二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【おそ松さん】失われてく日々の中で【二次創作松】 ( No.13 )
日時: 2016/03/16 18:31
名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: uoHTZdTU)

第2話 『太陽と月と星』

19の頃だ。やっとのことで安定した魔力を六人全員が手に入れ、学園に入学した時、校長であるキーファー・ティアズが言った。

「我が学園は、寮という三つに分かれています。それは『互いを支え合う存在』として役割を分けた、それだけのものです。
決して兄弟と、友とわかれても、それは支えてあげることができるということ。
…『サンクチュアリ』が太陽ならば、『アンブラー』は月、『トラスト』は星です。
敵なることはせず、支え合い、上の階級を目指しましょう」

…なんぞと。…僕は月らしい。太陽の支えが、星の支えがなければダメらしい。
それはきっと事実だろう。僕は『太陽』である五男に引っ張ってもらい、『星』である末弟に後ろを任せているのだ。
…なんて、なんて無責任な兄なのだろう。
『月』である自分は『太陽』に照らしてもらわなければ、姿を見せることさえできない。
『月』である自分は『星』と共に夜を過ごし、朝になれば一人で反対側へ行こうとする。

それがわかっているからだろう。弟二人は、支えるだけ自分を支えたら、もう居るべき場所へ戻っていく。
…それが、寂しくて、悔しくて、哀しくて。
そんなことになるならばと、自分は兄弟が得意としない分野を人一倍頑張り、なるべく兄弟と関わらないようにし、存在を消して。
すると寮内でも変な噂が流れだして、今年には自分の周りに友達なんかいなくなっていた。

「…まぁ、そりゃそうだよね。こんなのと一緒にいたいなんて、思わないよね」

そう言いきたせてたのに、たまに寂しくなって。
どうしてなのか、自分でもわかんない。いいや、わかりたくない。
…我が儘で、たまに人と一緒に居たいと思ってしまう。どうにもしようがない感情だ。
『月』である自分は、『太陽』がいないと誰にも見えないというのに。

「…いいや、『太陽』がいなくても『星』には見えるよ。だから大丈夫。ボクたちが、ずっと支えるから」

…あぁ、なるべく兄弟とは関わりたくないのに。
また迷惑をかけてしまうのか。
これだから僕は、一人が好きなんだ____

















「おーきーてっ、起きて一松兄さん」

「…あっ、ごめん…。授業は…?」

「まだ始まってないよ。カラ松兄さんとチョロ松兄さんは十四松兄さんとおそ松兄さん呼びに行った」

「…そう。起こしてくれてありがと」

「どういたしまして。良かったね、合同授業で」

「…そーだね」

そう言って、起こしてくれた兄弟…『トラスト』のトド松の居る反対側を向く。

「何その愛想のない返事!」

トド松はそう言って、これから始まる科目『占い学』用のノートを広げた。
…僕はこうやって、兄弟との距離をなるべく遠く、遠くしていた。