二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【おそ松さん】ラベンダーの咲く頃に、【オリキャラ募集中】 ( No.67 )
日時: 2016/09/06 23:38
名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: 4MPbQGSh)

第10話『閉ざされた心』

バンッと自室である『アンブラー』寮の245号室のドアを勢いよく開け、そして勢いよく閉める。一つ深く息をついてからズタズタとベットの方に行き、そこに倒れこんだ。

「…はー…、疲れた…」

『魔法生物学』の授業が終わり、そこから1時間ほど教師に『深淵の森』での出来事を詳しくと問われ続けた。自分と十四松の二人、そして自分ら兄弟六人は最凶最悪の王に直接会い、目を合わせたのだ。けれど最初に会ったのは自分と十四松で、一番問われたのは自分らだろう。はっきり言って十四松は言葉で詳しく説明するのは少し苦手で、大体は自分が話すことになった。
あの時、実は怖かった。相手に殺されることよりも、何よりも、弟である十四松が何か思ってしまうのではないかと。自分を、責めてしまうのでないかと。それが怖くって、兄弟を頼ってしまった。兄弟とはあまり関わりたくなかったのに、それなのに。
マクラにぐっと顔を沈ませ、目を閉じる。そして顔を上げまた息をつく。


『____________________』


…何でこういう時に限って、昔の言葉が出てくるのだろう。今でも夢で何度も言われて、怖くなって。カラ松兄さんにキツい態度とってるのもその八つ当たりみたいなところはあって。
バカみたいだ、自分勝手で人を傷付けるだとか。一緒に居ると、そして話すと、絶対にどこかで相手を傷付ける。だから、距離をとって、様子を見てる。自分だって、これじゃダメだとは思っている。だけど、恐い、怖い。
そんな自分に対してアイツら…、十四松は、おそ松兄さんは。どんどんと、自分たちの前を行く。羨ましい、一緒に行きたい。でも、恐怖の方が明らかに上をいく。
『トラスト』のチョロ松兄さんとトド松も、個人の力を充分に使っている。チョロ松兄さんの博識と、トド松の情報網のダブルコンボは本当に凄い。『トラスト』の生徒だけが持つ特別な力も有効に使い、僕らを導いてくれる。けれど、足がついて行こうとしてくれない。
『アンブラー』のカラ松兄さん。…別に何も持っていない、底抜けの明るさも元気もない。けれど、何故か皆を引っ張っていく。あの冷静さが、皆を落ち着かせているのは事実だろう。でも、自分の気持ちに素直になれない。

「…ハッ、バカみたいだ」

そう呟いて、何が変わると言うのだ。何も変わらない、知っている。話したところで気が落ち着くわけでもない。ただの独り言でしかない、こんな言葉なんかじゃ。
…もう、何もかも面倒だな。