二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.73 )
- 日時: 2016/05/24 12:10
- 名前: ロード (ID: rHtcSzQu)
第十四話「揺れるペンデュラムと、炎のイクスロードナイト!」
ミナコ社が主催する、小中学生対応のジュニアユース選手権に出るため、選考会に来た遊太達。
試験官によって大部分のデュエリストが脱落して行ったが、特訓によって鍛えていた遊太達は難なく通過して行った。
実際に、菊姫、岩ノ井、鏡山、龍矢、龍奈は試験官相手に勝利し、予選への参加資格を得た。
そして、真薄も…。
「『E・HERO テンペスター』で『六武衆ーヤリザー』を攻撃!」
「ぐおおお!…よし合格だ、広野真薄君、合格だ!」
「よしっ!合格だーっ!」
見事試験に合格し、安堵の表情を浮かべる真薄。それを迎える遊太達。
「やったね、真薄君!これでほぼ全員が出場決定だよ!」
「やるじゃねえか、最初のデュエルでバーストレディを何の作戦も無く出してたのがウソみたいだな」
「凄いッスよ!以前とは比べ物にならない程の上達っぷりッスよ!」
「凄いぜ!全く凄いぜ!」
「い、いやあ…これも皆さんが特訓をつけてくれたり、バトルアリーナを紹介してくれたお陰です!」
皆に褒められ、思わず笑顔になる真薄。
真薄を褒め称えた後、菊姫達は遊太に向き直る。
「さて…残るはお前一人だな、遊太」
「うん、十分わかってるさ、最後は僕が華麗に勝利して、全員出場だ!」
「おうっ!」
全員で一致団結し、大会への出場を目指す遊太達。お互いがお互いを褒め称え、理解しあえる友達だから、こうできるのだ。
一方アキラはというと、ロベルトが認めた人を見つける為に、一人で会場に残っていた。
「…あの人が認めるデュエリストって、ここにいるのか?どんなデュエルをするのか…楽しみじゃねえか」
そして、良からぬことも考えていた。
「ソイツが大会に出場するなら、ソイツをぶっ倒してロベルトさんに言ってやるよ…アンタが目にかけたデュエリストに、簡単に勝ったってね」
「…にしても、まだソイツが出て来てないな、まだ呼ばれてないだけなのか?」
アキラがそう思っていると。
「エントリーナンバー3978番、六道遊太君、試験を行うので20番デスクに来てください」
遊太の名前が呼ばれたことに、遊太達は沸き立つ。
「やっと僕の名前が呼ばれた!」
「遊太、最後はお前がビシッと決めてこい!」
「絶対勝って来るッスよ!」
「頑張れよ!」
「精一杯応援しますので、頑張って来てください!」
「皆お前の勝利を待ってるぜ!」
「龍矢もこう言ってるんだから、勝ってね!」
「うん!絶対勝って皆と一緒に大会に出るよ!」
そう言って遊太はデスクに向かって行った。
遊太には自信がある。バトルアリーナでは殆ど勝っている上に、仲間内ではトップの成績を収めている。だから、試験官には勝てると予測していた。
だが、そう平穏には進めないような何かがあった…。
大会本部の裏では。
「えっ!?ロベルトさん、本当にやるんですか!?」
「ああ、これぐらいやらなきゃ駄目だと僕は思う、折角僕の目をつけたデュエリストが来てくれてるんだ、精一杯おもてなししてやらないとね」
「良いんですか!?あなたのレベルでは、きっとあの子は勝てませんよ!」
「大丈夫、あの子はきっと僕の期待に答えてくれるさ」
そう言ってロベルトはあの子の所へ向かって行った。
遊太は20番デスクを探して歩き回っていた。
「ええっと…20番デスクはどこかな?ミナコワールドのデュエルデスクって、沢山あるからどれがどれかわからないよ…」
「おーい、遊太君!六道遊太君!」
「ん?あっ、ロベルトさん!この選考会を見にきていたんですか!」
「ああ、主催すると言った以上、選考会のデュエリストを見ておきたいと思ってね」
「そうなんですか!じゃあ僕のデュエルをとくと見ていてください!そういえば、20番デスクって何処ですか?」
「じゃあ僕が案内してあげる、20番デスクはこっちだよ」
「ありがとうございます!」
「じゃあついてきて」
ロベルトに言われるままついていく遊太。
しかし、ついていっても20番デスクは見当たらない。
「あの…20番デスクは何処ですか?」
「心配しないで、君のテストはもうすぐ始まるよ」
不安になっても言われるがままについていく遊太。
するといつの間にか、デュエルデスクではなくデュエルリングの前へ来ていた。
「え…ロベルトさん、これデュエルデスクじゃなくてデュエルリングじゃあないですか!」
「さあ、デュエルの用意をするんだ遊太君、リングに上がるんだ」
「えっ…あっはい…」
言われるままにリングに上がる遊太。
デュエルリングという物は、デュエルデスクを更に大掛かりにしたものであり、通常のデスクと違って大迫力のソリッドビジョンが楽しめる物である。
デュエルデスクは、映るモンスターのビジョンが小さく、動きが少しぎこちない事が多いが、デュエルリングのモンスターはよく動き、魔法エフェクトも派手に演出される、素晴らしいデュエルマシーンなのである。
「なんで試験にこんな大掛かりにやらなきゃいけないんだ?それこそ誰かに見せつけるような…」
「選考会に来ているデュエリストの皆さん!デュエルリングにご注目ください!」
「!?」
ロベルトが急にそんなことを言ったため、非常に驚いた遊太。
「あ、あの…ロベルトさん!?」
「これから、エントリーナンバー3978番の六道遊太君と、この僕、ロベルト・フランシスがデュエルを行います!」
「おおーっ!」
会場が異常に沸き立つ。しかし、殆ど誰も遊太については考えていない。殆どの人物は…。
「ウソだろ!?あのロベルトさんの生デュエルが見れるのか!?」
「おお、これは凄い!あのロベルトさんのデュエルだってさ!」
「あの子には悪いけど、ロベルトさんのデュエルは凄い楽しみだ!」
といった具合であった。
一方遊太は、何がどうだかわからず、ただ立ち尽くすだけだった。
そして、アキラはというと…。
「あのロベルトさんが直々にデュエルする相手が…あの遊太だと!?」
「…そんな筈はない、俺が直々に負かしたアイツが、そんな筈は…!」
これには菊姫達も唖然としていた。
「う、ウソだろ…!?」
「遊太君が」
「ロベルトさんと」
「直々に」
「デュエルだってぇ〜!?」
「コレ、何の間違い?」
「…何はともあれ、あのロベルトさんとデュエルが出来るんだ!遊太ァ!悔いのないようにやれよ!」
「き、菊姫…そんなこと言われても…!」
そう言われても、遊太は現状が理解出来ない。
現状が理解出来ない遊太に、ロベルトが言う。
「遊太君、僕と君はデュエルをしなければいけない、僕に勝たなければ、君はジュニアユース選手権への出場資格は得られない」
「いきなり、あなたみたいな人とデュエルをするなんて…凄くワクワクする!あのロベルトさんとデュエル出来るなんて!」
「そうか、なら良いんだ、さあ、リングにデッキをセットするんだ!」
「はい!」
お互いにデッキをセットし、デュエルへの用意を万端にする遊太とロベルト。
「さあ、見せてもらおう、君の『ロードナイト』を!」
「こっちだって、全力で行かせてもらいます!」
「どうやら準備万端のようだな…なら、そろそろ始めようか!」
「はい!」
「「ルールはマスタールール3!ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」
「ワーッ!」
デュエルの掛け声と同時に、会場がデュエリストの声で大きく振動する。それ程このデュエルへの期待が高いようだ。
「遊太君…このデュエル、皆が見ている…」
「はい」
「なら、最高のデュエルを見せるのが筋というものだ!行くよ!」
「はいっ!」
「先攻は君だ!遊太君!」
「はいぃぃっ!」