二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【おそ松さん】失われてく日々の中で【オリキャラ募集中!!】 ( No.44 )
- 日時: 2016/03/27 11:43
- 名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: uoHTZdTU)
第4-2話 『夜空の向こう』
「…一松、居るか?」
コンコンと、ドアをノックする。『アンブラー』寮、245号室。一松はこの部屋に居る。
この間まで同室の子が居たらしいが、『初級魔法使い』になり中退したそうだ。
それから一松は一人で部屋を満喫しているらしい。…寂しくないのか、と聞くことは聞くのだが…、
「全然?逆に清々したって感じ」
とあっさり答えられてしまうのである。
…本音を隠し続けると“本当の自分“が分かんなくなってしまう。
その前に、どうにか救ってあげたいのだが…。
「にゃあ」
ドアに設置された、猫の通り抜けられる隙間。そこから出てきた灰色の綺麗な毛並みの猫。
…あれ、一松って猫飼ってたか…?野良なら、ここまで綺麗ではないと思うのだが…。
「ルクス…!外出ないで…」
一松と思われる声が聞こえる。
それと共に、ドアの方へ近付く足音。
この猫はルクス、というのか。良い名前だ。
もしかしたら、この間まで居た同室の子から譲ってもらったのかもしれない。後で聞こう。
ルクスと呼ばれた猫は自分の足にすり寄っており、とても愛くるしい動作をしてくる。
…可愛い…。一松の許可をもらってから撫でさせてもらおう。
「そろそろカラ松兄さんが来るかもしれな…」
そう言いながら、ドアは開いていく。
…えっ?“兄さん“って言った…?自分の名前を先に言ったわけで、自分のことだろうとは思うが…。
「お、おまっ…!?何時から居たんだよ…!?」
ドアは完全に開き、自分の姿を確認した一松が慌てたようにそう言った。
服は制服のままで、真ん中に置かれた小さなテーブルには分厚い本が置かれてあった。
「今さっき来た所だ。約束してた時間だからな」
自分はニカッと笑ったつもりでそういう。一松は部屋にある時計をバッと振り返って見、時間を確認する。現在8時ピッタリ。
…おぉ、自分でもピッタリに来れるとは思っていなかった。少し嬉しい。
「…あ…、そういやそうだった…」
自分の足元にいる猫を見ながら、一松は呟くように言った。