二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.67 )
日時: 2016/05/16 10:58
名前: ロード (ID: rHtcSzQu)


「岩ノ井君…追い詰められたね」

「ああ遊太君、今岩ノ井君の手札にあるのは『竜脚獣ブラキオン』のみ、よっぽど良いカードを引けないと、負けは確定だね」

「影沼店長、ホントに岩ノ井さん大丈夫なんですか?」

「心配ないさ真薄君、ここで良いカードが引ければ良いんだから」

「心配ですよ…」


7・岩ノ井のターン

「俺のターン!」

(ここで…ここで良いカードが引けたら良いッス…!『竜脚獣ブラキオン』だけじゃ、どうしようもないッス!)

(そうしないと俺…アネゴと一緒に大会に出れないッス!一緒に大会に出て、恩返しとしてアネゴに見みてもらいたいッス!俺の、成長した姿を!)

こんなことを思い、岩ノ井は昔のことを思い出す。


俺は昔、デュエルモンスターズのカードを拾ってからデュエルを始めた。

そして、その拾ったカードは恐竜族のカードであり、俺はそのカッコよさに惹かれて恐竜族をメインとしたデッキを使うようにした。

始めたのは良かっただけど、俺は毎日のように負けまくっていた。

今時恐竜族なんて、って声が相手から聞こえていた…けど、俺は大好きな恐竜族を扱えて楽しかった。

しかし、そんな俺に災難が降りかかる。

「うわああ!」

「ぐひゃひゃ!恐竜族なんて弱いカード使ってるからこんなになるんだぜ!」

「さあ、負けたならレアカードよこしな!」

「ああっ!返して!俺のダイナソーカードをー!」

その日は、なんとレアカードを強奪されそうになっていた…。

よってたかって俺のデッキを奪い、中身を見ていた。

「カスみたいなカードばっかりだけど、一部レアが混じっているな、この3枚を貰って行くか!」

「ああ!それだけは〜!」

レアカードを奪われそうになった時、俺に奇跡が起こったんだ。

「ちょおっと待てい!」

一人の女の声が聞こえた。気の強そうな声で、デッキを奪った奴らがビビる。

「弱い物イジメでカード奪うなんて、コイツは滅茶苦茶許せん」

「誰だお前!」

「アタシは一条寺菊姫、ここいらじゃちょっとは名の知れたデュエリストだぜ?」

「き、菊姫だと!?面白い!デュエルだあ!」

そう、それが俺とアネゴの最初の出会いだった。

「アルティメット・パウンド!」

「ぐあああ!」

「よーし!アタシが勝ったからには、奪ったレアカード全部返しな!」

「ひえーっ!」

そうして、アネゴは俺にレアカードを返してくれた。

「たまにああいうのがいるんだ、お前も用心しときな」

「は、はい…」

「あ、それと…これ、お前のデッキに使えそうだからやる」

「こ、これって恐竜族最強レアカードの『究極恐獣』!?良いんすか!?こんなカード俺にくれて!」

「お前の恐竜族にはまだまだパンチが足りないからな、コイツがいればなんとかなるだろ、じゃあな」

助けてくれただけじゃなくて、まさか最強レアカードをくれるなんて。

俺はその姿に…アネゴのカッコよさに惚れてしまったッス…。

「あ、あの!」

「ん?なんだ?」

「アネゴって呼ばせてくださいッス!」

こうして、俺はアネゴと一緒になったッス…。


(それ以降、アネゴについてまわったッスけど、そこでも勝率はイマイチ…)

(アネゴに怒られたり殴られたりしながらも、一緒にやってきたッス…でも、成長してないって何度も言われたッス…)

(でも、俺だって成長してるッス!昨日店長に色々しごいてもらったり、遊太君や真薄君にカードの調整してもらったり…)

(それに、ずっとデッキの調整や戦術を自分なりに考えて来たッス!)

(だから、これに勝ってアネゴと一緒に大会で戦うッス!)

「ドロー!」(岩ノ井手札1→2)

(よし!まだ俺にはチャンスがあるッス!)

「手札より、魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8モンスターを捨てて、2枚ドローするッス!」

「岩ノ井、ここでそれを引いてくるか…」


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『トレード・イン』
通常魔法
(1):手札からレベル8モンスター1体を捨てて発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
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「『竜脚獣ブラキオン』を捨てて、2枚ドロー!」(岩ノ井墓地8→10)

ドローしたカードを見て、岩ノ井は驚く。

(こ、このカードは!?ここで、これがくるッスか…!けど、これじゃあ次のターン…けどこれで、なんとかなるッス!)

「手札より、フィールド魔法『死皇帝の陵墓』を発動!このカードは、モンスターのアドバンス召喚に必要な数×1000ポイントライフを払うことで、お互いにリリース無しで召喚出来るッス!」(岩ノ井手札2→1)

「何!岩ノ井お前…そこでそんなカードを引いて来るか!?」

「ライフを2000支払うことで、手札よりレベル7以上のモンスターをリリース無しでアドバンス召喚!」(岩ノ井ライフ2700→700)

「出ろ!俺の最強モンスター『究極恐獣』!」(岩ノ井手札1→0)

岩ノ井が召喚したのは、まるで羽根の無いドラゴンのような恐竜!見た目からして強靭である。


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『死皇帝の陵墓』
フィールド魔法
お互いのプレイヤーは、アドバンス召喚に必要な
モンスターの数×1000ライフポイントを払う事で、
リリースなしでそのモンスターを通常召喚できる。
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『究極恐獣』
レベル8
地属性
恐竜族 効果モンスター
攻撃力・3000 守備力・2200
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これを見て、菊姫は感心する。

「へえ、やるじゃん…ここでそのモンスターを出せるとは、やるもんだねぇ!攻撃力3000の、アタシがお前にあげたカードとは!」

そして、これを見て遊太達も感心する。

「出た!岩ノ井の最強カード!」

「ここで切り札を出せるとは…やっぱり成長しています!」

「確かにこれは褒められるべきことだ…けど『究極恐獣』は、デメリットを持っていたはず…」

「でも…良いんじゃないですか?これならなんとか出来そうですよ!」

「まあね」

『究極恐獣』を召喚した岩ノ井は、ここで一気に畳みかける!

「『究極恐獣』で『古代の機械獣』を攻撃!アブソリュート・バイトォォォ!」

『究極恐獣』が『古代の機械獣』を粉々に破壊する!(菊姫ライフ5000→4000)(菊姫墓地10→11)

「更に『究極恐獣』の効果発動!このモンスターは相手フィールドのモンスター全てに攻撃しなければいけない!俺は『究極恐獣』で『古代の機械巨竜』に攻撃ッス!喰らえー!」

二度目の攻撃が機械巨竜に襲い掛かる!しかし、機械巨竜も負けじと反撃し、お互いに破壊されてしまった…。(岩ノ井墓地10→11)(菊姫墓地11→12)

「自爆特攻…か」

「『究極恐獣』は、相手モンスターに1回ずつ攻撃出来るッス…だけど、攻撃出来るなら必ず攻撃しなければならないカード、例え相手モンスターの攻撃力が高くても…」


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『究極恐獣』
レベル8
地属性
恐竜族 効果モンスター
攻撃力・3000 守備力・2200
自分のバトルフェイズ開始時にこのカードが
フィールド上に表側表示で存在する場合、このカードから攻撃を行い、
相手フィールド上に存在する全てのモンスターに1回ずつ
続けて攻撃しなければならない。
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「けどこれで…」

「これでアタシもお前も、手札とフィールドにモンスターは無し…次のドローで全てが決まるな」

「お互いに、次のドローで全てが決まるッス!俺は…ターンエンドッス!」


岩ノ井

ライフポイント700
手札枚数0枚
モンスター0体
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード1枚『死皇帝の陵墓』(フィールド魔法)
墓地の枚数11枚
除外されているカード0枚