二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【おそ松さん】失われてく日々の中で【二次創作松】 ( No.1 )
- 日時: 2016/03/12 12:33
- 名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: uoHTZdTU)
序章 『とある昔の話だが』
「ハァッ…、ハァッ…」
森の、奥の方。息を切らし、走って来た少年。
見た目は10〜12歳ほど。少し、小柄な気もする。
森は薄暗く、草も生い茂っている。
…そんな木々の間から、一筋の光が見えた気がした。
力という力を振り絞って、その光へ走る。
「…はぁ…。もう来ないかな…?」
『おや、珍しい。こんな所にまで、迷子ですか?』
そこにあったのは、小さな泉。
泉の水は澄んでおり、自分の姿もしっかり見える。
「だ...、だれ...」
そして目の前に立つ人物は、兄弟の一人が読んでいた本の表紙に書かれてた人の服に似てるような気もしなくない。
『...!私が見えるのですか。綺麗な心の持ち主のですね。そんな貴方には、加護をお与えしましょう』
目の前にいる人物はそういいい、自分の方に手を伸ばした。
...その瞬間。
自分の周りが淡く綺麗な黄色い光で包まれた。
その光は蛍のように、今にも消えてしまいそうで、仄かで...。
『もうお帰りなさい。加護はもう授けました』
一瞬の浮遊感が終わった頃には、自分は家の前に居た。
目の前に居た人物の顔は、泉から出る光の逆光で見えなかった。
だが、そのことを兄弟の一人に言うと、
「それ、女神様じゃないかな?凄いね、××松」
…何て笑顔で言われた。
少し嬉しかったが、何処かつっかかった。
多分、嫌な予感がしたとか、そんなことだろう。
褒められた?のは普通に嬉しい。
…自分でも、何を言ってるかわからない。
だか何処かつっかかるのは、本当のことだった。
でも実際、そのあとにやった悪戯は全て、誰がやったかバレず、バレたとしても自分が疑われることは一切としてない。
母から貰うお小遣も5円ほど自分が他兄弟より多く、雑用をなども押し付けられることが少なくなった。
そんなこともあり、幼い自分は女神のことを信じていた。
___まさか、あんなところで裏切られるとは。
あの時とは違う、別の浮遊感。
「キキィーーーーーーッ」と、急ブレーキのおとが耳につんざく。
「××松っ!!!」
「××松兄さんっ!!」
自分を呼ぶ声が、脳内にぼんやりと響く。
目の前に広がる、小さな赤い池。
兄弟かわからないが、誰かが駆け寄ってくる。
「××松!!しっかりしろっ…!!」
その刹那、意識は朦朧とし、視界が真っ暗になった。
___何で自分だけが、こんな目にあったのだろう。
そうだよ、女神の加護なんてなかったんだ___
『貴方は本当に、そう思っているのですか?』