二次創作小説(映像)※倉庫ログ

すばらしきスマブラの日常(笑)〜エピソード0〜 ( No.130 )
日時: 2017/03/18 20:59
名前: トクマ (ID: sThNyEJr)

 今回はエピソード0を更新します。いつも通りのカオス注意報が出てるのでご注意を(笑)

 それでは、どうぞ!!




 これは、彼ことトクマがスマッシュブラザーズに入団して間もない頃の話である……

トクマ「新参者親交会?」
マルス「うん。マリオさん達がやるから来てくれって言われたんだ」

 午後、日課として最近始めた花の水やりをやっていた時にマルスから親交会があると伝えられた。

トクマ「……」(複雑な表情を浮かべている)
マルス「……君がその顔をするのはわかるよ……初日から出会いがあれだったから……とにかく騙されたと思って来てみてよ……じゃないとトクマくんを探す為に何するかわからないからさ……」

 苦笑しながら話すマルスの言葉にトクマは複雑な表情を浮かべながら、ため息を吐いた。

 そして、約束の時間十分前になり、トクマは重い足でゆっくりと歩きながら移動していた。

 本当は逃げることを考えていたのだが、トランクス一丁と追ってきたマリオや全裸が標準で有名な二人のことだ……飲み会をサボって逃げれば、知らない間に尾行され、突然後ろから捕まえてきそうな感じである。

 ……なにげに少しホラーだ。

 残りHP一桁の状態で無傷のラスボスと戦うプレイヤーの心境はこうなんだろうかと、どうでも良い現実逃避を考えながらマルスに言われた集合場所へと向かった。

マリオ「さて、それでは新人諸君。大乱闘スマッシュブラザーズへようこそ! 今回呼んだのは先輩後輩の親交を深める目的で飲み会をしようと思う。お互いにある腹の内をぶちまけて存分に語り合おう」
リンク「早速だが、三つのグループ分けを決めるので皆さっきテープを張った腕を出して並んでくれ!」

 集合場所ではマリオとリンクが新参メンバーに説明していた。飲酒できるメンバーには安全のため、アルコール耐性がわかるようにパッチテストを実施していた。

マリオ「よし、Cテーブルに行ってくれ」
リンク「お前は向こうのBテーブルだな」
トクマ「マリオさんリンクさん、なにか手伝うことは無いですか?」

 想像よりマジメな行動にいらない心配だったと感じたトクマは手伝いを二人に申し立てた。

リンク「大丈夫だ。お前は安心してAテーブルに行ってくれ」
トクマ「はぁ……?」

 リンクに言われ、Aテーブルの方に顔を向ける。

Cテーブル……ソフトドリンク(アルコール度数0%)

Bテーブル……ビールやサワー類(アルコール度数3〜8%)













































Aテーブル……ウイスキーやウオッカ類(アルコール度数20%〜)

トクマ「……」

 Aテーブルに山のごとく置いてあった大量の酒を見つけたトクマはしばらく固まっていたが、少しずつ離れるように移動し始めた。

スネーク「お! 昨日の新人じゃないか!」
ワリオ「こっち来て飲めよ!」
ファルコン「今日は負けないぜ!」
ロイ「せっかくの飲み会だから楽しもうじゃないか!!」
トクマ「チェンジ! Bテーブルにチェンジで!!」

 しかし、現実は甘くなかった。トクマを見つけたメンバーはそのままトクマを持ち上げ、Aテーブルへと進んでいく。

ファルコン「それでトクマは何を飲む?」
トクマ「“ウーロン茶”でお願いします」
ファルコン「よし、わかった」

 せめてものの足掻きなのかトクマはアルコールが一切ないお茶をファルコンに頼むと、ファルコンはサムアップしてコップに注ぎ始める。

 まさか注文を受け付けてくれるとは思わなかったトクマは内心驚きと同時に良心があった事に喜んだ。
















































 目の前でファルコンがウオッカとウイスキーを9:1の割合でコップに注ぎ、見た目がウーロン茶のお酒が完成した所を見るまでは……。

ファルコン「ほら、ウーロン茶」
トクマ「これはオレの知っているウーロン茶じゃない!!」

 平然と差し出すファルコンにトクマは力強く机を叩いた。

ファルコン「何言ってるんだ。きちんとウーロン茶の色が付いてるだろ?」
スネーク「そうだぞ新人。しかも色だけじゃなく火までつけられるんだぞ?」
トクマ「火がつく時点でそれはもう大部分がアルコールだ!!」

 悪びれる所か飲むことを勧めるファルコンとスネークにトクマは一種の頭痛がしたのか、頭を押さえる。

マリオ「おいおい、お前らあんまり新人をからかうんじゃないぞ」
リンク「ほらトクマ、水だ」
トクマ「あ、どうもすいません」

 グループ分けを終えたマリオとリンクがトクマに飲み物を手渡した。トクマは飲もうと口を近づけるとアルコールの匂いがし、一旦机に置いて持っていたチャッカマンをコップに点火する。

 カチッ(チャッカマンの点火音)

 ボッ(コップに青白い火が灯る音)

トクマ「……どうしてこの水は火がつくんですかね」
マリオ「可燃性なんだろ」
リンク「色はきちんと水なんだ。気にするな」
トクマ「テメェらは飲み物を色でしか識別できないのか!?」

 マリオとリンクの言い訳に頭痛がさっきより酷くなったようにトクマは感じ、頭を押さえる。

 ……次は胃が痛くなりそうだ……

マリオ「それじゃ、新人諸君大いに楽しんでくれ……かんぱーい!」

「「「かんぱーい!!」」」

 トクマの考えとは別にマリオの音頭によって、親交会が始まった。


 まだまだ続きます。感想はまだ。

すばらしきスマブラの日常(笑)〜エピソード0〜 ( No.131 )
日時: 2017/03/19 10:48
名前: トクマ (ID: sThNyEJr)

 親交会が始まって数分後、各々のメンバーは楽しんでいた。ソフトドリンクを飲んでワイワイと楽しむ子供組、ほろ酔いになって恋バナを始める女性陣、そして——




































マリオ「“さかずきかわかす”と書いて!」
リンク「“乾杯”と読む!」
Aテーブルメンバー全員「せーのーかんぱーい!!」

 ……ここだけ、画力が変わりそうな勢いで酒を飲むAテーブルの姿があった。

 そこには腹を決め、渋々酒を飲むトクマの姿が見える。

トクマ「うぇぅぅ……やっぱり濃くてキツいな!!」
???「水を飲まないと倒れるぞ」
トクマ「あぁ、どうも」

 愚痴っていた横から渡された飲み物を飲む。しかし、口のなかには何故か水にはない味がした。

トクマ「……」

 カチッ(チャッカマンを点火する音)

 ボッ(コップに青白い火が灯る音)

トクマ「ウォッカぁぁああああ——!!」
???「良い飲みっぷりだなトクマ」
トクマ「えっと、てめ、誰だ!!」
ルフレ「ルフレだ」

 叫びながら飲んだコップを地面に叩きつけた。しかし、マスターハンドが作ったコップは傷一つ付ける事ができず、飲み物を溢す結果となった。

 そんな様子を見て、トクマにウォッカを渡した白髪が目立つ青年——ルフレがトクマに話す。

トクマ「る、ルフレ! これは何のマネだ! 新人いびりのつもりか!?」
ルフレ「いや、そんなつもりはない。ただ……一人くらい潰しておかないと脱出できないように見えてな」
トクマ「……」

 トクマは怒りながらルフレに問いかけると、ルフレは視線を一つのグループ——罰ゲームの一発芸で鼻からスーパーキノコを出してるマリオと盛り上げるリンク達——に向けながら言う。その様子にトクマは後頭部を軽くかき、ルフレに話しかける。

トクマ「そうか……確かに誰かが犠牲になればいいんだよな」

ルフレ「わかってくれたか?」
トクマ「ああ、さっきはキレてしまってすまない。責任取ってオレが酒を飲むからお前は水でも飲んでいてくれ」
ルフレ「恩にきる」

 少し何かを思い詰めるような話し方で話すトクマにルフレは感謝しながら、差し出された飲み物を飲む。

ルフレ「……」

 しかし、水にはない味覚がしたことにルフレは眉を潜めて無言で考え始めた。おもむろにマッチの火まで抑えた炎系統の呪文を唱える。

 ピィン(呪文発動の音)

 ボッ(コップに青白い火が灯る音)

ルフレ「貴様ぁぁぁ!!」
トクマ「誰かを生けにえにするってのは確かにナイスアイデアだぜ。オレの為に潰れてくれやルフレ!!」

 まるで小学校の運動会のリレーで偶然横に並んだ一番親しい友人に『一位二位関係なく楽しもう!』と言われた瞬間に全力疾走されたような裏切りにルフレはトクマから渡された水——焼酎を床に叩きつけ、怒りながらゲスな顔で笑うトクマに魔導書を構える。

 一触即発とも言える二人の空気に緊張が走る。

 マリオ「こらこら、喧嘩けんかはやめろ。どうしてもめるなら勝負にしろ」
トクマ&ルフレ「勝負?」

 そんな様子を見かねたマリオが二人に提案した。

マリオ「ああ、スマッシュブラザーズ創立から代々伝わる——ミニゲームだ」

 マリオの言葉にリンクは全体が黒一色の取り出し口が丸い穴しかない箱を持ってきた。

リンク「この箱から一つ取り出し、ボールに書かれた内容のミニゲームで勝敗を決めるんだ」
マリオ「さて、なっにがでるかな〜」

 鼻歌を歌いながら箱を漁るマリオ。そのそばでトクマとルフレはお互いを目の敵と言わんばかりに睨み合っていた。

 ……どんな勝負だろうが——

 ……トクマ(コイツ)だけは絶対に——

 ……『『負けたくねぇ!!』』

 心中、敵意丸出しでメンチをきりあう二人にマリオは勢いよくボールを取り出した。そのボールに書かれていたのは——

















































 【飲酒飲み比べ耐久レース】

トクマ&ルフレ「ふざけんなぁぁぁ!!」

 まさかのお酒飲み比べだった件。酒から逃れる為にお互いを蹴り落とそうとした報いなのかはたまた偶然なのか。まさかの事態に驚きが隠せずに叫んだ。

マリオ「それでは酒の用意を——」
ルフレ「意義あり! 変更お願いします!!」
トクマ「チェンジ! チェンジで!!」

 マリオの一声で酒を用意し始めるスマブラメンバーにトクマとルフレは待ったをかけた。

リンク「なんだ不満なのか?」

 リンクの言葉に二人は答えようとするが、正直に答えて無理矢理酒を飲まされる光景が頭によぎった。

 瞬時に理解した二人は何とか誤魔化す為に嘘を言った。

トクマ「こんな白髪野郎には不利なミニゲームなんで変えて下さい」
ルフレ「このバカには荷が重すぎるから他のにしてくれ」
トクマ&ルフレ「なんだとこの野郎!!」
マリオ「似てるなーこの二人」
リンク「根の部分が同じなんだろ」
ゼルダ「思考回路も同じだからです」

 しかし、根本が似ているのかルフレとトクマの二人は指差しながら言うと同時にお互いの胸倉を掴む。その様子を呑気に酒を飲みながら見守るマリオとリンク、さりげなく毒を吐くゼルダ。

トクマ「言ってくれるじゃねぇか」
ルフレ「お前こそな……」

 額に青筋を浮かびながらトクマとルフレは酒が注がれたジョッキを右手で掴み、力強くぶつける。

トクマ「こうなりゃトコトンやってやらぁ」
ルフレ「上等! 白黒はっきりさせてやる」
フォックス「いいぞー新人ー」
ファルコ「死なない程度になー」

 フォックスとファルコの言葉に聞く耳持たず、二人は怒りとプライドのままに飲酒耐久デッドレースの火蓋ひぶたを切ったのだった。






























       〜一時間後〜



































トクマ「み……水……っ」
ルフレ「……うぷっ……」

 デッドレースの果てに待ってたのは悪酔いによる吐き気。一般人のトクマと魔術を除けばただの人間であるルフレは大量のアルコール接種によってダウン寸前だった。

アイク「やっぱこうなったか」
ウルフ「言わんこっちゃねぇな」

 懸念通りの状況にアイクとウルフはため息を吐く。リンクは両手に透明の液体が入ったコップを持ってトクマとルフレに差し出す。

リンク「まったくお前らは……ほれ」
ルフレ「す……すいません」
トクマ「ありがとうございます……」

 リンクのコップを素直に受け取り、トクマとルフレは水だと思って一気に液体を喉に通した。

リンク「いやはや、それにしても意外だった」

 しかし、水だと思った液体は予想にはない辛味があった。恐る恐るトクマとルフレはリンクを見た。

トクマ&ルフレ「……」

 いや、正確にはリンクの脇に挟んであるビンだ。よくよく見るとそれは——



















































 ——スピリタス(アルコール度数95)だった。

リンク「お前らがそんなにシャイボーイだったとはなぁ……強い酒が欲しいなら次からは遠慮えんりょせず最初から言えよ?」

 リンクの男女関係なく惚れそうなサムアップをするが、トクマとルフレは今飲んだコップとビンを見て、暫く沈黙した。

 その夜、闇を裂くような断末魔が響いた。

 翌日。館のロビーに二日酔いで寝込む二人——トクマとルフレの姿が確認された。

ルフレ「てめぇの……せいだ……」
トクマ「いいや……お前が悪い……」

 頭痛に苦しみながらも互いの悪態をつくトクマとルフレの二人。

 これが、後に悪友とも言える腐れ縁となったトクマとルフレの始まりであった。



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