二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.231 )
- 日時: 2017/03/31 17:37
- 名前: ロード (ID: MMm5P7cR)
第三十九話「全国大会スタート!」
自分の部屋で、デッキを確認する遊太。この日の為に、一生懸命こさえたデッキ。
それを、しっかりと見つめる『イクスロードナイト』の面々。
「じゃあ、そろそろ行こうか」
「戦場へと向かう準備は、できたようだな」
「お前の力、全国の強者達に見せてこい」
「わかった!」
デッキを懐にしまって、家を出る遊太。そして、家の前には菊姫達が待っていた。
「よう、デッキは調整し終わったか? そんでもって、心構えはできたか?」
「大丈夫。この日のために一生懸命こさえたデッキ、そう簡単には負けはしないよ!」
「俺達は残念ながら、観客席で応援になるけどな。まあ、二人の活躍、期待しているぜ!」
「頑張ってくださいね!」
「期待しているッスよ、アネゴ!」
そして、仲間たちと共に会場へと向かう遊太達。目指すは。
「東京アリーナへ、行こう!」
「オウッ!」
ゆっくりとした歩みから、遊太達は全国大会が開催される会場、東京アリーナへと向かって行った。
電車やバスを乗り継ぎ、東京アリーナへやって来た遊太達。
「じゃあ、僕と菊姫は選手として裏口から行くから。皆は観客席から見てて」
「わかった」
アリーナへとやってきた遊太達、遊太と菊姫は裏口へ行き、真薄、龍矢、龍奈、岩ノ井、鏡山は観客席へと向かって行った。
そして、控室へとやって来た遊太と菊姫。そこには、全国の厳しい予選を勝ち抜いてきたであろうデュエリスト達が、一堂に介していた。無論、その中にはアキラもいた。
「遂に来ちまったな、全国の舞台へ」
「うん。これから僕ら二人はきっと、アキラ君並のデュエリストを毎試合相手にしなきゃいけないんだろうね」
「なんだ遊太、ビビってるのか? いつものお前なら、デュエルが楽しみ! って言うと思ってたのに……流石に全国相手じゃ勝手が違うってか?」
「そんなんじゃないよ」
胸の前で手を握りしめ、遊太は菊姫に言う。
「ロベルトさんに言われたことは、凄く気になっている僕だけど……こんな奴らとデュエルができる! そう思ったら、ちょっぴり……落ち武者震い?」
「武者震いな。まー、それを聞いてこっちも安心しちまったぜ、お前、いつも通りだなって思った」
「まあね。菊姫、きっとトーナメントでは当たるかもしれないけど、その時は恨みっこ無しだよ!」
「無論、こっちも手加減なんてする気なんてさらさらねーし」
お互いに腕をぶつけ合い、闘志を確認する遊太と菊姫。その様子を、隅から眺めている人物がいた。アキラである。
「……なんだよ、あんなことしやがって」
その瞬間、アナウンスが流れる。
「会場の準備が出来ました! 出場予定のデュエリスト達は、ただちに入場してください!」
そのアナウンスを聞いて、遊太と菊姫はアイコンタクトをして並ぶ。
「行くか」
「うん」
他のメンバーと一緒に、二人は並んだ。そして、会場へと入って行った。
会場へと入ったその瞬間、選手たちがスポットライトに照らされる。その直後、会場から大きな歓声が沸き起こった! その大きさに、一時は耳を塞ぎそうになる遊太。
「わあ……」
その歓声に慣れた時、遊太は観客席に座っている人の多さに驚く。まるで、東京全ての人間がここに来ているような感覚を、遊太は感じた。
(龍矢君や真薄君も、この会場の何処かにいるのかな……でも、ここからじゃわかんないか)
そして、デュエルリングの前に集合すると、そこに意外な人物が現れた。
「やあ、デュエリスト諸君、こんにちは! 僕の名前は、影沼和希! 今大会の解説に任命された人物だよ!」
(え、ええええ!? なんで影沼店長がこんな所に!? そ、そりゃあロベルトさんとは友達だって言ってたよ? けど……まさかこんなことになるなんて……)
余りの事に驚く遊太だが、菊姫も同時に驚いており、遊太に話しかけてきた。
「な、なあ遊太……なんで影沼店長が解説なんてやっているんだ!? これって……どういうことなんだ?」
「さ、さあ……」
とりあえず、閉口することにした遊太。そして、和希店長は続ける。
「まず、大会のルールを説明しよう。まず全てのデュエルはマスタールール3で行います! そして、トーナメント方式でデュエルは行われ、最後まで勝ち上がったデュエリストが優勝となります! 優勝したデュエリストは、金のトロフィーと、賞金50万円が送られます!」
「デュエルの組み合わせは、既に大会本部の厳正な審査により決まっております。また、予選を好成績で突破したデュエリストは、この全国大会でシードが与えられます! では、組み合わせを発表致します!」
会場の上部に備え付けられている、大きなスクリーンにデュエリスト達は注目する。その組み合わせを見て、遊太は。
(僕は……ちぇっ、シードじゃないのか。けれどこの組み合わせ……順調に勝ち進んで行けば、準決勝で菊姫に当たって……決勝で、アキラ君と当たる!)
(アタシは……結構どん尻って感じだな……まあいいや。どっちみち勝ち進めばいいだけだし……しかし、順調に勝てば遊太と当たるな。アイツとやり合うまで、負けるわけにはいかねえ!)
(俺はどっちでも良い……ただ、勝って俺という存在を知らしめるだけだ。だが……あの遊太には、勝ちたい。奴が決勝まで上がってくれば、俺が潰せばいいだけだし、そこまで上がって来なかったら……俺の思い違いだったということだ……!)
「組み合わせは、これで発表されました。後は、組み合わせ通りにデュエルを進めて行くだけです! それでは、一旦解散といたしましょう! 第1試合は、すぐに始まりますよ!」
そうして、散り散りになるデュエリスト達。開会式が終わったことで、遊太と菊姫は、早速影沼店長のところへと向かって行った。
「影沼さん! 一体これはどういう風の吹きまわしですか!」
「ん〜? なんのことかな?」
「なんで解説なんてやっているんですか!?」
「ロベルトに、解説やってくれないかって言われたら、なし崩し的に解説になっちゃって……ああ、心配しないで、解説はちゃんとやるから!」
「……」
「そんなことより、君達はデュエルがあるだろう。僕のことを気にして1回戦で負けたりなんかしたら、ロベルトさんとの約束、果たせないかもよ?」
「あ、そうだった……」
「じゃあ、解説者席に行ってくるから、頑張りな」
そう言って、影沼は行ってしまった。
「約束……か。この間言ってたけど、やっぱり何かあるんだろうな」
「うん……関東予選が終わった時、ロベルトさんから言われたんだ。全国大会で、アキラ君とデュエルして、良いデュエルを見せてくれたら教えてあげる……と言われたんだ」
「そりゃあまた……難儀だな」
「うん、難儀だけど……言われたからにはやるしかないと思ったよ。良いデュエルを……してみせるってね」
「わかった。でも、それを成し遂げる前に負けても……文句言うなよ」
「わかってる。それじゃあ、戦う時まで!」
「おうっ!」
互いに離れて行く遊太と菊姫。そして、遊太は拳を握りしめる。
「やるしかないね。この全国大会……」
意を決した時、遊太の周りに『イクスロードナイト』のビジョンが見える。
『イクスロードナイト』達も、臨戦態勢MAXのようだ。
全国大会。スタート!
第三十八話。終わり。