二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【おそ松さん】ラベンダーの咲く頃に、【オリキャラ募集中】 ( No.64 )
- 日時: 2016/06/20 17:41
- 名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: MZMJrm6H)
第8-1話『漆黒の翼』
ダッダッと土を蹴っていく。先頭を走るトド松とチョロ松の二人は相当焦っているようで、あまりない体力を振り絞っている。
対して『サンクチュアリ』のおそ松と『アンブラー』のカラ松はそこまで焦っているような走りではないが、心配そうに先を見ていた。
「んもう!どんだけ速いの十四松兄さん!!」
「しかたねぇだろ!アイツ足速いんだから!!」
「チョロ松もそれなりに速いよな〜」
「そんな事言ってる余裕あんなら走れこのクソ長男!!」
そんな風に走っているうちに、こっちへと走ってくる二人の影が見える。小さい影も足元にひとつ。
あれは自分たちの兄弟だ。間違いない。『深淵の森』で「目眩まし術」を使うような奴はあの二人…、十四松と一松くらいだ。
「ミャァッ」と猫が大声で鳴く。その影が、ピキンッと止まる。まるで石になったかのように。
二人の後ろに、2つの影が見えた。背の高い男性と、少し背の低い少女…。
「一松!!十四松!!」
チョロ松がそう声を出した。一松と十四松は驚いたようにこちらへ目を向ける。
背の低い少女はハッとこちらへ顔を向け、背の高い男性は余裕そうな顔で横目でこちらを見た。
「【フィーニステロス】!」
おそ松が石のように止まったのは「金縛り術」と判断し、そう唱える。一松たちはその瞬間すぐ動き出し、直ぐ様こっちへと来た。
ルクスは威嚇するように毛を逆立て、十四松は何か凶悪な気配を感じたように、そわそわしながらカラ松の後ろへと隠れる。一松は先頭を走っていた勢いで前に出ていたトド松の前に行き、背の高い男性を睨んだ。
「おそ松、いけるか」
「待って、あれ呪文なんだっけ」
「何でこういう所で忘れるんだよクソ長男!」
「チョロ松兄さん煩い。僕やるから、十四松ルクス任せた」
「あいっ!」
「は、早く!早くして一松兄さん!」
おそ松に問いかけるカラ松。
やるべき呪文を忘れたおそ松。
何時もの通りつっこむチョロ松。
相手に刺激しないよう大声を控えるように言い、自分が呪文を唱えると言った一松。
一松の言ったことに元気よく返事する十四松。
怯えるように一松にそう言うトド松。
背の高い男性は、少しずつだが距離をつめてくる。さっきっから同じような余裕な顔をしていて、どこか長男であるおそ松を思わせる感じだった。
「…【エタンドル・アッファッチャルスィ】 」
一松がそう唱えた何秒か後に、六人は一瞬で『深淵の森』の入り口へと移動した。