二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.92 )
日時: 2016/06/13 12:25
名前: ロード (ID: rHtcSzQu)

これには観客席で見ている遊太達は恐れる。

「菊姫…これは絶体絶命ってやつなのかな…!」

「ああ遊太、向こうには攻撃力3000のモンスターと、破壊されたら相手のコントロールを奪うモンスターがいる…迂闊に攻撃すれば、奴の思うつぼだ…」

「思えば、戦闘を介することでしか殆どダメージを与えられない恐竜族使いの岩ノ井には、『グレイドル』は天敵でしたね…ここから、どうやって岩ノ井は逆転するんだ?」

「鏡山、例え絶対絶命のピンチでも、ドローでどうにかするのがデュエリストだろ、遊太はいっつもそうやってきたし、アタシだってそうやってきた、岩ノ井の場に残ってる『大進化薬』が、明暗を分けることになりそうだな…」

「今は信じよう!岩ノ井を!」


6・岩ノ井のターン

「俺のターン…」

(俺の手札には、攻撃力2700の『超古代恐獣』と、『おろかな埋葬』しかないッス…『大進化薬』で『超古代恐獣』も出しても、コントロールを奪われちゃ意味が無いッス…)


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『おろかな埋葬』
通常魔法
(1):デッキからモンスター1体を墓地へ送る。
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(次のドローが…全てを物語ってるッス…もし、この状況を逆転出来るカードが来なければ、確実に負けるッス…!)

「もう諦めなよ!どうやったってこの状況は覆らないんだから!」

「うるさいッス!俺のターン!」

(ここで…この状況を逆転出来るカードを、お願いしますッス!)

「ドローッ!」(岩ノ井手札2→3)

勢いよくドローしたカードを、恐る恐る見てみる岩ノ井。

すると、岩ノ井の顔が綻ぶ。

「来たッスよ!この状況を逆転出来るカードが!」

「何!?来たのか!?」

「俺は場に出ている『大進化薬』の効果発動!手札から、恐竜族モンスターを召喚するッス!」

「出ろ!俺の第二の切り札『ジュラック・タイタン』!」(岩ノ井手札3→2)

現れたのは、まるでマグマのような紅い体を持つ恐竜!攻撃力3000のモンスターだ。

「『ジュラック・タイタン』は、特殊召喚出来ない代わり、表側表示で存在する限り、罠・効果モンスターの対象にはならないッス!これなら、お前の『グレイドル』も怖く無いッス!」

遊太達も、これには大喜び!

「凄い!あの状況でそんなカードを引けるなんて!」

「やるじゃねえか岩ノ井!」

「よーし!そのまま一気に行けー!」

しかし志島は。

「攻撃力3000、だけど、それを無効にされたら、どうなるかな?」

「何!?」

「罠カードオープン!『神の宣告』!ライフを半分支払い、魔法・罠、そしてモンスターの全ての召喚を無効にして、破壊する!」(志島ライフ5900→2950)

この状況を覆せるカードを出せたと言うのに、まさかの『神の宣告』。絶体絶命である。


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『神の宣告』
カウンター罠(制限カード)
(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。
●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
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「ああっ!ここまで来てそんなカードを!」

「よく頑張ったが、ここまでか!」

「岩ノ井ィィィッ!」

遊太・鏡山・菊姫の悲痛な叫びが岩ノ井に向かう。

しかし、岩ノ井は!

「こっちも、罠発動!『神の宣告』ライフを半分支払って、『神の宣告』を無効にするッス!」(岩ノ井ライフ400→200)(岩ノ井墓地5→6)(志島墓地6→7)

「な、何!?」

まさかの『神の宣告』返し。これに志島は驚き、岩ノ井は勝ち誇った顔をする!

そして、遊太達も。

「うおおお!やりやがったなアイツ!」

「神宣からの神宣返し!痺れるぅ〜!」

「凄いぞ岩ノ井!俺と同じくアネゴの取り巻きに相応しい男だ!」

盛り上がる皆。しかし、志島は。

「だけど、召喚を無効にされなかったとはいえ、今の君じゃ倒せないよ!」

「ここからッスよ!手札から『おろかな埋葬』を発動!墓地へ『ジュラック・ガリム』を送るッス!」(岩ノ井手札2→1)(岩ノ井墓地6→8)

「そして墓地から『ジュラック・タイタン』の効果発動!1ターンに1度、墓地から『ジュラック』モンスターを1体除外して、タイタンの攻撃力を1000上げるッス!『ジュラック・ガリム』を除外することで、攻撃力を1000上げるッス!」(岩ノ井墓地8→7)(岩ノ井墓地0→1)(ジュラック・タイタン攻撃力3000→4000)

「ええっ!」

「行けッ!『ジュラック・タイタン』!『グレイドル・コブラ』を攻撃!ジュラック・フレア!」

『ジュラック・タイタン』のブレス…いや、マグマ光線が襲い掛かる!あっけなくモンスターは破壊され、ダメージを受ける!

「うわあああっ!」(志島ライフ2950→0)

「志島選手ライフポイント0!勝者!岩ノ井翔太!」

「……よっしゃあー!勝ったー!」

岩ノ井の勝利に、歓喜に沸き立つ遊太達。仲間の勝利を、誰よりも喜んでいた。

「うおおおー!岩ノ井ー!」

「岩ノ井くーん!」

「やったなー!」


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『ジュラック・タイタン』
レベル9
炎属性
恐竜族 効果モンスター
攻撃力・3000 守備力・2800
このカードは特殊召喚できない。
このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、
罠・効果モンスターの効果の対象にならない。
また、1ターンに1度、自分の墓地の攻撃力1700以下の
「ジュラック」と名のついたモンスター1体を
ゲームから除外して発動できる。
このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。
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対戦相手のお互いは、デュエルリングを降りる。

志島は、まだ自分の敗北が理解出来てないようだった。

「ありえない…まさか、あんなモンスターを出して来るなんて…」

「…デュエリストたるもの、勝つ前におごり高ぶるな、ッスよ」

「え?」

「……アネゴから教えてもらった言葉ッス!ともかく、勝ち宣言をするのは相手に失礼ってことッスよ!」

「あ…ゴメン、さっきそんなこと言っちゃって」

「良いッスよ、別に」

「うん…」

「じゃあ、それではッス!」

「あのっ…二回戦、頑張ってね!」

「はいっ!頑張るッス!」

志島に別れを告げた後、岩ノ井達は遊太達の所に戻ってくる。

「アネゴ!勝ちましたよ!」

「おお!やるじゃねえか岩ノ井!」

「凄いよ岩ノ井君!あの状況から超ドローで逆転するなんて!」

「やったな!凄い頑張りだったぞ!」

「アネゴ、遊太、鏡山…ありがとうッス!これで…アキラと戦えるッス!」

その時だった。

「ただいま〜、おーい皆、ジュース買ってきたぜー」

「おお、遅かったな龍矢に龍奈に真薄、頼んでいたジュース買って来てくれたのか、ありがとな」

「もう龍矢が迷ったせいであれこれ迷って遅くなったんだから…」

「でも、おかげでこんなに買ってこれましたよ」

「だけど残念…皆がジュースを買ってきている間に、既に1回戦のデュエルが全て終了してしまったみたいなんだ…」

「おっ!やっと俺達もデュエルが出来るのか!」

「やっと私達も出来るのね!」

「俺も2回戦からだから…頑張るぞ!」

龍矢、龍奈、鏡山の三人は意気込む。それを見て、同じく2回戦からの遊太や菊姫も意気込む。

「1回戦の試合が全て終了しました!2回戦の準備に入りますので、しばらくお待ちください!」

これを聞いて、遊太は手を握りしめる。

「遊太、お前の大会初デュエルがもうすぐはじまるな…」

「うん、第1シードとして、頑張らなきゃね!」

「目指すは優勝!1等賞だ!」


第十七話。終わり。