二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.37 )
- 日時: 2016/04/02 18:09
- 名前: ロード (ID: IWueDQqG)
「じゃ、じゃあお前あの人に会った上に、そして新作カードを貰ったっていうのかよ!」
「うん…そういうことになるね」
「なんか…羨ましいぜ!」
「別に僕はそういう目的で貰った訳じゃ…」
「おっ!フランシスさんが続きを話すみたいだぞ!」
菊姫の言葉でステージに向き直る遊太。
「はいはい皆さん、一旦静かに、一同静かに!」
フランシスの言葉で静まる参加者。完全に静かになったことを確認してから、フランシスは再び話を始める。
「今日集まってもらったのは他でもない、小中学生の皆に対して行うイベントの発表を行うからだ!」
「そして、今回発表するイベントの内容はというと…」
「5月のゴールデンウィークにて、デュエルモンスターズの日本一を決めるジュニアユースの大会を行う!」
その瞬間、会場が歓喜に沸き立つ。待ってましたと言わんばかりのその歓喜の声は、思わず耳を塞ぎたくなるほどの大きさだった。余りの大きさに会場がビリビリと振動している。
「す、凄い…菊姫、大会をやるってだけでこんなに沸き立つものなの!?」
「何を言ってる遊太!近場の大会、あのバトルアリーナの大会ですらあんなに盛り上がったんだぞ!デュエルモンスターズの本家大元、ミナコ社が主催する大会となると、逆に盛り上がらない方がおかしいだろうが!」
盛り上がっている人々を一旦沈めた後、フランシスは更に説明を行う。
「まず、大会に出場するデュエリストの選考会が全国各地で行われる、その選考会でふるい落としにかけられたデュエリストが、同じく全国各地で行われる予選にて、本戦出場を賭けたデュエルを行う!」
「そして予選を勝ち抜いたデュエリスト達が、本戦にて栄光を掴み取る為のデュエルを行う!その雄姿は、テレビ放送される!」
オオーッ!
「選考会は四月下旬の祝日に行われる、そして選考会で行ったデュエルでデュエリストの実力を評価し、厳密な審査によって予選参加者が決定する!そして、予選はゴールデンウィーク5連休の始めの2日間にて行われ、予選が全て終了した後、東京のこの東京アリーナにて本戦を行う!」
「参加条件を満たしているデュエリストならば、誰でも参加出来るこの大会!このイベントに参加している君達も、当然参加権利を持っている!君達も、こぞって参加したまえ!」
ドワァァァァッ!!!
沸き立つ会場。参加意欲に燃えるデュエリスト達。
発表が終わった時、ステージの上からキョロキョロと参加者を見渡すロベルト。
そして、やっと目当ての人物を見つけたのか視線をそこに集中させる。
ロベルトが見つけた目当ての人物は、そう、六道遊太。カードを渡した彼がこの発表を聞いていたことに、とても満足げな表情を浮かべてステージ裏に戻っていった。
発表会は大会を行うという発表だけの30分だけで終わってしまったが、たった30分の発表だろうと聞いた意味があったと感じたデュエリスト達。
発表会が終わった後、そそくさと帰って行ったデュエリスト達。
菊姫達も、聞いた意味はあったと感じたようである。
そして発表が終わってアリーナの外に出た後、遊太は自分が貰った『ロードナイト』のカードを作った人物が、あの高名なカードデザイナーであるロベルト・フランシスであったことを伝えた。
「…という訳なんだ」
「まさかあのロベルトさんが作ったカードを遊太君が貰ってたなんて…カードコレクターを自称する俺ですら知らなかった訳だ」
「いやあ、まさかそんな有名な人から貰ったカードだったなんて…凄く畏れ多いッス」
「よくわからないですが、とても有名な人から貰った…ということで良いですか?」
「けどそんな偶然ってあるかよ?親切な人から貰ったカードが、高名なデザイナーのカードだったなんて!」
「事実は小説よりも奇なりって、こういう事を言うのね…」
あまりの偶然の一致により、驚きを隠せない友達一同。当然だ、まさか友達が使っているカードが、有名なカードデザイナーの作ったカードだという事実。そしてそのカードを本人から貰ったということ。驚かない方がおかしいくらいだ。
「正直言って僕も驚いてる、まさかカードデザイナー本人からカードを貰うなんて思わないもの…」
その後、凄い偶然だと皆に言われることになった遊太。本人も驚きを隠せないのだが、遊太は引っ掛かる事が一つだけあった。
(どうして、始めたばかりの僕にそんな大事なカードをあげたんだろう?カードデザイナーから直々に貰って、しかもそのカードは発売前のカード…)
(何故そんな重要なカードを、僕なんかにあげたの?あげるんだったらもっと、大会に優勝した凄い人とか…あっ!?)
遊太が遠目から見たのは、ロベルト・フランシス。アリーナの人と会話しているようである。
「……!」
「あっ、オイ!何処へ行くんだよ!?」
遊太はロベルトの所へ走り出した。自分に何故あの『ロードナイト』のカードを渡したのか、それを聞きたかったから。
そしていきなり走り出した遊太を追いかける友達六人。いきなり走り出したら訳を問いたくなる。友達だから、心配になったのである。
「あのっ!ロベルトさん!」
「あっ、君は…」
やっとの思いでロベルト・フランシスの所へ辿り着いた遊太。息切れしながらも、自己紹介をする。
「あの…ぼ、僕、六道遊太って言います!あなたからこの『ロードナイト』のカードをもらった、人です!」
懐から『ロードナイト』のカードを出して、自分が『ロードナイト』の所有者であることを証明した。
「ああ覚えている、名前は聞いていなかったけど僕は君を覚えている、君の持っているそのカードは紛れもなく、僕が作ったオリジナルの『ロードナイト』のカードだよ」
「ええーっ!?あのロベルトさん直々に作った世界に一つしかないオリジナルかよ!?」
やっとの思いで遊太に追いついた菊姫達。更に明かされる衝撃の事実に、ただただ驚くことしか出来なかった。
「なんで僕なんかに、そんな貴重なオリジナルで、公式からも発表される前の『ロードナイト』のカードをあげたんですか?僕なんかより、もっと相応しい人がいるんじゃ…」
「ほう、例えば?」
「大会に優勝した強い人とか…」
その言葉に、フゥッと息をついてから言う。
「あのさ、デュエルの強い人がこのオリジナルの『ロードナイト』のカードを持つ資格が、本当にあると思うのかな?」
「えっ?どういうこと?」
「フゥ…じゃあ君、今デュエルに対してどんな事思ってる?」
「えっと…凄く楽しいです!色んな人とデュエルするのが楽しくて、もっと色んな人とデュエルしたいと思ってて…」
「…うん、それなら良いんだ」
「え?」
「遊太君、良かったら今回発表した大会に出場してみたらどうだい?」
「えっ、えっ?」
「その大会で良いデュエルをしたら、どうして君にこの『ロードナイト』を渡したのか話してあげても良いよ」
「良い…デュエル…?」
「勝ち負けは関係ない、これから行われる大会で良いデュエルが出来たら、教えてあげても良いよ」
「わ、わかりました!頑張って良いデュエルをしたいと思います!」
「じゃあ、頑張りなよ」
そう言ってロベルト・フランシスは去って行った。
菊姫達はその一部始終を聞いていたが、ロベルトが去ってから口を開いた。
「おい遊太、さっきの話アタシらも聞いてたけど…まさかアンタ!」
「うん、僕はあの大会に出場するよ、内容によっては聞けないかもしれないけど…僕はあの大会に出場する!」
遊太のその決意に、言葉を同じくする友達全員。
「やれやれ、動機はどうあれ出場するんなら、アタシも出場させてもらうよ!どうせアイツも、アキラも出場するだろうから前の試合の雪辱を果たさせてもらうよ!」
「あ、アネゴが参加するんなら俺も参加するッス!恐竜族のパワーで勝ち上がってみせるッス!」
「俺もアネゴと一緒に参加するぜ、俺の忍者達が旋風を巻き起こすぜ!」
「ぼ、僕も!僕も一緒に参加します!まだ始めて日が浅いですが、僕のHERO達でやってみます!」
「俺も参加するぜ!俺の『パワー・ツール・ドラゴン』がこっちでどれぐらい通用するか試してみたい!」
「龍矢が参加するんだったら、私も参加するわ、『宝玉獣』でどこまで行けるか分からないけど…」
「皆…」
皆も大会に出場する事を知って、更に大会への思いを加速させた遊太。
「よし!まずは選考会に向けて特訓だ!」
「おーっ!」
ミナコ社が主催する、デュエルモンスターズのジュニアユース大会に出場することになった遊太達。
はたして、遊太達は大会でどれだけ力を発揮出来るのか。
遊太は何故あの有名なカードデザイナーであるロベルト・フランシスが『ロードナイト』のオリジナルカードを遊太に渡したのかということを本人の口から聞けるのか。
そして遊太達は、大会に出場した猛者達にどこまで立ち向かえるのか!?
第六話。終わり。