行くぞ、魔法カード『一騎加勢』を発動! アルティメット・パウンドの攻撃力を1500上げる! そして攻撃だ! アルティメット・パウンド!」(菊姫手札3→2)(菊姫墓地8→9)
思いっきり右腕でぶん殴る『古代の機械巨人』。攻撃力3000の一撃が、マリン・ネオスに襲い掛かる! 『一騎加勢』によって強化されたアルティメット・パウンドの一撃は、重い一撃。その重い一撃を、もろに喰らう真薄!
「うああっ……」(真薄ライフ8000→6300)(真薄墓地9→10)
「更に、コイツは相手モンスターを破壊した時、手札の機械族モンスターを1体捨てることで、もう1度攻撃が出来る! 機械箱を捨てて、もう一回攻撃だ! アルティメット・パウンド、2回目ェ!」(菊姫手札2→1)
「なにぃっ!?」
2回目の攻撃が、真薄を直撃する! 攻撃力4500の攻撃は、恐ろしいものがあった!
「うわあああっ!」(真薄ライフ6300→1800)
「……やったぜ。アタシはこれで、ターンエンド」
菊姫
ライフポイント3000
手札枚数1枚
モンスター1体『古代の機械 −アルティメット・パウンド』
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード2枚『古代の機械蘇生』 『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数10枚
除外されているカード0枚
圧倒的優位に立っていたはずが、瞬時にして不利な状況になってしまった真薄。
これには思わず、観客席の遊太達は思わず感嘆とする。
「まさか、あの状況から一発逆転するなんて……」
「ウソだろ……?」
これには真薄も驚いてしまう。
「まさか、あの圧倒的優位からあそこまで逆転するなんて……やっぱり菊姫さんは凄い!」
「フン。一応言っておくが、アルティメット・パウンドは貫通効果を持っている。守備で逃げようとしても、無駄だぜ。このモンスターは、圧倒的攻撃に特化した性能のモンスターだからな!」
「はい」
6・真薄のターン
「僕のターン、ドロー!」(真薄手札1→2)
「……よし、僕にも来た……魔法カード『貪欲で無欲な壺』を発動! 墓地の違う種族のモンスター3種類。戦士族のアクア・ドルフィンと、昆虫族のフレア・スカラベ、植物族のグロー・モスの3体をデッキに戻してシャッフルした後、2枚ドロー! ただし、このカードを発動したターン、バトルフェイズは行えない」(真薄手札1→3)(真薄墓地10→8)
「自分バトルフェイズをスキップしてまで、ドローにこだわるのか……」
「ええ、僕はカードを1枚セットして、モンスターを1体、裏守備表示でセットして、ターンエンド!」(真薄手札3→1)
(確かに、その攻撃的な能力が、先程僕を追い詰めた……けれど、その攻撃に特化しすぎた能力が仇です!)
真薄
ライフポイント1800
手札枚数1枚
モンスター1体(裏守備表示)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数8枚
除外されているカード0枚
7・菊姫のターン
「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札1→2)
「行くぞ、アルティメット・パウンドで、裏守備モンスターを攻撃! アルティメット・パウンド!」
貫通を伴ったその一撃が、伏せ守備モンスターを襲う。しかし、真薄はというと。
「罠カード発動! 『攻撃の無力化』! 相手モンスター1体の攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる!」(真薄墓地8→9)
「くっ……やられた! そこまで見抜くとは……」
「本来なら、『古代の機械巨人』は攻撃宣言時、魔法・罠を無効化する効果を持っています。けれど、アルティメット・パウンドは攻撃にその重点を置いているため、魔法・罠の無力化ができなくなっています……」
「チッ、そこまで読んでいるとはな……アタシは手札からカード1枚を伏せて、ターンエンド!」(菊姫手札2→1)
菊姫
ライフポイント3000
手札枚数1枚
モンスター1体『古代の機械巨人 −アルティメット・パウンド』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード2枚『古代の機械蘇生』 『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数10枚
除外されているカード0枚
8・真薄のターン
「僕のターン、ドロー!」(真薄手札1→2)
(来た! このカードなら、行けるかもしれない!)
「僕は、裏守備モンスターの『E・HERO アナザー・ネオス』を反転召喚!」
ネオスを子供のようにしたモンスターが現れる。攻撃力は1900と、レベル4では上出来な部類だが。
「そして僕は、アナザー・ネオスをもう1度召喚します。アナザー・ネオスはデュアルモンスター。もう1度召喚することで、カード名を『E・HERO ネオス』にすることができます!」
「何っ!? ってことは……」
アナザー・ネオスが大きくなると、本来のネオスとなる。これを真薄は。
「魔法カード『ミラクル・コンタクト』を発動! 自分の手札・フィールド・墓地から融合素材となるモンスターをそれぞれデッキに戻した後、エクストラデッキから『E・HERO ネオス』を融合素材とする融合モンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚する! 僕は、墓地のエア・ハミングバードと、フィールドの『E・HERO ネオス』となっているアナザー・ネオスをデッキに戻して、コンタクト融合!」
エア・ハミングバードと、アナザー・ネオスが銀河に入って融合したその姿は、背中に大きな翼を持つネオス!
「現れろ、『E・HERO エアー・ネオス』! そして、エアー・ネオスの効果発動。自分ライフポイントが相手より下回っている時、その差だけ攻撃力をアップする! 今のライフ差は1200……よって、攻撃力は3700にアップ!」(真薄手札2→1)
「な、なーる……そう来る訳ね……」
「エアー・ネオスで、アルティメット・パウンドを攻撃! スカイリップ・ウィング!」
翼による強力な一撃が、アルティメット・パウンドを直撃する! アルティメット・パウンドは粉々に砕け散ってしまった。
「ぐう……だが、『古代の機械巨人 −アルティメット・パウンド』の効果発動! コイツが戦闘と効果で破壊された時、墓地から『古代の機械』モンスターを手札に加え、デッキから『融合』を1枚手札に加える。アタシは『古代の機械猟犬』を手札に加え、『融合』を手札に加える」(菊姫ライフ3000→2300)(菊姫手札1→3)
「でも、僕はこれで終わりません! 速攻魔法『コンタクト・アウト』! 融合モンスターを1体エクストラデッキに戻し、メインデッキに融合素材が揃っていれば、特殊召喚できる! 僕はデッキからネオスを攻撃表示。エア・ハミングバードを攻撃表示で特殊召喚する」(真薄墓地9→10)
これを見て、観客席の遊太達は大いに驚く。
「ま、真薄君、やるぅ〜……これが決まったら、菊姫は……」
「間違いなくアネゴは、やられるッス!」
「アネゴ〜!」
「行きますよ! 僕はネオスでダイレクトアタック! ラス・オブ・ネオス!」
これで決まるかと、全員が思ったが……。
「速攻発動! 『収縮』! 相手モンスターの攻撃力を半分にする! ネオスの攻撃力を、半分にするぜ!」(菊姫墓地10→11)
「うっ、やられた……」
「だが、ダメージは受ける……!」(菊姫ライフ2300→1050)
「……そして僕は、エア・ハミングバードでダイレクトアタック! ホバリング・ペック!」
800とはいえ、痛いダメージが加わる。
「ん、んん……どうにか、耐えきったぜ! どうした、何かやることはあるか?」(菊姫ライフ1050→250)
「ぼ、僕は……これでターンエンドです……」
真薄
ライフポイント1800
手札枚数0枚
モンスター2体『E・HERO ネオス』(攻撃表示) 『N・エア・ハミングバード』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数10枚
除外されているカード0枚
9・菊姫のターン
「アタシのターン、ドロー」(菊姫手札3→4)
「真薄……お前よくここまでやったよな」
「えっ……」
「アタシをここまで追い詰めた挙句、後一歩の所で勝っちまいそうなところまで来たんだからな」
「菊姫さん……」
「だが、お前は結局まだまだだったってことだ」
「ええっ……!」
「魔法カード『融合』発動! 手札の『古代の機械巨人』1体と、『古代の機械箱』と『古代の機械猟犬』を融合させて、『古代の機械究極巨人』を融合召喚する!」(菊姫手札4→0)(菊姫墓地11→15)
『融合』によって現れた、菊姫の最も信頼する切り札モンスター! しかし、観客席の遊太はアレ? と思う。
「菊姫……なんで『融合』で究極巨人出したんだろう? 菊姫の手札には融合できる『古代の機械猟犬』があったはずなのに……」
しかし、遊太のデッキに入っていた『イクスロードナイト』はというと。
(わからないのかね、遊太君)
(アルファ……)
(菊姫がわざわざ『融合』で出した理由、それは真薄のデッキの象徴で出して見せたことで、自分との違いを出して見せたということなんだろう)
(自分との違い?)
(同じ融合でも、自分と真薄の融合ではこんなにも違うってことを示したいんだろう。自分との、実力の差を……)
(菊姫……)
(あの少年、真薄はそれだけ菊姫に認められているということだろう。だからこそ、自分との違いを見せつけたんだ……)
(菊姫の奴、そんなことまで考えていたなんて……)
そして、菊姫は攻撃を仕掛ける!
「アタシは、『古代の機械究極巨人』で『E・HERO ネオス』を攻撃! ギガント・パウンドォォォッ!」
究極巨人の攻撃が、ネオスにクリーン・ヒットする! その攻撃力の差が、真薄を襲う!
「うっ、ううう……」(真薄ライフ1800→0)
こうして、真薄は菊姫に負けた。同じ融合でありながら、こんなにも大きな差を残して……。
「うう……僕の、負けです……」