二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.232 )
- 日時: 2017/04/01 18:18
- 名前: ロード (ID: MMm5P7cR)
第四十話「野性解放! 熊五郎のビーストデッキ」
全国大会に出場した遊太は、ロベルトとの誓いを果たすため、全国大会での勝利を勝ち取ろうと思った。
その1回戦、遊太は1回戦の相手、森野熊五郎との対決に備えてデッキを見ていた。
「現状、このデッキを組むのに1晩はかかったけど……まずは1回戦を勝ち上がることに専念しよう! にしても、森野熊五郎って……結構強そうな名前だなあ。名前はともかくとして」
「おめえさん、オラのこと呼んだだか?」
「えっ、君……森野熊五郎君?」
「そうだよ」
目の前に、坊主頭の太っちょな男の子が現れていた。見るからに穏やかそうな少年であった。
「おめえさんが、関東予選……というか、大会初出場でいきなり準優勝を成し遂げたっちゅう、六道遊太だか?」
「うん、そうだけど?」
「大したもんだなあ、オラなんか村一番のデュエリストだって言うのに、何べんも大会に出てやっと結果を残したっちゅうのに、おめえさんは初出場でコレだからなあ」
「い、いやあ……それ程でも」
「まあ、おめえさんにデュエリストとしての才能があったから、当然のことだよ」
「あっ、うん……ところで、君はどこ出身なの?」
「山形の農村だ。結構良い所で、オラはそこで村一番のデュエリストだっただよ」
「へえ〜、そうだったんだ。村一番のデュエリストって、なんだか良いよね。皆の期待とか凄そうで」
「確かに凄かっただよ。けれど、オラは殆ど綱渡りでの勝利だったし、ここに出れたはいいけど、東北予選を3位での通過だから皆は期待されていない所があるだ……その証拠に、皆応援に来てねえだよ」
「でも、このデュエル大会は全国で生放送されているんでしょ? きっと君のデュエルを、遠くから見てくれていると思うよ」
「……そうだな。ありがとう、ちょっぴりいい気分になれただよ。これなら、デュエルに集中できそうだな」
「よかったあ。あんまり集中できないでいたら、本来の実力なんて出せないだろうから……」
「ああ、そう思えたら、楽になれただよ。テレビで見ていてくれるなら……あんまり気になんねえなって。おめえ良い奴だな、遊太」
「うん。だって、折角こんな舞台でデュエルができるんだよ? 全力を出せなかったら、悔いが残るだろうし」
「おめえ……やっぱり良い奴だな……けれど、オラたちはデュエルする相手同士! オラを本気にさせちまったこと、後悔すんなよ?」
「後悔? そんなのないよ、だって、お互いに全力でやらなくちゃ、デュエルは面白くないもん」
「ハハッ、おめえ面白い奴だなあ」
そう熊五郎が言った時、モニターに結果が映る。
「一条寺菊姫選手と仁科弘毅選手のデュエルは、菊姫選手の勝利で終了致しました。次のデュエルの準備にとりかかります!」
「おっ、菊姫の奴、もう勝っちゃったのか。じゃあ、僕は応援に来ている皆の所に行くから……それじゃあね!」
菊姫がデュエルに勝ったのを見て、すぐさま観客席の皆の所に向かって行った遊太。それを見て、熊五郎はどこか寂しくなる。
「やっぱり……近くで応援されるってのは羨ましいなあ。オラなんて……まあ、テレビで皆が見てくれるなら、嬉しいだよなあ。まあ、オラも皆と繋がっているし……このカードで」
懐からカードを取り出す熊五郎。そのカードは、魔法カードで『エアーズロック・サンライズ』と書かれていた。
そして、1回戦で多くのデュエリストが散って行った。当然、菊姫とアキラは勝ち星を上げており、遊太もそろそろデュエルの時間であった。
「そろそろ、僕のデュエルの時間だね」
「頑張れよ、なにしろ相手は、全国出場を成し遂げた強いデュエリストだぜ!」
「もう、龍矢ったら。全国大会に弱いデュエリストが来るわけないでしょ」
「でも、その強いデュエリストの中には、遊太君や菊姫さんも含まれているんですよね。凄いことですよ」
「うん。龍奈ちゃんや真薄君の言う通り、強いデュエリストとして僕は来ているんだよね!」
「相手は3位通過とはいえ、油断はできないもんだよ」
「それじゃあ、行ってくる!」
観客席から離れた遊太。そして、控室を通ってアリーナの中央にデカデカと設置されたデュエルリングの近くへと向かって行った。
そして、アナウンスが流れる。
「これより、1回戦最終試合! 六道遊太選手対森野熊五郎選手のデュエルを始めたいと思います! 両者、位置についてください!」
アナウンスと同時に、二人は位置について向かい合う。
「さっきおめえが言ったお陰で、大分集中力が冴えているだよ。だから、勝ちに行かせてもらうだよ」
「それは良かった! 僕もデュエリストとして、全力で行かせてもらうよ!」
そして審判に言われ、ジャンケンをする二人。その結果、遊太が後攻、熊五郎が先攻を取った。
二人は、デュエルリングに上がった。デュエルリングにデッキをセットして、準備を整えた。
「それでは1回戦最終試合、六道遊太選手と森野熊五郎選手のデュエルを始めます!」
「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」