二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【おそ松さん】失われてく日々の中で【オリキャラ募集中!!】 ( No.32 )
- 日時: 2016/03/19 23:33
- 名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: uoHTZdTU)
第3-2話 『放課後』
コツコツ、と歩く音だけが聞こえる。
二人は、寮へ戻る廊下を、静かに歩いて行く。
「…クソ松、あんま近寄んな…」
「あ、あぁ。…すまない、ブラザー」
「………けっ…」
現在『アンブラー』の寮へ歩いているのは、カラ松と一松だ。
二人は静寂を好む者とし、『番人の梟』に『アンブラー』へと入れられた。
この『アンブラー』は、一番人数が多い。静寂を好むと言っても、不思議な力も持っていないし、正義感が強いわけでもない者は、全て『アンブラー』に入れられる。
カラ松は自身で「†静寂と孤独を愛する男†」と言っているためいいが、問題は一松の方だ。
ただでさえ自分を下へさげて、端でうずくまって、悪口に人一倍敏感で。
自分はどこにも当てはまらないからここにいると、勝手に思っている。
…実際はそうではないが、本人は聞いていなかった。
彼はずっと耳を塞いで、梟の告げた結果だけ聞いていた。…“本当の理由“を、知りたくなかったのだ。
だから勘違いをしたまま、何年も、何年も。
本人が知りたくないのだから、無理に問いつめるつもりもないし、わざわざ聞かせるつもりもない。
「…な、なぁ一松」
「…何」
そんな時に、カラ松が声をかけてきた。
…何の用だろうか。コイツのことだから、きっと授業がなんたらだろうけれど…。
「今日の夜空いてるか?『天文学』の課題であっただろう?どうせなら一緒にやってしまおうと思ってな」
…ほら、と思いながら呟くように小声で「…別に良いけど」と答えた。
カラ松はその答えを聞いた瞬間、パァッと顔が明るくなる。この前、ナシ食べてた時もこんな顔だったっけ。
「良かった!じゃあ8時頃に部屋に行くな」
「…わかった」
そう話しているうちに『アンブラー』の寮へと入る扉の前につく。
カラ松がゆっくりと扉を開け、二人で中へと入っていった。