二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 遊戯王デュエルモンスターズEXS(イクス) ( No.93 )
日時: 2016/06/17 17:55
名前: ロード (ID: 0llm6aBT)

第十八話「己の運をギャンブルに乗せて」


ミナコ社が主催する、デュエルモンスターズのジュニアユース選手権へと参加した遊太達。

デュエリスト達による、白熱した真剣デュエルが1回戦から行われ、大会のレベルの高さを実感した遊太達。

そんな中でも遊太達の仲間である真薄と岩ノ井は、強敵達相手にも臆さず自分のデュエルを貫き、見事勝利した。

1回戦は全て終了したが、2回戦から更なる強敵達が遊太達に襲い掛かる!

…と言っても、遊太達の大半は2回戦からの出場なのだが。

大会主催者曰く、本戦に出場出来るのは優勝者と準優勝者、そして3位決定戦で3位になった3名だけである。

つまり、AグループとBグループを合わせて80人のうち、6人しか全国出場出来ない狭き門である。

はたして遊太は、ロベルトから自分に渡した『ロードナイト』を渡した真相を聞くことが出来るのだろうか…。



1回戦の全デュエルが終了し、2回戦が始まろうとしている。

ここからは、シードのデュエリストや1回戦を勝ち上がった強豪が揃いに揃う、激戦は免れられないトーナメントである。

当然注目度も非常に高く、特にシードデュエリストの戦いは例え戦わないデュエリストといえど、気になってしまうものである。

「いよいよ僕の戦いか…!僕のデュエルを、皆に見せてやるぜ!」

「頑張れよ遊太、お前のデュエル、皆が期待しているぞ」

遊太は、自分のデュエルはまだかまだかと心待ちにしていた。

第1シードだと言うのに、緊張している様子は微塵も感じられない。というか、遊園地のアトラクションを待つ子供のように瞳を輝かせていた。実際に子供なのだが。

「緊張は…してないみたいだな」

菊姫が呆れと喜びを込めて言う。

「うん!緊張と言うより、ワクワクしてる!これからどんな強い相手とデュエル出来ると思うと、凄く楽しい!」

「はぁ、まったくお前は一体何なんだよ…」

「仕方ないッスよ、何せ、遊太君ッスから」

岩ノ井が諦めたように言う。隣にいる鏡山も頷くのは、どうやら周囲も承知の事実なようだ。

「第1試合とはいえ、試合が待ちきれない!ああ早くデュエルがしたい!」

「おお!凄い気迫だな遊太!」

「気迫って言うより、ただ楽しみなだけなんじゃないの?」

「…そうですよね」

龍矢、龍奈、真薄もジュースを飲みながらそう呟く。

そんなこんなで、全員ジュースを飲みながら2回戦が始まるのを待っていると、一人の少年が遊太の前に来た。

「君が六道遊太君?」

「ん?君…誰?」

遊太の前に現れたその少年は、トゲトゲした金髪を持つちょっぴり目つきの悪い奴であった。

「俺の名前は木島亀也(きじまかめなり)、さっき1回戦を勝って、君と戦う相手さ、第1シードの君とね」

「あっ、君が僕と戦う相手!?」

「なんだあ!?戦う相手への敵情視察か!?」

菊姫が木島を威圧するも、彼は無視して遊太と話をする。

「君、確か予選会であのロベルトさんを倒したって話だろ?それが認められてこの第1シードなんだろ?」

「げっ、もうそんなに伝わってるんだ…まあ、あんなに盛り上げられちゃ有名にならない方がおかしいよね」

「ああ、この大会に出場してる奴は殆どお前のこと知ってるよ、それに『ロードナイト』を使う奴なんて、まだ全国でも数少ないしな」

「えぇ…殆ど皆知ってるなんて…」

「ただ勝っただけじゃない、殆どの奴がお前の実力を認めているんだ」

「そ、そうなんだ…皆僕を認めているんだ…エヘ、エヘヘ…」

「おい遊太…顔ニヤついてるぞ」

菊姫はそう言うものの、遊太は顔のニヤケが止まらない。

「でもな、皆お前のこと倒したがってるぞ、それこそ、ロベルトさんに勝った人に勝てばロベルトさんより強いって証明されるしな、かくいう俺もその一人だが」

「えぇ…そうなんだ…」

「…そうだ、一回コイントスやらないか?」

そう言って懐から100円玉を取り出す木島。

「コイントス?」

「ルールは簡単、お互いに表裏を当てる、当てた方が勝ちだ」

「へぇ、なんか面白そう!」

「遊太、そんなの受ける必要ねーぜ」

「良いじゃん龍矢、何もデュエルする訳じゃ無いんだし」

「そうだけど…なんか挑発されてるっぽいんだよなあ…」

止めたは良いが、遊太にそう言われてぶすくれる龍矢。

「終わったか?じゃあ、100と書いてある方が表、華が書いてあるほうが裏な、じゃあ行くぜ!」

ピーンッ

弾いたコインが宙を描き、木島の手に乗って木島が手でコインを隠す。

「どっち?」

「表」

「じゃあ俺は裏な、さて、どうなるかな…」

手を避けてコインを確認すると、コインは裏だった。

「俺の勝ちだ」

「あーあ、負けちゃったかあ」

「…そうは言ってるけど、コイントス1回が命どりになることもあるんだぜ?」

「え、どういうこと?」

「ま、それは後のお楽しみ、それじゃあデュエルでね」

そう言って木島は去って行った。

「…何だったんだろ、あの子」

「やけに意味深なことを言っていたが…とりあえず油断するなよ、遊太」

「うん!」

菊姫にそう激励された遊太。丁度その時だった。

「2回戦の用意が出来ました!六道遊太選手と木島亀也選手は、デュエルリングへ来てください!」

「おっ、呼ばれた呼ばれた!じゃあ行ってくるね!」

「おう、頑張れよなー」

遊太がデュエルリングへと行くと、菊姫が皆に言う。

「おいお前ら…アイツが言ってた『コイントス1回が命どりになる』ってどんなことかわかるか?」

「もしかしてアネゴ…『ギャンブル』ッスか?」

「ああ岩ノ井、多分そうだな」

「ギャンブルデッキ…ですか?」

「ああ真薄、多分アイツはそういうデッキだ」


そして、デュエルリングに着いた遊太は、早速木島とデッキのシャッフルをする。

シャッフルしている間、審判は言う。

「ルールはマスタールール3、ライフポイントは8000、よろしいですね?」

「「はい」」

「それでは、シャッフルが終わったのでジャンケンをしてください」

「「はい」」

ジャンケンをした遊太と木島。木島がグー、遊太がパーであった。

「では遊太選手、先攻後攻を選んでください」

「じゃあ後攻で」

「それでは木島選手先攻、遊太選手後攻、よろしいですね?」

「はい」

「それでは、お互いにデュエルリングに上がってください!」

「「はいっ!」」

お互いデュエルリングに上がり、臨戦態勢を取る。その時、木島は遊太に言う。

「デュエルって言うのは、いつ何時も運勝負!一つの不運が、デュエルの勝敗すら左右するってことを、教えてやるぜ」

「どういうこと?」

「それは今から分かるぜ、じゃあ行くぞ!」


「「ルールはマスタールール3!ライフポイントは8000!」」

「「デュエル!!」」