二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.36 )
日時: 2016/04/01 17:46
名前: ロード (ID: IWueDQqG)

第六話「戦いの幕開け」


アキラとの戦いの後、遊太は友人達と共にデュエルをしていた。

アキラに敗北して以降、より一層デュエルに熱心に取り組むようになった遊太。

そんな遊太に、転機と言える出来事が起こる…。


「よし!『ロードナイト・アルファ』で『暗黒トリケラトプス』をブラック・ロードソード!」

「あ、ああ〜また負けたッス…」

「よっしゃ!また勝った!」

どうやら岩ノ井とデュエルしていたようだが、遊太の圧勝であった様子。ちなみに真薄と榊原兄弟は事情によりいない。

「ここ最近調子良いな遊太」

「あ菊姫、あの時負けてからより一層、デュエルに身が入るようになったというか…」

「にしても、まさか『ロードナイト』シリーズが発売前のカードだったとは…恐れ入った」

「僕も、ついつい受け取っちゃったけどまさかそんな凄い物だったとは…確か、明日発売のパックだったっけ?」

「にしても、その人はなんで遊太なんかに『ロードナイト』を渡したのかね?」

「そりゃあなんでと言われても…なんで?」

「わからんよなぁ、なんで始めたばっかの遊太に新作を渡したのかね?」

「…わからない」

菊姫と遊太が会話をしていた所に、岩ノ井が割り込む。

「そういえば調べてみたッスけど、『ロードナイト』の情報は公式でもいきなり出されたらしくて、いきなりだったから知らない奴も結構いたらしいッスよ、鏡山だって知ったのアキラに言われて初めて知ったらしいッスから」

「マジか、どうりで誰も知らなかった訳だ」

「でも、明日からその『ロードナイト』のカードを誰でも使う事が出来るんだろ?けど凄いじゃん!遊太はその『ロードナイト』の先駆者になったんだからよ!」

「先駆者って言っても、使ってた範囲は身内程度なんだけどね…」

「それなら明日から遊太は『ロードナイト』が入ってるパックを買うって訳だな、まだ『ロードナイト』はこれから出るカード群で未知の部分が多いけど、明日から全貌が分かるって訳だな」

「よし!早速明日からそのカードパックを買いに行こう!」

ワイワイとはしゃいでいる遊太達だが、それに水を指すように店長の影沼和希が四人に発言する。

「水を指すようで悪いけど、明日東京アリーナっていう場所でデュエルモンスターズに関する発表があるらしいよ?」

それを聞いて菊姫達三人組が驚いたように反応する。

「何!?イベントッスか!?」

「マジか…嘘だろ!?」

「嘘ってことは無いよな店長!」

「ああ、ミナコ社のホームページに書いてあるよ『次の日曜日、東京アリーナにて小中学生を対象としたデュエルモンスターズのイベントの発表を行う』だってさ」

「何!?それは本当か!」

「何とも良いことだ!真薄や榊原兄弟も遊太も誘ってレッツらゴーだ!」

「え…僕その日はパックを買う予定が…」

「つべこべ言わず行くぞ!こんなチャンス滅多に無いんだからな!」

「…じゃあ、行く」

こうして、日曜日に東京アリーナで行われるイベントの発表に行く事にした遊太達であった。


日曜日。東京アリーナで行われる、イベントの発表会に来た遊太達。

「何を発表するのかな?出来れば楽しいイベントが良いな」

「発表する以外に何も情報が出されてないから、何があるかわからないんだよね、なんだろう?」

「楽しみだね!」

遊太、菊姫、岩ノ井、鏡山、真薄、龍矢、龍奈。いつもの七人でイベントの発表会に来た。

しかし、遊太はこれから起こる運命の再会を、知ることは出来なかった。いや、事前に知ることなど出来るはずがなかったのかもしれない…。


会場に、沢山の小中学生がごった返している。それ程重大な発表だと皆が確信しているのだろう。

「……中々始まらないね」

「ま、そろそろ始まるでしょ」

菊姫がそう言った時、アナウンスが放送された。

「皆さん、ステージに注目してください、ただいまよりミナコ社よりイベントの発表が行われます」

アナウンスの言葉を聞いて、会場に来た小中学生達が一斉にステージの方を見る。

すると、ステージの後ろから人が出てくる。白いスーツを着た、穏やかな雰囲気を持つ金髪の青年だった。瞳が青く、外国人であることがわかる。

「皆さん、お待たせしました!ミナコ社のカードデザイナーである私、ロベルト・フランシスがこれからイベントの発表を行います!」

沸き立つ会場。無論遊太達の中の六人も盛り上がり、特に菊姫、岩ノ井、鏡山の三人は六人の中でも特に盛り上がっていた。

しかし、沸き立つ会場の中で、遊太、六道遊太だけが一人だけ驚いた顔でステージの人物、ロベルト・フランシスを見ていた。

「まさか、あのミナコ社の中でも高名なカードデザイナーのロベルトさんが直々に発表を行うなんて!」

「めでたいことッスよ!」

「カードコレクターを自称する者として、あの人の発表を聞けるなんて、凄いことだ!」

そう、ロベルト・フランシスとはデュエルモンスターズの最大手、ミナコ社のカードデザイナーの中でも特に一際目立っている存在である。数々の名カードを生み出してきた、デュエルモンスターズ発展の功労者である人物である。

双子の兄もミナコ社のカードデザイナーであり、その兄も数々の名カードを生み出してきた人物である。

(あの人、どこかで見たことある…どこだったっけ…)

ロベルト・フランシス、彼に強烈な既視感を感じた遊太。

そう、遊太と彼は何処かで会った事がある。彼と遊太の出会いは…。

遊太は思い出した。彼は…!

「き、菊姫…」

「なんだ遊太」

「僕、あの人に会った事がある!」

「何!?」

「それだけじゃない、僕はあの人から、この『ロードナイト』のカードを貰ったんだ!」

「ぬ、ぬわにーっ!?」

そう、あの時遊太に『ロードナイト』のカードを渡した男性は、ミナコ社の一流カードデザイナーの青年、ロベルト・フランシスであったのだ!