二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.227 )
- 日時: 2017/03/17 18:20
- 名前: ロード (ID: MMm5P7cR)
11・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
「僕は手札から、魔法カード『英雄騎士の兵力増強』を発動! 墓地の『ロードナイト』3体をデッキに戻してシャッフルした後、デッキから2枚ドロー……なんだけど、このカードを発動した時に手札が0枚だった場合、デッキから3枚ドロー出来る! 僕は、アルスとウェイカーとテラをデッキに戻した後、手札が0枚なので3枚ドロー!」(遊太墓地13→11)(遊太手札0→3)
「よし……アキラ君、君はこのターンで終わりだ!」
「な、何を言っていやがる! この圧倒的な状況で、手札が増えたぐらいでこの状況を——」
「僕は手札から、魔法カード『英雄騎士の一斉突撃』を発動! 相手フィールドにモンスターがいる時、相手フィールドのモンスターの数だけ、墓地からレベル4以下の『ロードナイト』を特殊召喚できる! 僕は墓地のボルカとジュリアスとネクロを特殊召喚する!」(遊太手札3→2)(遊太墓地11→9)
「そして、僕はネクロの効果で墓地から『英雄騎士への覚醒』を手札に加え、ボルカの効果で相手フィールドのモンスターを1体破壊して、1000ダメージを与える! 僕は流星竜を破壊する!」
「ぐっ……流星竜のモンスター効果発動! このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた時、墓地から通常モンスター1体を特殊召喚する! 俺が墓地から特殊召喚するのは、『真紅眼の黒竜』! 守備表示だ!」(アキラライフ4800→3800)
「だけど、言ったはずだよね? このターンで終わりにするって! 僕は、魔法カード『英雄騎士の万華鏡』を発動! 1000ポイントライフを支払い、自分モンスターゾーンの『ロードナイト』を全て墓地へ送り、墓地へ送った『ロードナイト』の属性1種類につき1体ずつ、エクストラデッキから『イクスロードナイト』を『英雄騎士への覚醒』扱いとして、特殊召喚出来る! ただし、この効果で特殊召喚した『イクスロードナイト』は、このターンのエンドフェイズにエクストラデッキに戻る! 僕が墓地へ送ったのは、ボルカ・ジュリアス・ネクロの3体。それぞれ炎・水・闇の3つの属性を持つ。よって僕は、エクストラデッキから、炎属性の『イクスロードナイト・デュナス』、闇属性の『イクスロードナイト・ドゥフト』、水属性の『イクスロードナイト・ジエス』を、それぞれ攻撃表示で特殊召喚!」(遊太ライフ1400→400)(遊太手札2→1)(遊太墓地9→13)
あの時現れた2体に、全身が氷柱の鎧である英雄騎士が現れる。見るからに攻撃的なフォームで、攻撃力2800もある。おまけに、攻撃力は古戦場の効果で攻撃力は300アップする。
「ジエスが『英雄騎士への覚醒』の効果で特殊召喚に成功した時、墓地から『ロードナイト』1体を特殊召喚出来る! 僕は墓地からボルカを特殊召喚する! そして、ジエスのモンスター効果発動! ジエスはこのターン、他の『ロードナイト』モンスターの攻撃を放棄する代わりに、僕のフィールドのジエス以外の『ロードナイト』モンスターの数だけ、通常攻撃に加えて攻撃出来る!」
「な……に……!?」
「行くよ! 僕は、ジエスでアルファを攻撃! アイス・シェーバー!」
氷の槍の攻撃が、アルファを貫く! アキラのライフは削られる。
「くっ……」(アキラライフ3800→3200)(遊太墓地13→14)
「そして僕は、ジエスでビッグ・アイを攻撃!」
「ぐううっ!」(アキラライフ3200→2800)(アキラ墓地17→19)
「そして僕は、ジエスで『真紅眼の黒竜』を攻撃!」
「うおおおーっ!」(アキラライフ2800→2100)
(よし、これでフィールドのモンスターは全て消えた! ダイレクトアタックが決まれば、僕の勝ちだ!)
(行け、遊太! その一撃で、アキラの思いを変えるのだ!)
(うんっ!)
「僕は、ジエスでダイレクトアタッ——」
(待て、遊太! お前は……勝てない!)
(えっ!?)
アキラの方を見ると、アキラの後ろに『真紅眼の黒竜』がいた。ただし、精霊としての、だが。
(レッドアイズ……?)
(遊太君……残念ながらこのデュエルは……)
「負けて……たまるか……負けて、たまるかあああっ! リバースカードオープン! 罠カード『レッドアイズ・バーン』! 自分の『レッドアイズ』が相手の戦闘・効果で破壊された時、破壊された『レッドアイズ』の元々の攻撃力分のダメージを、お互いに受ける!」
「なっ!?」
フィールドで、物凄い爆発が起こる。それにより、お互いに2400のダメージを受けるアキラと遊太。
「ハァ……ハァ……俺は、負けねえ!」(アキラライフ2100→0)(遊太ライフ400→0)
「そ、そんな……」
「こ、この決勝戦、引き分けだああああっ!」
まさかの引き分けで、このジュニアユース関東予選は幕を閉じてしまった。
これには思わず、観客席の菊姫達からも驚きの声が漏れた。
「ま、マジかよ……ダイレクトアタックで遊太の勝ちかと思っていたのに、まさか引き分けだなんて……」
「ホント、デュエルって奴は最後までわからんな……」
「でも……アレがなかったら、本質的には遊太君の勝ちだったわよね……」
「それにアキラ君も……そこまでして負けたくないものなんですかねえ……」
シードの連中も、これには若干辟易していた。
そして、ロベルトと影沼店長も。
「おや……これは遊太君の実質的な勝利だとはいえ、アキラ君の執念が勝ったか……」
「けれど、遊太君の方に軍配は上がったね。やはり僕の見込んだ通りのデュエリストだよ」
「けれど、負けが迫ったあの時……アキラ君にどこか黒い気持ちが見えたような気が……気のせいかな?」
「おや、和希もそういうことがわかるもんだねえ」
「長年子供を見ているから……かな?」
そして、デュエルリングを降りたアキラと遊太はというと。
「あ、あの……アキラ君」
「今回は、これで終わりだ……だがな、全国! 全国の舞台で、お前をぶっ倒してやる! 必ずな!」
と、怒気に溢れた顔をしながら、アキラは遊太の元から去っていった。
それを、遊太はつまらなさそうな表情で見ていた。
なんで、あんなに負けることが嫌なのか。遊太には理解出来ていなかった。デュエルをするなら、必ず負ける人がいると言うのに、どうしてそうなるのが嫌なのか、わからなかった。
そうみる遊太を、『イクスロードナイト』達はじっと見つめていた。
第三十七話。終わり。