二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.25 )
日時: 2016/03/17 00:40
名前: ロード (ID: IWueDQqG)

更新が大分遅れました。すいません。


第四話「黒き炎!真紅眼の黒竜使いのアキラ」


新しく龍矢と龍奈という友達が出来た遊太。しかし、謎の人物から貰った『ロードナイト』のカードの謎は未だ深まるばかりである。

あの時カードを貰った日から、謎の声が聞こえるようになったのである。

しかも、謎の声が聞こえたのはいずれもデュエル中の出来事。そして謎の声が聞こえた時に必ず、アッと驚くような大逆転を起こしたのだ。

絶対にこのカードには秘密がある。そう確信した遊太であったが、謎を確かめる術は無い。どうすれば謎が解けるのか悩んでいる遊太。

そして今日も謎は解けないので寝ることにした遊太。

「ごちゃごちゃ考えたって、解けない物は解けない…寝よう、明日もまたデュエルすればわかる」

そう言って電気を消し、ベッドで眠りにつく遊太なのであった。


「ん……」

遊太が目を覚ますと、真っ白な空間が広がっていた。見渡す限りの白。まるでこの世の中の全ての物が消え去ってしまったような純白の世界。

自分がどこにいるのか、何をしているのか、誰がいるのかも何もかもがわからないまっさらな世界。

「なんだよここ…一体何なんだよ!」

唐突に起こった謎現象により、パニックを起こしそうになる遊太。

「——」

声が聞こえた。はっきりとは聞こえないが勇ましい声達が聞こえる。

そして声の主であろう人物達が遊太の目の前に現れた。

その人物達は遊太にとって見覚えのある人物がいた。それは…遊太のカードであるイクスロードナイト達!?

「イクスロードナイト!?何でここに…」

「六道遊太よ」

「な、何…?」

イクスロードナイトの紅蓮の騎士が遊太に語り掛ける。

「まだ私達の声を断片的にしか聞くことが出来ないようだな…」

そして今度は飛竜のような鎧を身に着けドラゴンのような翼を生やした騎士…いや、ドラゴンナイトが遊太に言う。

「いずれお前は我々と共に来るべき戦いに備えなければならない」

今度は水色のクリスタルの鎧の騎士が語る。

「戦う相手は…闇、闇そのものだ」

「何なのさ、闇そのものって」

「…いずれ分かる」

更に獣の鎧と背中に生えた白き翼が特徴の騎士が言う。

「まだ信じがたいと思うが、いずれ戦わなければいけない宿命なのだ…」

「宿命って…一体何なのさ!」

「いずれ分かる…いずれな…」

そして光が満ちてきて…目を開けられない程の輝きが発せられた!

「う、うわああああっ!」

光の中に消えて行くイクスロードナイト。下へ下へと、光の中へ落ちて行った遊太。 

「あああ…ああ?」

遊太が目を開けると…そこはベッドの上であった。

「…夢?」

ベッドの上で毛布を吹っ飛ばした痕跡が見られる。周りを見渡してみると、いつもの部屋であった。机と窓と本棚。机の上にはデュエルモンスターズのカードが置いてあった。

「…ふぅ、変な夢だったなぁ…だけど…」

安全を確認すると同時に考える遊太。何故自分の夢にイクスロードナイトの面々が出てきたのか、戦うべき闇とは何なのか。

それを考えるとますますロードナイトへの謎が深まっていく。謎の声に今夜の謎の夢。

「…やっぱりこの『ロードナイト』のカードには、絶対何かあるよ!何ってのはわからないけど…」

深く考えてみてもやっぱりわからなかった遊太は、今日も思考停止するのであった。

「やっぱり考えてもわからないや、そんなことより!今日もデュエルだ!」

「お母さん、行ってきまーす!」

「いってらっしゃい、遊太」

そして遊太は今日もゲームショップ影沼へと足を運ぶのであった。勿論デッキも添えて。


ゲームショップ影沼へ辿り着くと、いつものデュエル友達がいた。

菊姫、岩ノ井、鏡山、真薄、龍矢、龍奈の六人がそこにいた。

「おー来たか遊太!」

「今日もデュエルしよう!」

「あ、そうだ遊太に真薄に龍奈」

「ん?どうしたの菊姫?」

「今日は時間あるか?」

「まあ、日曜日だからね、普通に時間があるよ」

「僕も普通に時間があります」

「俺も今日は特に無いなぁ」

「じゃあ今日は良い所に連れてってやる」

「どこに連れてってくれるの?」

「デュエルの大会っ」


遊太達が菊姫、岩ノ井、鏡山の三人に連れて来られた場所は…。

「わーおっきい!」

「ここ何処ですか?」

「『バトルアリーナ』、言うならば巨大なゲームセンターさ」

「すっげぇ!色んなゲームが大量に置いてあるよ〜」

「コラ龍矢、今日は菊姫さんと一緒にデュエルの大会を見に来たんでしょ」

「けどさぁ龍奈、以前住んでた所じゃこんなデカいゲームセンターなんて無かっただろ?ワクワクするじゃねぇか!」

「もう、子供なんだから」

はしゃぐ龍矢を諭す龍奈。そして菊姫がこう説明する。

「このバトルアリーナは東京のこの辺りじゃかなり大きなゲームセンターでね、ここにもこんな風にデュエルスペースが置いてあるんだ、デュエルデスクつきでね」

「菊姫さん、あの大きなリングみたいな物は何ですか?」

「ああ真薄、アレはデュエルリングと言ってな、デュエルデスクを大きくした代物で大会とかに使われるんだ」

「そう言えば菊姫、何か今日は人が多くない?」

「ああ遊太、今日は丁度大会が行われる日でさ、ここでバトルトーナメントが開催されるから皆ここに来てるんだよ」

「あ、そういえばデュエルの大会に行くって言ってたよね、まさか僕らに参加しろってこと!?」

「そんなんじゃねえよ、今日の大会に出る人数はもう満員でさ、今日は質の高いデュエルを皆に見せてやろうって思ってな」

「そんなこと言ってアネゴ、ホントは自分が参加したかったのに予約入ってて出れなかったんッスよね」

「うるさい岩ノ井」

ゴチンと岩ノ井の頭にゲンコツをぶちかます菊姫。図星だったようだ。

「とにかく、この大会のハイレベルなデュエルを見て皆にデュエルの奥深さを知ってもらいたくてな」

「アネゴ…とりあえず大会見ましょうぜ」

「ああそうだな鏡山、観戦席に回って早く観戦しようぜ」

ドカッ!

「いたっ!」

誰かとぶつかってしまった菊姫。ソイツは緑のキャップを被り青いTシャツを着た遊太と同じくらいの背丈の少年であった。

「あ、悪い…」

「気を付けろよ、俺はこれから大会に出るデュエリストなんだからな」

「ああそうかい…って!お前はアキラ!」

「へぇ、俺を知ってるのか、俺も有名になったものだな…つーかお前誰?」

「忘れたとは言わせねえぜ!以前の大会で岩ノ井と鏡山とアタシをボコボコにぶっ倒しただろ!?」

「負かした相手のことなんて、いちいち覚えてられないね」

「完璧に忘れてやがる…」

菊姫がアキラと言い争いをしていると遊太や龍矢達がそこに駆け寄ってくる。

「菊姫、一体何を言い争ってるの?」

「ああ遊太、今ちょっと大事な話をしてる所なんだ!」

「菊姫さん以前その人と何かあったのですか?」

「ああ真薄…コイツとは大会でやりあった…って、いねぇ!アイツアタシを無視して大会に行きやがった!」

「…あの人って一体誰だったのですか?」

「…八神(やがみ)アキラ、以前アタシと大会でやりあった奴さ」

「そのアキラって人は強いのですか?」

「強いも何も、三回戦で岩ノ井にパーフェクト勝ちをして、準々決勝で鏡山を倒し、そして準決勝でアタシを完膚なきまで叩きのめした凄腕のデュエリストだ!」

「へぇー、そんな強い相手が菊姫さんと…」

「だがな、アタシはいつか奴にリベンジをすると誓った!…だが奴はすっかりアタシのことなんて忘れてたようだね…」

「強者の余裕ってものじゃない?」

「何だと遊太!それじゃアタシが弱者ってことになるのかよ!」

「い、いやそういう訳で言ったんじゃないけど…」

遊太に掴みかかる菊姫を鏡山と岩ノ井が止める。勿論真薄も一緒に。

そして岩ノ井達に止められた菊姫はようやく落ち着きを取り戻した。

「ふぅ…落ち着いた、とりあえず皆、この大会のデュエルをよーく見ておきな、凄いデュエルが見れると思うぜ」

「ふうん?」

落ち着いた菊姫は皆をギャラリーへと誘導する。デュエルが一番良く見れる所を紹介するらしい。

そして全員がギャラリーに着いた後、丁度大会が始まった!