二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【おそ松さん】ラベンダーの咲く頃に、【オリキャラ募集中】 ( No.68 )
- 日時: 2016/10/09 23:08
- 名前: ラリティ ◆fvHE6RWqPQ (ID: 4MPbQGSh)
第11-1話『新しい絆』
翌日、朝のことだった。何時もの日課で、『アンブラー』の大広間まで来ていた。『アンブラー』の生徒は自室によく居る傾向がある。そのためここは授業が始まるまであまり人が来ないので、朝は広々としており、自分は気に入っていた。
「ミャァ」
連れてきたつもりはないのだがついてきたルクスが、自分の足の上で鳴く。やけに天上の高い大広間に声が響く。
…『アンブラー』の大広間には、学校内に行く道以外にもう一つ道がある。自分は行ったことないが、教会があるらしい。寮から直接教会に行けるのは、『アンブラー』だけらしい。実際、教会がどこにあるのかもわらかないが…。行く気もないし、気にしていなかった。
なので、いつも大広間の真ん中にある巨大なテーブルに付属しているイスに座り、ボーッとしている。…のだが、今日は違った。何故かどうしても、教会が気になったのだ。特に何にもないところだと聞いたが、気になってしまったのだ。
「ミャァァ」
それを感じたかのように、ルクスは床に降りる。そして、教会へ続く道へと歩いて行った。
…追いかけるために、立ち上がる。そして、教会への道を歩みだした。
教会へと行く道は地下にあるようで、一度階段を下がれば、普通のコンクリートで出来てるトンネルよりはよっぽど綺麗なレンガ造りのもので、所々に絵が飾ってあった。
習うとしたら魔法史であろう絵も、見たこともないものだった。全てモノクロで、動くこともない。…なるほど。この絵は、『生きていない』ものか。となると、結構昔に出来たんだなぁと感じた。
ルクスが鳴けば、少し響く。やはりこういう所は声や音が響きやすいようだ。歩く音さえもはっきりと聞こえる。静かに歩いているせいもあるのかもしれないが、その他の雑音は何も聞こえていなかった。
だが、しばらく歩みを進めている内に、遠くから何かが聞こえてきたのだ。これは、歌声だろうか。女性の声だ。…こっちから聞こえてくるということは、教会から聞こえてきているのか。聖歌か何かか?
…その歌声は教会の中で、美しく響いていた。
背は多分普通くらい。『カトレア学園』の制服を着ており、緑と赤のネクタイ。『トラスト』か。
どうやらこちらには気付いていない様子で、楽しそうに歌っている。
「…ねぇ、君…」
思いきって、声をかけた。
「えあっ、はいっ。…どうかしました?」
…その顔は、名前も何も思い出せないというのに、どこかで会ったような気がした。