二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【おそ松さん】ラベンダーの咲く頃に、【オリキャラ募集中】 ( No.65 )
日時: 2016/07/16 17:25
名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: MZMJrm6H)

第8-2話『漆黒の翼』

「はぁぁぁ…、良かった…。んもう、一松兄さんが居なかったらどうなってたことか…」

現在、『深淵の森』入り口付近。木の影により外で待ってる教師からは見えず、丁度良い位置にやってこれた。…流石は『アンブラー』一松、変身術を習得してるだけはある。
そして、そんな木の影に隠れて六人は話していた。トド松が一つ息を漏らして、安堵したように座り込む。

「あっはは、わりぃわりぃ」

「ちゃんとしろよお粗末なおそ松兄さん」

「んだとぉ!?」

おそ松が相変わらずの笑みでトド松にそう言い、チョロ松がちゃんとしろと言う。おそ松が名前の言い方に少し喧嘩腰。

「おい、二人ともやめろ。…あぁ、ありがとうな、一mぐふぉっ…!!」

「…うるせぇクソ松」

「にーさん!ルクスしっかり居るよ!確認した!」

「みゃぁ」

「…ありがと、十四松」

そんな二人の喧嘩を止めるように言い、一松の方を振り向く。感謝しようとしたら殴られる、不憫な扱いなのはおそ松の笑顔と同じくらいに相変わらずなことだろう。
そして殴った本人一松。低く唸るような声でそう言うが、精神安定剤という名の十四松と自身の使いというよりかはペット・ルクスを確認できてホッとしたように、優しい声で言ってから、十四松の頭を柔らかく撫でた。

…最近だと自分でも思うのだが、ほんっと十四松とトド松には甘いと思う。弟は可愛いものだとかチョロ松が言っていたことがあるのをふっと思い出し、きっと自分もそういうことなんだろうと思う。
あぁそうだ。実は、さっき使った魔法は自分では暗記しきれてない部分だった。自分は呪文学をしっかりやっていたわけではなかったし、そこまで暗記力が良い方でもない。要領が良いのは『トラスト』の二人だろう。あっさり覚えて、自分たちに通達してくれるのだ。

けれど、今回は違う。ふいに声が聞こえた気がしたのだ。優しく包み込むような、そんな声音。
そうだな…、例えるならば機嫌が良い時のチョロ松…だろうか。あの優しく微笑んでる感じ、一番分かりやすい例えだと思う。ぼんやりと響いて消え、何故か頭の中の大半はその呪文でいっぱいになり、発音も言葉も間違えることなく言えた。…彼は、一体誰だったのだろうか。
まぁそんなことを気にするのは後だ。今、そんなことよりも大変なことがさっき起こっていたのは事実だった。


封印が解かれたのだ。史上最凶最悪の、王が。