二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【おそ松さん】ラベンダーの咲く頃に、【オリキャラ募集中】 ( No.66 )
- 日時: 2016/08/01 11:49
- 名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: MZMJrm6H)
第9話『居場所を求めて』
暫くの沈黙。
息苦しい空気の中、チョロ松が口を開けた。
「…カラ松、分かってるよね?」
「…あぁ。ティーチャーたちに報告しなければな…」
…それは、マジーアでは有名な昔話。
昔々。ここ一帯を支配していた魔物が居たらしい。魔物は「王」と呼ばれ、民たちを支配していた。そんな頃に王を封印しようと、立ち上がった五人の若者がいた。彼らは決して強い魔力を持っていたとは言えない。だが、人を助けようとする気持ちは人一倍強い者だった。
彼らは、王を森の奥深くに封印した。支配された民たちは、彼らを『メシア』と呼んだ。
…というような内容の昔話だ。今では『メシア』は一番上位の階級となっている。相当はことをしないと『メシア』になることができない。
「…『此処に来た者の弱い心に漬け込み、全てを我がモノとする』…だったよね」
「…大丈夫だよ、一松。心配しなくても…」
「…うん、分かってる」
静かに、一松が口を開らき話す。彼が言った言葉は、王が最期に言った言葉だ。詳しく書いてある書物には必ずお決まりで書いてある言葉であったりもする。
きっと心当たりがあるのだろう、少し目を逸らす。心当たりなどたくさんありすぎて困るくらいで。心当たりを思い出すたびに、苦しくなって。辛くないと言ったら嘘だけれど。弟たちに、兄弟たちに情けないところは見せたくない。
「あ…、カラ松くんたち居たんだね」
「別行動していたのはしっていましたわ、まさかこんなところで出会うなんて」
深淵の森の方から声が聞こえ六人は振り向く。そこに居たのは、白露時雨とローズマリー・ブラッドフォード。二人とも『アンブラー』の生徒で、白露時雨はカラ松のルームメイトであったりもする。
「…二人で行動してるなんて珍しいね」
「さっきそこでたまたは会ったんだよ。折角だから一緒に戻ろうって」
「…ボクたちも戻る?」
「そーだな、俺らも戻るっかー」
同じ『アンブラー』である一松が二人に言い、時雨がそう答える。何人かで行動しろと教師に言われたのに、ずいぶんと大胆に出る二人だな、と思いながら「へぇ…」と軽く返事をした。
そしてチョロ松がそう言い、おそ松が頭の後ろで手を組んでそう答えた。チョロ松の目はどうにしてもさっきのことを言いたいようで、速く行こうと訴えていた。それに気付いたのか、おそ松は「おー、こえー」と笑いながら呟いた。