二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.34 )
日時: 2016/03/29 20:49
名前: ロード (ID: IWueDQqG)

「ま、負けた…」

「勝つ策が無いにも関わらず、俺に挑んできた勇気だけはあったようだが、勇気だけで勝てるなら苦労しねぇよ」

「……」

遊太はただただ項垂れている。

「これだけは言っておく、デュエルは強さが全てだ、覚えときな…」

そう言ってアキラは去って行った。

遊太は、デュエルデスクを前にただただ項垂れているだけだった。

そこに友達達は駆け寄る。

「遊太お前…あんな奴の言う事なんか気にするな!」

「逆に6ターンも持ったのが凄いッスよ…」

「岩ノ井、それフォローになってない」

菊姫、岩ノ井、鏡山の三人も。

「遊太君…遊太君は、頑張ったよ!」

始めたばかりの真薄も。

「『イクスロードナイト』が出せれば、まだ勝機はあったと思うぜ!」

「確かにそうよね、イクスロードナイトが出せればまだ…」

龍矢と龍奈の兄弟も。

皆酷い負け方をした遊太を慰める。しかし、遊太はそのまま黙っているだけだった。

「遊太、お前…」

菊姫は、遊太が相当ショックを受けていると思ったのだが。

「う〜…あーっ!」

「!?」

「あ〜、面白かった!」

「ほえ?」

予想外の答えに呆然とする菊姫達。ショックを受けているのかと思ったら、急に面白いと言い出すのだからびっくりしてしまったのだ。

「デュエルってやっぱり奥が深いね、やっぱデュエリストの実力は実際に戦ってみないとわからないよ、やっぱりデュエルは面白い!」

「お前…あんな酷い負け方して、ショック受けてたんじゃないの?」

「うん、確かにちょっとショックだった、けどさ、後からあんな強い奴と戦えて良かったって思った、やっぱりデュエルって、奥が深いんだなあって」

「お、お前…」

「やっぱり、僕いろんな人とデュエルしてみたい、もっとデュエルを楽しみたい、そう思ったんだ」

「お前…どこまで激ポジティブなんだよ」

「ここまで来ると一種の才能ッスねぇ…」

「あのアキラ君って人、モンスターを絶え間無く出したり除去だって完璧に行ってる、罠の扱い方だってこの間の大会を見て凄いってわかった!」

「遊太君…」

「もう一度戦う時には、僕負けないよ、きっと勝つよ!」

「遊太…!」

「遊太君!」

「よーし!また明日からデュエルしよう!次戦う時は、僕が勝つよ!」

遊太のその心意気に、呆れるどころか逆に感心してしまう友人全員。

これを聞いて菊姫達は、遊太のデュエルへの思いが本物であることを知った。

「…よし、これを聞いてちゃアタシらも黙っていられないよな、アタシらも、遊太を見習って激ポジティブに、デュエルを楽しみながら強くなろうぜ!」

「了解ッスアネゴ!俺達楽しみながら強くなるッスよ!」

「俺達は、どこか勝ちだけを求めてたのかもしれなかったな」

「ぼ、僕も、僕のHERO達と共に精進して行きます!」

「俺だって必殺の『パワー・ツール・ドラゴン』でてっぺんを目指すぜ!」

「私も、ちょっとだけ張り切ってデュエルしてみようかな?」

「それじゃあ皆!また明日!またデュエルやろうね!」

そうして遊太は去って行った。

その後ろ姿を、店長の影沼和希もしっかり見ていた。

(遊太君は今、デュエルを凄く楽しんでる、遊太君にカードを渡した人は、こうなることを知っててカードを渡したんじゃないのか?そうしたら、その人は本望だろうな、自分の作ったカードで、こんなにデュエルを楽しんでくれて)

そして遊太は今走って帰る途中のようだ。一度の敗北を武器に、遊太はこれまで以上の高みを目指すことを誓ったようだ。

(次戦う時は、きっと僕が勝つ!そう!『ロードナイト』達と一緒に!)

その遊太の姿を、見守る何者かが遊太の傍にあった。

それは、遊太の持つ『イクスロードナイト』達であった。

アルファ、マグナ、シルフィー。そして未だ遊太が召喚していない『イクスロードナイト』達が見守っている。

「やはり遊太は、我々を統べるのに相応しい主であることがあのデュエルで証明された、そう思わないか、マグナ、シルフィー?」

「うんアルファ、僕らイクスロードナイトは相応しい主でなければいけないって、皆言ってたよね」

「ああ、私達は強力な力を持っている、しかし、力を操るのには相応しい心が無くてはいけない、やはり我々をカードにし、相応しい使い手を探し求めていたフランシスの目に狂いは無かったようだな、そう思うだろう?」

「でも、さっきの黒き竜との戦いで俺達は出せなかったようだな」

「おや、その様子だと相手をブッ飛ばしたかったようだなデュナス」

「ま、あながち間違いでもないけどな、スレイプ」

「しかし、あのアキラという少年も、我々と同じ、魂の宿るカード持っていたようだが?」

「やはりか、流石策士のドゥフト、頭の回転が早いな」

「脳筋のデュナスには分からないだろうからね」

「何だとローズ!もう一回言ってみろ!」

「まあ待てデュナス、ローズはそれだけお前のパワーを評価しているという事だぞ」

「…デュークがそう言うなら納得してやる」

「しかし、奴と、アキラと再び戦うのはいつになるだろうな?」

「あらアポロ、また戦いたいの?今度は自分がフィールドに出たいのね?生憎私もだけど…」

「ディ、ディアナもたまにはそういうことを言うのか…」

「まったく、お似合いのカップルだね君ら二人は」

「ジ、ジエスまでそう言うのか…」

「一先ず、ジエスはそういう所を直した方が良いな」

「ア、アルス〜…そういうなよ〜…」

「まあ、今は我々は見守ろう…我が主の戦いを…」

「ああ、エグザ…今は、見守ろう…」

「オメガがそう言うなら…我々も見守ろう」

「闇との戦いは、まだ先なのだからな…」


第五話。終わり。