二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 混沌の宴! その名はオトーリ!! ( No.177 )
- 日時: 2017/06/11 19:00
- 名前: トクマ (ID: Jhl2FH6g)
お待たせしましたァァァァ!!
スマホの故障やデータがバグって真っ白の原稿、カオス過ぎて削っていく作業が長くなって気付けば6月……本当なら5月中に終わる予定だったのに……遅れてしまってすみませんでしたぁ!!
少し気になるコメントがありますが、気にしない方向でお願いします。依頼は出しといたんで。
それでは、スゥタァァトォォォォ!
前回のあらすじ
とんちで有名な町人——トク丸と流触之助に殿様が言いました。
殿様「手を使わずにこの瓶を水で満たすのじゃ」
この難題に二人は一体どう答える!?
ルフレ「それでは殿様……」
トクマ「まずはこの屏風から虎を出して下さい……」
マリオ「おいおいお前ら」
リンク「急に遠い目をしてどうしたんだ」
すいません。開幕から虚空にブツブツと生気のない目で何かを呟くトクマとルフレの二人が出てきたんですが……
ルフレ「そりゃ現実逃避もしますよ!」
トクマ「俺達なりのオトーリって何ですか!?」
マリオ「まぁ、そう焦るな」
リンク「今から説明してやる」
正気に戻った二人がマリオとリンクに反論すると落ち着かせるように言い聞かせる。
マリオ「今回は皆で同じ瓶の酒を飲もうと思う」
リンク「せっかくの飲み会だからな」
トクマ「ふむふむ」
ルフレ「同じ釜の飯みたいなもんか」
マリオとリンクの言葉に頷くトクマとルフレ。
マリオ「ところがだ」
リンク「全員の好みが一致する酒ってのは意外と難しい」
ルフレ「ああ」
トクマ「それはそうですね」
酒の好みというものは人によって大きく異なる。
ジャンル・銘柄・炭酸の有無に飲み方etc(エトセトラ)……
全員の好みが一致する公平な酒を選ぶのは確かに難しい。
マリオ「だが、ここで皆の感想が異なるのは寂しいだろう?」
ルフレ「それはそうかもしれませんね」
トクマ「作者様方がいる飲み会ですからね」
リンク「だから、俺達は考えたんだ」
トクマとルフレの同意の言葉にリンクとマリオが拳を握ってその考えを言った。
マリオ&リンク「『ならば公平になるよう全員がキツい酒にしたらいい』と」
トクマ&ルフレ「公平の取り方おかしくないですか!?」
予想の斜め上を行く答えに反論する二人。頭痛がしたのは気のせいではない。
マリオ「今からこの瓶を回して好きな酒を注いでもらうわけだが」
リンク「その時に何でもいいから一言“口上”を述べてくれ」
そう言ってマリオは瓶を軽く叩き、リンクはオトーリについて軽く説明する。
トクマ「口上?」
ルイージ「オトーリは何か一言述べてやるモノらしいからね」
ファルコン「例えば『島と海の美しさに捧げます』とかな」
ルフレ「なるほど」
マリオ「まずはオレ達が……少し真面目に話をさせてもらおう」
トクマの疑問を横からルイージとファルコンが答え、マリオとリンクがいつの間にか手に持ったビンのフタを開けながら話始める。
マリオ「住む世界がバラバラのオレ達がこうして同じ時に同じ場所に集い」
リンク「同じ団に入り、同じ瓶の酒を飲める事を嬉しく思う」
二人の顔にはあまり見ない真剣な表情で瓶に酒を注いでいく。
マリオ「この場にいる全員が同好の士であり、仲間だ」
リンク「いずれ、それぞれの道が分かれようとも……共に過ごした時間は無くならない」
その表情に周りは呆然とする。いつもフザケているマリオとリンクが何かを思い出すような表情を見せる二人に初めて見て戸惑っているのだろう。
マリオ「どうか皆の人生における最高の思い出として」
リンク「今日という日を忘れないでほしい!!」
高らかに声を上げて瓶に注いだビンを挙げるマリオとリンク。そして、そのビンにはこう書かれてあった——
——スピリタス(アルコール度数96)。
トクマ&ルフレ「アホかァァァァァァァッ!!」
すいません。シリアスのような珍しくマジメな雰囲気だったのに一気に台無しになってしまったのですが……よりにもよってなんでスピリタスだよ! 確かに先程言ってた『キツい酒』に該当するけどさぁ!!
ルフレ「何が最高の思い出だ!!」
トクマ「思い出どころか記憶すら残す気ないだろ!!」
マリオ「もう一本いっとくか」
リンク「はっはっはっ、こいつはすげぇ」
ルフレ&トクマ「いれるな!!」
一人一本で充分なのに更に注ぐマリオとリンク。少しぐらいシリアスな空気を保てよ!!
ルキナ(ゆ)「私、あなた達との出会いを絶対に忘れませんからね!!」
トクマ「なら、なぜスピリタス(それ)を注ぐ!?」
ルフレ「本当に覚えておく気があるのか!?」
ゆめひめさんとこのルキナもスピリタス注ぎやがったよ!! そりゃ彼女はギャグカオス組だからいれると思ってたけどさぁ!
ルキナ(ゆ)「次の方どうぞ」
ルイージ「うん」
ゆめひめさんのルキナがルイージに出番を譲ると静かに瓶の前に立つが暫く固まったかのように動きが止まった。
ルイージ「……」
ファルコン「どうしたルイージ?」
ルイージ「いや、うまく言葉が出てこなくてね……僕、勉強ばっかやってきたから、こういう時に気の利いた事ができなくてね」
ファルコンの質問にルイージが照れ臭そうに答える。
ルイージ「だからせめて……僕のできる事で」
そして、ルイージがポケットから取り出したのは——
——エチルアルコール(消毒用)だった。
トクマ&ルフレ「入れるなぁ——ッ!!」
リアル飲んだら危ないモノを入れようとするルイージを止めようとするトクマとルフレ。
その様子にルイージとファルコンは笑いながら言う。
ファルコン「ははは、冗談だ」
ルイージ「こんなもの混ぜたら度数が下がっちゃうよ」
ファルコンの片手に『ドッキリ大成功!!』が書かれた比較的小さいサイズのプラカードが現れ、ルイージが空きビンを利用したのだと笑いながら説明するが二人の耳に説明が入ってこない。
二人の視線はルイージの足元に転がっているスピリタスの空きビンに注がれている。
トクマ「消毒用アルコールよりキツイだと……!?」
ルフレ「これ、絶対飲み物じゃねぇ……っ!!」
なお、度数96のスピリタスに対してエチルアルコール(消毒用)のアルコール濃度は80%である。
……本当に飲み物じゃねぇ!?
ジェローム「えっと……問題なく飲み会が終われますように……こんなんで良いか」
後ろからジェロームの声が聞こえ、振り返って彼が入れようとするお酒——ビールを見て思わずガッツポーズをとろうとする。
ルキナ(ゆ)「おぉぉやぁ? ジェロームはビールですかぁ?」
しかし、そう簡単にはいかなかった。もう少しでビールを入れようとした瞬間にゆめひめさんのルキナがジェロームに野次をとばした。
ジェローム「あぁ? 文句あるか?」
ルキナ(ゆ)「いえいえ、文句なんてないですよ。ただ……ジェロームはすごく、私よりすごく、酒が弱いってことに驚いただけですから」
煽りに煽るゆめひめさんのルキナ。その言葉にジェロームの対抗心に着火液剤を浸した木材を置いて火を着けた。
ジェローム「言ったな? そこまでいうのならやってやろうではないか」
その言葉と共にビールを置いてスピリタスを三本程瓶の中に注いだ。
……アホかぁァぁぁぁぁぁ!!
まさかのどんでん返しに思わず叫びそうになったトクマとルフレ。
トクマ(クソ……少しだけ楽になると思ってた自分が浅はかだった……)
ルフレ(後悔するのはまだ早い……俺達がやるべき事はあれをなんとかする事だ……)
頭を悩ましながら瓶を睨み付けるトクマとルフレ。そして二人はある決断を決める。
トクマ(こんなモンで乾杯したら命の保証はない……!!)
ルフレ(かくなる上は……!!)
トクマとルフレの二人はアイコンタクトをとり、お互いの意志が同じことを確認して頷く。
トクマ(何食わぬ顔で水でも入れて……)
ルフレ(度数を安全圏まで下げる!!)
そう言い、水のペットボトルを構えて瓶の中に入れようと動いた。
ミッション、スタート(笑)! まだ続きますよ。
- 混沌の宴! その名はオトーリ!! ( No.178 )
- 日時: 2017/06/11 19:35
- 名前: トクマ (ID: Jhl2FH6g)
念の為に注意です。
今回の話には【スマブラの日常(笑)〜エピソード0〜】で出す予定のシーンが流れますが、知ってても知らなくても大丈夫です。むしろ、知った方が面白くなりそうなので広い心を持ってお読みください。
ファルコン「ほら、お前らも」
ルフレ「ハァーイ」
トクマ「ワカリマシータ」
ファルコンに促されるまま瓶に近付くトクマとルフレ、水のペットボトルをラベルが見れない持ち方のままフタに手をかける。
……そういや、瓶の中はどうなってるんだ?
ふと、トクマは興味本位で思って静かに瓶の中を覗いた。いや、覗いてしまった。
チラッ(トクマが瓶の中を覗く)
ブワァッ(揮発したアルコールの気体)
ジュワッ(トクマの目に直撃)
トクマ「目が、目がァッ!?」
ルイージ「ぐふっ!?」
揮発したアルコールがトクマの眼鏡という名のバリケードを避け、目にダイレクトアタック。思わずどこかの大佐みたいな事を言いながら目を押さえてバックするとルイージがおり、身長差でトクマの肘がルイージの頬にエルボーの形でめり込んだ。
トクマ「うおっ!? す、すみません! 大丈夫ですか!?」
ルイージ「うん。大丈夫だよ」
ファルコン「おいおい何やってんだ」
狼狽えるトクマだが、ルイージは鼻血を流しながら平気だと答える。
トクマ「すみません……」
ルイージ「なに、気にしないでいいよ」
ルフレ「怒らないんですか?」
ファルコン「このくらいでキレるようなガキはスマブラにいないぜ」
はっはっはっ、と朗らかに笑うファルコンとルイージの懐の深さに感動するトクマとルフレ。トクマが水のペットボトルを手にして開けようとした瞬間——
ルフレ「……お二人とも」
トクマ「じゃ、オレのもいれますね」
ファルコン「おうコラ、トクマ」
ルイージ「ふざけた真似するんじゃないよ」
トクマ「肘打ちはOKなのに!?」
ルフレ「キレるポイントおかしいだろ!?」
仏のような表情が反転して修羅のような怒気を孕んだ表情へと早変わりし、トクマの腕と頭をギリギリと強く掴みながら低く重い声で制止する。あまりの変化にトクマとルフレは驚いた。
トクマ「そ、それならせめて……」
ルフレ「……これでなんとか」
ファルコン「う〜〜ん……」
ルイージ「まぁ、ギリギリ認めようかな」
せめてものの足掻きで度数が比較的小さい泡盛(度数60)で承認できるよう説得した。
マリオ「待て待てお前ら」
リンク「その前に何か一言だろう」
ルフレ「ああ、そういえば……どうしたトクマ?」
マリオとリンクの言葉で思い出すルフレ、しかしトクマの様子が挙動不審になってる事に気付いた。
トクマ「口上が思いつかん……」
ルフレ「なんだ、こういうの苦手なのか」
トクマ「騒ぐのは得意だけどこういうのはあまりやったことがないんだよ……」
意外な部分に驚きながら頭に抱えるトクマをしばらく見つめる。
ルフレ「他の人の口上を参考にしたらどうだ?」
トクマ「参考……あんなのが?」
見るに耐えかねたルフレがトクマに言うとトクマは指を指す。指を指した方向をルフレが見るとそこには——
深雪乃「今年こそ結婚したい!!」
ルフレ「……すまん」
——婚活宣言をする女性がいた。飲み会で堂々と言うような事じゃないよね!?
深雪乃「別にいいでしょナレーション! 私は公式で出会いを求めて山から下りてきた設定なのよ! おかげで『婚活おばさん』という不名誉ネームがつけられたんだから!!」
まぁ、実際に彼女を操作する際にチャットで『婚活中だよ♪』と喋るセリフがあり、そこから上記の不名誉ネームがつけられたのだ。また、一部のプレイヤーから『行き遅れ』とも言われている……ひでぇ……
深雪乃「素敵な殿方に出会えると思っていたのに……うぅ……行き遅れたくないのに……」
ピーター(手遅れだな……)
アリス(手遅れだね……)
ミクサ(……ん……手遅れ……)
マリオ(剣の道を極めると同時に自分の夫になってくれる男性を探してるみたいでな……昔話の雪女で正体を隠した雪女が結婚した夫と自分の子供と幸せに暮らしてる描写があって……ようはあんな感じに憧れているらしい)
ルフレ(……難しいな……)
ルフル(……見た目はまだ若いですが……結婚できるかと言われたら少し……)
トクマ「実年齢では手遅れだな。あ、でも年上好きがいたらワンチャ——」
深雪乃「氷のように冷たく! 鋭く!」
トクマ「イッタァァァァ!?」
本音を隠さないトクマの眉間に氷の柱が突き刺さった。スコォン、と何処か気持ちの良い音だったのは知らなくて良い事である。
大和「お前、思った事を口にする事を自重したらどうだ?」
トクマ「……できたら……苦労しない……」
マーク(女)「大丈夫ですか? 見た目がシャア専用ザクみたいになってますよ」
トクマ「……周りがブレて見えるけど問題ない」
エゴ「問題しかないですね」
呆れるルフレと心配するマーク(女)に足を子ジカのように震わせながらも大丈夫だと伝えるトクマ……様子だけでも大丈夫じゃないように見える……
その後も深雪乃に続くかのように欲望を暴露するかのような口上を言う人が現れた。
黒子「お姉様! 黒子と結婚してください!!」
美琴「できるか!!」
ルフレ「あと、お前は未成年だろ! 参加するな!!」
未成年なのにオトーリに参加し、酔った所を美琴に介抱してもらおうと画策する黒子。
シュネー「お姉様! 付き合いを前提に結婚してください!!」
美侯「お前もかよ!!」
美琴「しかも逆になってるし……あなたも大変ね……」
サンドリヨン「……美琴さん……」
黒子と似たような事を言ってスピリタスを瓶に注ぐシュネーと自分と同じ悩みを抱えた者同士共感する美琴とサンドリヨン。
ロビン「ガラスの姫君! 結婚を前提に私と付き合って下さい!!」
サンドリヨン「……ふぇうわぁ!?」
トクマ「えぇえぇぇぇぇぇぇ!?」
中原「テメェもかっ!!」
そしてサンドリヨンにプロポーズするロビン……まさかの人物に周りが騒然とした。
シュネー「ムゥ……お姉様を狙う輩がまた一人……」
マリオ「マジか! サンドリヨンとは初対面だと言うと一目惚れってところか!!」
ロビン「はい、彼女に一目惚れしました」
シュネーがサンドリヨンを狙うライバルが増えて不機嫌になるもマリオの言葉に答えるロビン。
ゼルダ「いきなり言うなんて相当自信があるようですね」
ロビン「いえ、彼女には私の気持ちを知っておいた方が良いと思って言いました」
リンク「随分ストレートだな……」
ロビン「承知の上です」
ゼルダとリンクの言葉に爽やかな笑顔でロビンは答えた。
サンドリヨン「……えっと……ロビンさん……私は……」
ロビン「ガラスの姫君……今は答えなくて良いです……私は自分の気持ちを伝えたくて会ったばかりの貴女に話した。迷惑だと思いますがお許しください」
サンドリヨン「いえ、その……考える時間をよろしいでしょうか? いきなりお答えするのは難しくて……」
ロビン「構いません。貴女の返事をいつまでもお待ちしております」
サンドリヨンの言葉に快く頷いたロビンをシュネーは忌々しく睨み、トクマはその様子に苦笑した。
ピーチ「さぁ、恋のデッドレースに乱入者が来ましたけど更に加速して四角関係になりました!! いかがでしょうか実況のトレ子さん!!」
トレ子「従順妹系のシュネー、ストレートイケメン系のロビン、ヘタレフツメン(笑)系のトクマと目が離せません!!」
トクマ「二人とも何やってんだよ。あと、ケンカ売ってるよなトレ子」
いつの間にか折り畳み出来る長方形のテーブルとパイプイスを用意してプロレスの実況席よろしくにサンドリヨンを巡る恋愛関係を楽しんでいるピーチ姫とトレ子に呆れるトクマ。
トレ子「失礼、ヘタレフツメン(爆)系でしたね」
トクマ「おまえ、後で屋上来いよ」
ロビン「なるほど……貴女もガラスの姫君の事を……」
シュネー「……やはり始末するべき……」
トクマ「落ち着け、その槍を床に置けシュネー。だいたいあの二人が勝手に言ってるだけで——」
ロビンとシュネーが何故かトクマをライバル視しはじめ、その誤解をトクマは解こうとする。
アリス「とはいえ、クマちゃんが一歩リードなのは確かだね」
ピーチ「それは何故でしょうか? 特別ゲストのアリス&ピーターさん?」
ピーター「何故ならクマの旦那は——」
トクマ「おっと手が滑ったぁぁぁ!!」
しかし、謎のゲストとして説明しようとしたアリスとピーターをトクマは飲み会でツマミを食べる為のフォークやナイフをピーターとアリス、トレ子に向かって投げるも避けられた。
トクマ「……ちぃ、外したか」
シュネー「……何か隠してない?」
トクマ「いやいや隠してねぇよ! 第一にオレは——」
『何故立ち上がるんだい』
ジト目で睨むシュネーをトクマは説得しようとした瞬間に後ろからトクマにとってもルフレにとっても忘れられない声が聞こえ、ギギギ、と油のきれたロボットのような動きでトクマが振り向く。
そこには、簡易的な試写会で子供組と純粋組、他の作者様のキャラ達が映る映像を映画を見るかの様に見ていた。映像には筋骨隆々な老婆が自身の手でボロボロにされた男性が諦め悪く立ち上がっている映像が流れている。
ロビン「……誰でしょうか?」
シュネー「……スカーレットさんの祖母であり、私達『灰かぶり』の最高責任者であるグランマ司令官……映像だけど一体、誰と戦って——」
トクマ『そんな事もわかんねぇのかクソババア』
ボロボロの男性——トクマがゆっくりと斧をグランマに構え始める。その映像を見たトクマは顔色を青くし、映像を映し出してる装置を止めようと動くも横から幽香にドロップキックからのキャメルクラッチで止められた。
幽香「まぁまぁ落ち着きなさいよ」
幽々子「おもしろそうだからもうちょい待ちましょう」
トクマ「離して! マジで離して!!」
トクマ『傷付いても……蔑まれても……世界より……自分より……女の子一人……泣いてるなら戦う……それが“ヒーロー”だろうが!!』
しかも映像が見えるようにキャメルクラッチされたので顔を背ける事ができず、トクマは目の前の黒歴史を見ることしか選択肢が残されてなかった。
幽香「どうやら見せ場のようね」
グランマ『現実を見てない小僧が……その想いと共に散りな!!』
トクマ「後生だから! 後生だからやめてぇェェ!!」
トクマの必死な声も届かず、映像のトクマは大音量で叫んだ。
トクマ『今は亡き(レイト)——復讐!!』
トクマ「」
幽香「あら、息絶えたわね」
ドレディア「……ディア……」
その言葉を聞いた瞬間にトクマは力なく倒れ、自爆に巻き込まれた武道家のようなポーズになった。
……ヤムチャしやがって……
マリオ「この戦いがあって以来、グランマの婆さんはトクマの事を気に入ったそうだ」
ルキナ「ルフレさんも戦いましたから覚えてますよね」
ルフレ「覚えてるよ……あのバアさんとは二度と戦いたくないが……人間じゃなくてターミネーターだと言われた方がまだ納得いくぞあの強さは……」
ルキナの言葉にルフレはトクマと戦ったグランマを思い出して苦虫を噛んだような表情になる。
ロビン「やはり恋のライバルですね。俄然、燃えます」
シュネー「……今ではなく、隙ができたらやるべきか……」
トクマ「……さっさところせよ……」
ロビンとシュネーの言葉にトクマは力なく返答した。
影無「げ、元気だしてください」
妖夢「かっこよかったですよ」
トクマ「……知ってるか……親切は時に人を傷付けるんだぜ……想いが強くなりすぎて勢いで言っちまったんだ……なんだよ『今は亡き復讐』って……中二病全開ネームじゃねぇか……もはや黒歴史だから見たくなかったんだよ……あの試合の映像が翌日に売られ始めたんだぞ……黒歴史拡散って……死にたい気分だよ……」
影無と妖夢の励ましも逆効果になって余計にへこんだトクマ。その様子を見てギャグカオス組の面々は互いの顔を見合わせて頷き、トクマの肩を軽く叩いた。
ピーター「元気だせよ。今は亡き復讐」
アリス「そうだよ。今は亡き復讐」
ネス「良いことあるって、今は亡き復讐」
ブラピ「気にするだけ無駄だぞ。今は亡き復讐」
ルキナ(ゆ)「悪くないですよ。今は亡き復讐」
深雪乃「……」(同類を見つけたような目でトクマの肩に手を軽く置く)
トクマ「テメェら、オレをイジメて楽しいか!? それと深雪乃さんは『仲間を見つけた』みたいな目で見るな!!」
身内及びゆめひめさんのルキナからの死体蹴りに容赦なく襲いかかれているトクマを深雪乃が同類を見つけた目で頭に手を置く。
やめて! トクマのライフはもう0よ!! まだ続きますぜ!
- 混沌の宴! その名はオトーリ!! ( No.179 )
- 日時: 2017/06/11 20:03
- 名前: トクマ (ID: Jhl2FH6g)
いつからカオスが始まっていないと思った……?
マリオ「さて、気を取り直してオトーリの続きだ」
リンク「口上を言ってないのはもうお前らだけだからな」
トクマ「ウソだろ!? 結局考えられなかった!!」
ルフレ「……改めて自己紹介でもしたらどうだ? 新参ファイターがいることだし」
トクマ「その手があったか!!」
マリオとリンクの言葉に飛び起きて焦るもルフレの助言を素直に受け取った。
トクマ「じゃあ、名前と趣味と好きな名言あたりでも言っておくか」
ルフレ「それで充分だろ」
マリオ「それじゃあ、口上を述べてくれ二人とも」
トクマ&ルフレ「はい」
マリオに促されるままままにトクマとルフレは瓶の前に立ち、口上を述べた。
ルフレ「え——……」
ルフレ「俺はこのスマッシュブラザーズのおかげでずっと嫌いだった『トクマ!!』の魅力に気付きました」
ルフレ「最初は流されて始めた『アニメとゲーム!! 特に仮面ライダー!!』も今では良いものだと思っています」
ルフレ「これからは一層努力して自分から『俺にはお前が必要だ!!』と言えるように頑張りたいと——」
ルフレ「ふざけんなコラァ!!」
トクマ「ごぶぁっ!!」
すいません。トクマが緊張のあまりルフレの言葉を狙ったかのようなワードで打ち込んでいるんですが……これだと腐ったヤツら大喜びのワードになるんですが!!
流石にルフレもこれにはキレ、手に持ってた魔導書をトクマの眉間に目掛けてフルスイングし、突き刺さってシャア専用ザクが再来した。
トクマ「テメェ何しやがる!!」
ルフレ「それはこっちの台詞だ!! 最後の方は悪意あんだろお前!!」
トクマ「失敬な! 仮面ライダーオーズの相棒であるアンクの名言なんだぞ!!」
ルフレ「知るか!!」
マリオ「なかなか良いスピーチだったな」
リンク「まさか、【二人の距離が縮んでいく経緯】を語るとはな」
……この二人は仲が良いのか悪いのか……
だぷん、気のせいかそんな音が聞こえそうなくらいコップ一杯に注がれたお酒にルフレとトクマは冷や汗を流しながら見つめる。
マリオ「さて、全員酒はあるな?」
トクマ「ここまでたっぷり注がんでも……表面張力全開じゃねぇか……」
ルフレ「せめて量を少しでも減らさねぇと命に関わる……こうなったらイチかバチか」
トクマが並々注がれたコップを見ながら考えているとルフレが提案する。
トクマ「策があるのかルフレ!」
ルフレ「あぁ……多少強引だが……酔っ払ったフリをして中身をこぼす!!」
ルフレの言葉にトクマはまるで雷を打たれたような衝撃を受けた……いや、その方法はバカでも思い付くよ!
トクマ「よし、それで行くか」
ルフレ「上手くやれよ?」
トクマ「お前もな」
小さく呟いた瞬間に二人は弾かれるように別れ、千鳥足でバックする。
トクマ「おっとっとっと……」
ファルコン「おいおい」
ルフレ「いや〜酔っちゃったなぁ」
ルイージ「気をつけなよ」
すぐさまファルコンとルイージに支えられ、急いでコップを見るもだぷん、という音が聴こえる程注がれたままだった。
ルフレ「ただの一滴も……ッ」
トクマ「こぼれていない……ッ」
ファルコン「まだ飲んでいないのになぁ」
ルイージ「雰囲気に酔ったのかな?」
何かしらの力が働いて液体がこぼれなかったとしか思えない事実に膝をつく程のショックを受けるトクマとルフレの様子をファルコンとルイージは笑う。
マリオ「それじゃあ急いで飲むぞ」
リンク「中身が減っちまうからな」
トクマ「何を言ってるんだあの人らは」
ルフレ「その減らすのに俺たちは策を労して——」
リンクの言葉に眉を潜めながら液体を見た瞬間に二人は固まった。何故なら、コップのお酒が先程確認した時の量より4㎝程減っていた。
……蒸発してるぅぅぅぅぅぅッ!?
一瞬、こぼしたと思ったが周りにはこぼれた跡が無い上に先程見た並々注がれたコップの記憶がまだ残っていた。
ルフレ「こ、これを飲めと言うのか!?」
恐怖するルフレだが、現実逃避でスマホをいじっていたトクマが急にルフレの肩を叩いた。
トクマ「悲観する前にこれを見ろルフレ! スマホで調べたら正しいオトーリの作法が載ってた!!」
ルフレ「なんだと!?」
……つまり、これを見せれば……この飲み方から解放される!!
天の助けと言わんばかりの情報に二人はマリオとリンクに声をかける。
ルフレ「マリオさんリンクさん見て下さい!!」
〜宮古島特有! オトーリとは!〜
①親になった人が口上を述べて一気飲み
②その後、全員が順番に一気飲み
③最後に親が再び一気飲み
④親が後口上を述べて次の親に交代
⑤①〜④を人数分リピート
マリオ「なるほど」
リンク「という事は……最低30回ぐらいは乾杯する必要があるな」
ファルコン「そうなると酒が足りなくないか?」
ルイージ「この辺のも全部いれようか」
ルフレ(無言でトクマに往復ビンタ)
トクマ「こうなるとは……っ! 予想外だった……っ!!」
状況が悪化し、もはや腹をくくるしかなくなった事に二人は覚悟を決めてコップのお酒を飲んだ。
〜三十分後〜
トクマ&ルフレ「ウェーイ!」
『いいぞお前ら!』
『流石俺達の後輩だ!!』
一言でカ オ ス !! オトーリで並々注がれた酒を飲むメンバーが酔い始めて場が騒がしくなっていく。愚痴を漏らすもの、泣き上戸になるもの、転がった鉛筆を見て笑うもの、見れば見る程カオスである。
ルフル「あっという間に見慣れた光景に……」
かぐや「楽しそうですわね」
ルフルの呆れた言葉に酒を両手で持ったかぐやが微笑みながら答える。
マリオ「む!?」
リンク「どうした?」
急に険しい表情になったマリオをリンクが質問する。
マリオ「酒が切れた」
トクマ「もうですか!? 発注ミスでは!?」
シネレッタ「そりゃあんな飲み方してたらね……」
マリオとトクマの言葉にまだ酔っていないシネレッタが呆れながら言う。
マリオ「トクマ、ルフレ、すまんが酒を取りに行ってくれるか? 酔いさましにちょうど良いから」
中原「オレも行っていいか? 少し外の空気を吸いたい」
レオナルド「ボクもいいですか?」
ロラン「私もよろしいですか?」
椛祢「わ、私も……」
清光「主が行くならついてくー!!」
マリオの言葉に中原、レオナルド、ロラン、椛祢、清光が少し外の空気を吸おうと提案した。しかし、トクマとルフレはどこかポケー、と茫然としていた。
椛祢「あの、お二人とも酔ってるんじゃ……」
マリオ「大丈夫だ。おーい、ルフレとトクマ!」
トクマ「……んあ?」
ルフレ「……なんですか?」
椛祢の心配にマリオが軽く答えるとトクマとルフレに声をかけた。
マリオ「先程電話があって——
——グランマがこっちに来るってよ」
トクマ&ルフレ「イぃぃぃぃやァァぁァあぁぁぁぁぁァァァァァァァァァ!?」
五人「!?」
マリオの言葉に二人が急に悲鳴を上げながら頭を抱えて膝をついた事に五人が驚く。
マリオ「ま、ウソだけど」
トクマ&ルフレ「心臓に悪いわ!!」
マリオの言葉に二人が食い気味にツッコミをいれた。その様子から酔いが覚めたように見える。
マリオ「すまんすまん。酒を取りに行くついでに五人を案内してやってくれないか」
ルフレ「わかりました」
トクマ「次からその冗談は止めてくださいよ……寿命が何年あっても足りないんですから」
そしてトクマとルフレは五人を連れ、酒を保管している場所に行く途中まで中庭に案内する。
レオナルド「あの……グランマさんってどんな方ですか?」
椛祢「それ、私も気になりました」
清光「映像を見た感じ、かなりの場数を踏んでるよね」
移動中にレオナルド、椛祢、清光の三人がオトーリが始まる前に見た映像に映っていた歴戦の戦士の風格を持った老婆が気になり、二人に質問した。
トクマ「どんな方って……」
ルフレ「そうだな……」
しばらく考える二人。そして考えがまとまったのか、口を開いた。
トクマ「女版ブロリー」
ルフレ「ラオウの女性バージョン」
椛祢「いや、戦闘力って意味じゃなくて人柄を説明できますか?」
ある意味間違いじゃない答えに椛祢が苦笑しながら訂正すると違う答えを出していた事にルフレが気付いて言い直した。
ルフレ「あ、そっちか。性格は竹を割ったような豪快な人だ……スカーレットに暗殺術を教えた親でもあるな」
トクマ「自分の技術をサンドリヨン達に教えるのと同時に前線でもいまだに活躍中の婆さんだよ」
中原「……スカーレット?」
トクマ「あれ? 会ってなかったっけ? ほら、赤い頭巾をかぶった銀髪ショートのメガネ女性……赤ずきんのスカーレット」
中原の疑問にトクマが身ぶり手ぶりで説明する。
ロラン「彼女がですか? しかし、童話の赤ずきんって確か赤い頭巾を被った少女と……」
トクマ「気持ちはわかる。けど本人の前では言うなよ……年上に見られてる事がコンプレックスだからよ」
ロランの言葉にトクマがどこか経験があるような言い方で注意する……数人がトクマの様子を見て『あ、こいつうっかり言ってひどい目にあったんだな』と察したのは余談である……
話してる内に中庭にたどり着き、トクマとルフレは五人と別れて酒を保管している場所まで歩いた。
トクマ「こんなもんか」
ルフレ「さっさと戻るぞ……ん?」
酒を運んでいる最中に前方からNo@hさんとピットがこっちに走ってきた。
ピット「あ、いました!!」
トクマ「どうしたんですか?」
No@h「良かった。中原さんこっちこっち」
トクマが首を傾げると中原が能力で誰か二人を浮かしながら運んできた。その二人はソワールとヴィクレーゲンであった。
トクマ「……」
ルフレ「……何があったんだ」
酒によってダウンしてた二人に疑問を持ったルフレが説明を願う。ピットの説明によると残り少なくなった瓶の酒にマリオ達が自分達のお気に入りの酒を入れて場をしのごうとした瞬間に瓶の酒と自分達の酒が化学反応的な現象を起こし、辺り一面に強力な酒気を広範囲に拡散したのだ。
その結果、先程より強いカオスが生まれ、動ける人物は迅速に動いて倒れたメンバーを運んでその場から避難したそうだ。
トクマ「なるほど……ものすごく行きたくないんだが」
ルフレ「わかるけど言うな。被害状況はどうなってる?」
中原「休憩で外に出てた俺を含む五人と別の部屋で菓子やジュースを飲み食いしてたNo@hさん率いる子供及び一部の純粋組、後は酒の耐性が非常に強いヤツ以外が全滅だ」
ピット「ボクは周りが騒がしくて別の部屋で飲んでいました……来る途中に当麻さん達が少しだけ酔ってました」
ルフレ「恐らく酒気に当てられたようだな……わかった。ピットは二人を医務室に運んでくれ」
ピット「はい!!」
ピットの説明にすごく逃げたい衝動に襲われるトクマ。ルフレはピットに二人を医務室に運ぶように伝えた。
No@h「私は子供組の方に避難しとくね」
トクマ「お願いします。あいつらが酔っぱらって来る場合やカオス組を押さえて下さいね」
No@hさんの言葉にトクマとルフレが頭を下げ、No@hさんは子供組と純粋組がいる部屋へと歩いていった。
その後ろ姿を見ていた中原にトクマが首を傾げながら質問した。
トクマ「……避難しなくていいんですか?」
中原「乗りかかった船だ。それに安全の保障は少ないんだろ?」
ルフレ「……そうだな……」
トクマ「さて……いきますか」
中原の言葉に一理あると判断した二人は覚悟を決めて宴会場へと歩き始めた。
次回、混沌の宴(レベル98)に突・入!!
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