二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.48 )
- 日時: 2016/04/23 16:14
- 名前: ロード (ID: IWueDQqG)
第九話「謎のデュエリスト、Dの挑戦!」
ミナコ社が主催するジュニアユースの大会への参加を決めた遊太達。
その為に、大会まで出来る限り多くの人とデュエルして自分達の腕を高めようと頑張る一同。
そして、より多くの人とデュエルをしたことによりデュエルの腕がめきめきと上がって行った。
特に遊太と真薄の伸びは著しく、遊太は連戦連勝を重ね、真薄は二週間前は初心者とは思えない程の戦術を見せ始めて来た。
その他のメンバーも、大会に向けて着実に実力を伸ばしていた。
そして、今日も…。
「『イクスロードナイト・アルファ』で『終焉の王デミス』に攻撃!」
「うわぁっ!」
「更に『イクスロードナイト・シルフィー』でダイレクトアタック!」
「ぎゃおーんっ!」
「やっりー!今日も勝利だ!」
今日も今日とてバトルアリーナでデュエルを行い、連戦連勝を重ねていた。
そして、ゲームショップ影沼にて今日行われた全員のデュエルの戦績を確認していた。
「今日の戦績、遊太は5戦全勝、アタシは5戦4勝、龍矢、龍奈、鏡山、真薄が5戦3勝、んで、岩ノ井が5戦2勝か…」
「えへへ、凄いでしょ?」
「遊太お前…ここまで馬鹿勝ちすると逆にムカツクな…なんだよ、全勝って」
「え…なんかゴメン…」
ゲームショップ影沼にて、苦言を呈するように遊太に言う。
実際に遊太は仲間の中でも一番の勝ち頭であり、アリーナの特訓でも確実に勝率を伸ばしていた。
「アハハ、こんなに勝っちゃって悪いね」
「でも実際凄いですよ、全勝だなんて…僕は今日で初めて3勝出来たんですから」
「そうそう、俺なんてメンバー最下位の勝率だって言うッスのに…」
「ご、ゴメン…けどさ、僕はこんなので満足してないよ」
それを聞いて、菊姫以外の皆は驚く。普通こんなに勝っているなら、満足していてもおかしくないからである。
皆の驚く様子を尻目に、遊太は話を続ける。
「確かにさ、こんなに勝ったら普通は大満足さ、けど…あのアキラ君に勝つには、まだ何か足りない気がして…」
「お前アキラと戦いたいのか…確かに、アキラと戦った時お前ボロ負けしたもんな」
「うん、菊姫の言う通り、あの時僕は散々に終わった…今バトルアリーナで腕の立つデュエリストとデュエルして特訓してるのは良いけど、アキラ君はもっとこう…恐ろしい強さをしている気がする」
「遊太…」
それを聞いて鏡山は、懐からスマホを取り出す。
「実際遊太の言う通りだな、ほらこれ見ろよ、ここ十日間で別の場所で行われた二つ大会の結果だけど、両方アキラの圧勝で終わっている」
「スゲー…アイツこんなにも優勝を…」
「確かに、アキラ君は絶対あの大会に出ると思う、そうなると私達の一番の障壁かもしれないわ、けど…今の私達じゃ…」
「うう…俺達とアイツとじゃ全然力量が違うぜ…」
龍矢と龍奈は実力の差に身震いしてしまう…。
「だからさ、僕はバトルアリーナのデュエリストよりももっと強い奴と戦ってみたい、その人と戦えば僕は…自分の実力がわかるかもしれない」
「けどなぁ遊太、バトルアリーナのデュエリストもあれでかなりの強さだぜ?もっと強い奴なんて、そう簡単には見つからないと思うぜ?」
菊姫がそう言ったせいで、深く考え込んでしまう遊太達。
遊太はもっと強い相手とデュエルしたい。けど、強い相手はそう簡単にいない。
考えに考える皆だが、答えは出ない。
うんうんと考え込む遊太達。すると、一筋の希望の糸が皆に垂れ下がった。
「強いデュエリストと言えば、彼がいたなぁ…」
影沼店長が呟いたその言葉を聞いて、遊太達が一斉に店長に食いつく!
「誰!?誰ですか!?」
まるで餌に群がる魚のように、こぞって影沼店長に詰め寄る遊太達。その余りの食いつきっぷりに思わず引き気味になる影沼店長。
「お、落ち着きなよ皆…話してあげるからとりあえず落ち着いて」
そう言って皆を落ち着かせた店長。そして、ぽつぽつと話始める。
「今から5年くらい前、僕らの住んでいる東京には悪名高いデュエリスト集団がいた、その集団の名は『ヘル・ソルジャーズ』、ソイツらはデュエリストを見かけると手あたり次第負かしていって、負かした相手からレアカードを強奪していったんだ、更にはレアカードがないとなるとデッキごと強奪していった、更には、禁止カードも平気で使ってデュエルをしていたしね」
「それは酷い連中ですね」
「ああ、ソイツらは店で行われる大会にも出場して、参加メンバーを全て身内で固めて商品を強奪したりもしてたし、ストアブレイカーを行ったりしてショップにも大打撃を与えてた」
「マジに許せない輩ッスね」
「だろう?更にソイツらのせいでデュエリストをやめてしまう子供も沢山いたんだ…」
「そんな奴ら本当にいたんだ…」
「けど、今はそんなのいないよな?何で?」
「彼が、ソイツらを壊滅させたからね」
「彼って?」
「彼の名は『D』、謎のデュエリストだ」
それを聞いて、菊姫、岩ノ井、鏡山は白ける。
「謎のデュエリスト…ねぇ?」
「随分胡散臭い物ッスねぇ」
「所詮噂の人物だな」
「話は最後まで聞いてくれよ、Dは凄腕のデュエリストでもあり、悪いデュエリストを許さない奴でもあったからね」
「それで、次は?」
「Dはヘル・ソルジャーズに襲われたデュエリスト達を助け、そのついでにソルジャーズを壊滅させたんだ、悪質なデュエリストを狩るハンターとして、子供達や高年齢のデュエリストにも人気だった」
…菊姫達三人の白けっぷりが余計に酷くなる。
「へぇー、そんな奴だったなんてなー」(棒読み)
「なんて凄いデュエリストッスかねえー」(棒読)
「まさに謎のデュエリストだー」(棒)
「…菊姫ちゃんに岩ノ井君に鏡山君、真面目に聞いてないでしょ」
「だってぇー、謎のデュエリストとかいかにも噂話な範疇だなーって思ってー」
白けている菊姫達だったが…一人凄い盛り上がっている奴がいた。
「すげー!カッコいいー!謎の凄腕デュエリスト…一度会ってみたいなあ!」
「りゅ、龍矢…」
龍矢だけは盛り上がっていた。そして龍奈は呆れ、真薄は何を言ってるのか理解出来ず、遊太は考え込んでいた。
「そんなデュエリストがいたら…一度デュエルしてみてぇ!」
「龍矢、そんな人が実際にいるとでも思ってるの?」
「だってさあ!謎のデュエリストだぜ!?謎が謎を呼ぶデュエリスト!凄い良いじゃないか!」
「龍矢…」
「…店長が何を言ってるのか理解出来ないです…」
「D…か…」
「…なんか皆、信じてないよね、龍矢君以外」
白ける菊姫達と、一人で盛り上がる龍矢、そして龍矢に呆れる龍奈に、理解が出来ない真薄。
すると、遊太が店長に言う。
「あの…そのDって人、昔いたんですよね?」
「うんそうだけど?」
「遊太、そんな話信じても何も意味ねーぞ」
菊姫は遊太を静止するも遊太は続ける。
「Dは…今もいるんですか?」
「う〜ん、彼はある時を境にぱったり現れなくなったからなぁ、今はどこかでのんびりデュエルでもしているんじゃないのかな?」
「そ、そうなんですか…」
「だから言ったろ、そんな話信じても何も意味ねーって」
「……」
「それじゃあ、くだらない話に付き合っている暇は無いので今日はもう皆帰るぞなー」
「それじゃあ、またな」
「お疲れ様でしたー」
そうして遊太を置いて全員帰って行った友達。
遊太は、影沼店長に聞く。
「やっぱり、Dはいないのですか?」
「まあ今はね、また現れるんじゃないのかな?」
「…そんなに強い人なら、その人とデュエルしたかったな…きっとその人とデュエルすれば、今の自分の位置がわかるかもしれないのに…」
そう言って残念そうな顔をしながら遊太も帰って行った。
全員が帰って行った後、店長は店の奥にあるタンスの前に来た。
「彼とデュエルしたかった…か、菊姫達には信じてもらえなかったけど、彼は本当にいたんだよなぁ…」
そう言ってタンスを開けると、そこには黒い衣装が入っていた。
「最近、彼はずっと影からデュエリスト達を見守っている…そう、影から…ね」
彼は衣装を手に取りながらそう言う。
「デュエルについて悩んでいるんだったら、彼がきっと手助けしてくれるさ、彼が…ね」