二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ラーメンと恋罵女と思い出 ( No.215 )
- 日時: 2017/07/10 18:35
- 名前: トクマ (ID: AdHCgzqg)
お・ま・た・せ・☆
NL期待(?)のデート回だゼェぇぇ!!
コメディ『シリアスは置いてきた。ヤツはこの先ついて行けないからな』
それでは、どうぞ!
——トクマは女の子と一緒に街を歩いていた。
服装はいつもの赤ジャージとジーパンではなく、防御力がゼロのオシャレな服装。
トクマの隣には淑やかな令嬢とも呼べるような美少女。その正体はサンドリヨンだが、憂いの表情をしている点を除けば美少女と完璧に言えた。
トクマ&サンドリヨン「……………」
二人の間に会話はない。
無理矢理マリオが作ったデート。それはサンドリヨンが自分を卑下することをやめさせること———自信を付けさせる特訓のようなモノであった。
以下、前回の回想である。
トクマ『はぁ!? もう一度言うぞ! ハァ!?』
チェネレントラ『何故そうなりますの!!』
マリオ『これには理由が二つあってな……一つ目はサンドリヨンの精神を回復させる為だ』
アリス『……あれ? それなら、私やヴィッちゃん、シレネンのような同性の方が接しやすくない?』
マリオ『それが二つ目の理由だ……お前はオレ達の中で一番顔バレが少ない』
トクマ『いや、オレも戦ったからバレてるんじゃ……』
マリオ『お前が戦ったのはハスターの時だ。周りから見ればどんな姿か不特定になっている……シュネー達を選ばなかったのはわかってるだろ?』
ロードピス『……アナザーキャスト……もう一人の自分がいるなら、簡単にバレてしまうからか』
マリオ『そうだ。その点、トクマのハスターは姿が定まっていない……あの大聖ってヤツが知っていても、アシェンプテルには【トクマがハストゥールの鍵を使用した時に自分が見えた姿】という考えが捨てきれないからブラフとして役に立ってる』
チェネレントラ『……悔しいですが、一理ありますわね』
マリオ『相手がこっちを警戒でき、なおかつサンドリヨンを護衛できる人物はお前しかいない』
ロードピス『アタシからも頼むよ。サンドリヨンは一人で無茶をする所があってさ……今のアイツは危ないから一緒にいるといないとでは大きく違うんだ……シュネーヴィッツェンには秘密にしとくからさ。頼む!!』
チェネレントラ『……納得いきませんが、サンドリヨンが元気な姿に戻せるのならば今回は目をつぶりますわ……ただし、今より酷くなればわかっているのでしょうね……?』
アリス『クマちゃんファイトだよ!』
トクマ『……あぁ、もう! わかった! わかったよ! その代わり期待はするなよ本当に!!』
ピーチ『そうと決まれば、早く予習をしないといけないわね』
トクマ『どっから出てきた!?』
ピーチ『ほらほら、早く貴方の部屋に行くわよ! 恋愛予習のDVDを用意したんだから早く見て学びなさい!』
トクマ『……猫の恩返し、もののけ姫、崖の上のポニョ……全部ジブリだろうが!! 他にはないのか!! 逃げ恥とか! 逃げ恥とか!』
ピーチ『私をなめないでちょうだい……紅の豚があるわ!!』
トクマ『耳をすませばぁ!! せめてコクリコ坂、用意しろよ!!』
ピーチ『バカ言わないで! 紅の豚ほど大人の恋愛を描写したものはあると思う? いえ! 断じてないわ!!』
トクマ『はんっ! 耳をすませばの方が恋愛描写を濃く写して青春らしい甘酸っぱさがあるだろ!!』
トクマ&ピーチ『………………』
トクマ&ピーチ『ちょっと表に出ろやゴラぁ!!』
その後、早朝までジブリ討論会が始まって続けざまにオシャレ会議、デートプランの練り合わせが行われてトクマは二時間しか眠れなかった。
なお、忠告したにも関わらず自分が所在する医務室に来なかったトクマをクレイジーハンドという名の破壊神がキレてメスの手入れを念入りにしている事は知るよしもない。
トクマ「…………」
サンドリヨン「あの、大丈夫ですか?」
目に少しだけクマが出来てるトクマを心配するサンドリヨンだが、トクマは気にしないように答える。
トクマ「気にするなサンドリヨン。少しばかり楽しみで眠れなかったんだ」
サンドリヨン「……はぁ……?」
疑問に首をかしげるサンドリヨンを見て、トクマは意識を切り替えた。
……ようするに、親しい人と出かけるってことで良いんだよな?
覚悟を決めた直後に力ない音が耳に入った。振り返ると顔を少し赤らめたサンドリヨンがいた。どうやら先程の力ない音は腹の虫が鳴ったようだ。
サンドリヨン「え、えっと、その、あの……」
トクマ「……サンドリヨン……」
誤魔化そうとするサンドリヨンをトクマは手で落ち着かせ、とある一店を指差した。
トクマ「ラーメン、食いに行こうぜ!」
めっちゃ周りからモンスターボール投げられた。
その様子を見てたアリス、ロードピス、チェネレントラ、ピーチ、ルフレ、ルキナがトクマの発言にモンスターボールやスーパーボール、サファリボールを投げ当てる。マリオが投げたハイパーボールは特にヤバかった。現にマリオのハイパーボールはトクマの後ろにある壁にクモの巣状のヒビを作り、そしてヒビの中心に深く突き刺さっている。
トクマが他のメンバーからのボールを避けてマリオのハイパーボールが当たったら、今頃デートは中止になっていただろう。
ピーチ「初デートに! ラーメンは! 流石にダメでしょ!! センス無さすぎよ! 土に還れ!!」
……ボロクソ言われた。解せぬ。
内心、何故言われたのか首をかしげるトクマだが、とにかくデートにラーメンは間違いということはわかったので、言い直そうとする。
サンドリヨン「だ、大丈夫ですか?」
トクマ「大丈夫……やっぱり喫茶店にする?」
トクマの言葉にサンドリヨンは悩む様子を見せた。その様子にトクマは疑問に思うとサンドリヨンは様子に気付いて答えた。
サンドリヨン「その……ラーメンじゃ、ダメですか?」
トクマ「……え……?」
サンドリヨン「……食べたことがなくて」
そして、サンドリヨンの要望あってラーメンにする事になったのだがいつの間にかマリオ達がいなくなっていた事にトクマは不安を感じつつもラーメン屋を歩きながら探した。
トクマ「んじゃ、あそこのラーメン屋にするか」
トクマが指さした方の店へと二人は並んで歩く。店内から人の声が聞こえないので、空いているようだ。二人にとっては都合の良い。
トクマは店内の扉を開けて中に入った。
トクマ「すいませーん」
リンク「へい! へいへいへい! らっしゃい!!」
——ハチマキを頭に巻いたリンクが出迎えた。
トクマ「んんッ!?」
リンク「二名様ご来店!」
ゼルダ「ご案内いたします」
今度はゼルダが登場。というか裏方に人の気配が多数あり、トクマは全員がグルだと気付いた。
サンドリヨン「……やたら声が大きいですね。あの店主さん」
トクマ「え?」
……気付かないのか?
絶句。リンクたちも絶句していた。凝った変装ならまだわかるが、リンクがやった変装はハチマキとチョビ髭を付けただけ。ゼルダに至っては三角巾にエプロンだけという前頭部以外はすっぴんスタイル……これに気付かないなんて……気付かない方がおかしい。
サンドリヨンの発言に戸惑っていたが、ゼルダはすぐに切り替える。
ゼルダ「お冷やです。どうぞ」
トクマ「ゴリ押す気か……その前に聞きたいことがある……どうやったこの状況」
小声でお冷や(飲み水の事)を運びに来たゼルダに尋ねると——
ゼルダ「……………今日のオススメは——」
トクマ「おいマジで何したお前ら」
まるで見てはいけないモノを見てしまったような気持ちになり、トクマは暗い表情で肩を落とした。
サンドリヨン「ど、どうしました……?」
トクマ「いや、何でもない……注文はどうした?」
サンドリヨン「そ……その……どれを頼めば良いのか分からなくて」
トクマ「あー、すまん。じゃあ、頼むか。すいませーん!」
サンドリヨンが注文の仕方が分からなくて困っている事に気付いたトクマは店員を呼んだ。
アスナ「それでは! ご注文をどうぞ!」
トクマ「俺は普通のラーメンで。サンドリヨンは?」
サンドリヨン「私もそれで」
トクマ「じゃあラーメン二つで」
店員に変装した(トクマにはバレバレの)アスナに注文を伝えるとアスナは店に響き渡る声量で言いながら、去っていった。
アスナ「はい! かしこまりました! 永劫無極の王麺二つお願いします!」
トクマ「ちょっと待てバカ!?」
訂正。とても危なげな注文をした変隊二号。当然トクマは立ち上がって止めるが間に合わず、せめてものの足掻きでメシウマ組に期待する……
マスター「おっしゃあ! 作るぞお前ら!」
さくら&リン「お任せ!!」
もう……手遅れのようだ。
カウンターにさくら、リン、人間に化けたマスターハンドと料理に関して未知数のメンバーが並んだ。
さくら「麺入れるよ!」
さくらが器に入れた麺、それはそれは伸びきったネチャネチャの麺だった。
リン「スープ入れましたわ!」
リンが器に注いだスープ、それはそれは鋼のような銀色の光を発光させるスープだった。
マスター「神の一手入りまーす」
マスターハンドがトッピングをすると、それはそれは綺麗なラーメンに仕上がった。
マスターハンド&さくら&リン「完成!!」
アスナ「お待たせしました!!」
トクマ「食えるかああああああああァァァ!!」
料理の行程が明らかに食べてはいけないラーメンであった。
トクマ「ツッコミ所が多過ぎるわ! 麺はお湯に浸し過ぎてネチョネチョになってるし! スープの色絶対おかしいだろ!? そして何でお前のトッピングでラーメンがあんな風になるんだよ!?」
リンとさくらの料理の腕に関しては酷かった。そしてあの酷い有り様をここまで回復させるマスターハンドの料理の腕はまさに神の一手だった。
マスターハンドがトクマたちの前に姿を見せる。
マスターハンド「味に関しては保障できるけど、栄養素に関しては全く保証できないよ」
トクマ「お前がそれ言うと完全に駄目なヤツじゃねぇか!?」
アスナ「馬鹿だねトクマくんは……」
アスナはフッと笑みを浮かべながら告げる。
アスナ「例えキリトくんの手作り料理に毒を入れる行程があっても、私は喜んで食べれる! いや、食べきってみせる!! 栄養素なんざクソくらえだ!!」
トクマ「バッカじゃねぇの!!」
アスナの言葉にキレ気味に怒るトクマ。余談ではあるが、ラーメンは非常に美味しかったそうだ。
ヘイ! まだまだ続くよ!
- ラーメンと恋罵女と思い出 ( No.216 )
- 日時: 2017/07/10 18:41
- 名前: トクマ (ID: AdHCgzqg)
サンドリヨン「ラーメン、美味しかったですね」
トクマ「……そうだな」
満足そうな表情をするサンドリヨンとどこか納得がいかない表情をするトクマがラーメン屋から出て、しばらく歩いていた。
ピーター「あ、いたいた二人とも!」
その時、ピーターが急いだ様子で二人の前に現れた。
トクマ「どうしたピーター?」
ピーター「マリオから連絡が来たんだ! アシェンプテルが持ってた水晶の名前がわかったんだって!」
ピーターの言葉に二人は衝撃が走った。
トクマ「本当か!?」
ピーター「ああ! ついてきてくれ! 今すぐに案内し——」
案内しようとピーターが二人を見ようとした瞬間、トクマがピーターに蹴りを繰り出した。
サンドリヨン「トクマさん!?」
ピーター「おいおい、あぶねぇな! いきなり何すんだよトクマ!!」
トクマ「……下手な演技やめろ。バレてるぞ」
いきなりの行動に驚くサンドリヨン、紙一重で避けて文句を言うピーターをトクマは目付きを鋭くして冷静に指摘した。
ピーター?「……何故、わかった?」
トクマ「全然わからなかったよ……だからこそ、疑ったんだ。サンドリヨンを危険に晒すわけにはいかないから、疑ったら素早く蹴りを打ち込むという蛮族顔負けの思考で行動してんだよ」
ピーター?「キチガイ思考の間違いだろ」
トクマ「それに……ピーターはトクマって呼んでたけどある日を境に『クマの旦那って呼ぶ事にするぜ!』と本人から聞いたんでね……いきなり呼び方を変えるなんて怪しいだろ?」
トクマに指摘された瞬間、さっきまで人懐っこい雰囲気だったピーターが氷のような冷たい雰囲気にガラリと変わり、トクマを風で弾き飛ばす。
ピーター?「ようはオレ様の情報不足か……ふ……ふふ、フハハハハハハハ!!」
高笑いと同時にピーターの周りに風が集まり、暴れるように唸り、ピーターの姿を変えていく。金に近い茶色だった髪は灰色に染まり、緑色が主体の服は赤色と黒が主体の服になっていく。
やがて暴風がやみ、ピーターと瓜二つの人物が姿を見せた。
トクマ「アナザーキャスト……!」
ナイトメア「紹介に遅れたな……我が真名はナイトメア・キッド……終わらない悪夢の中で悶え苦しめ!!」
見破ったとはいえ、まさか変装して近付いてくるなんて思わなかったトクマは内心焦り始める。不意にサンドリヨンを見るとひゅー、ひゅーと喉がなり、激しく上下する肩、だらだらと汗をかき、体が震えて今にも崩れ落ちそうな様子を見て、嫌でもわかってしまった。
……やばい、過呼吸だ。
トクマ「サンドリヨン。吸ってばっかでちゃんと息はけてないだろ、落ち着け。そんで声が聞こえてるならこっち見ろ」
そういうと、サンドリヨンはゆるゆると顔を少し上げ今にも泣き出しそうな揺れる目と目があった。
トクマ「背中叩いてやるからそれとオレの呼吸に合わせろ」
トントン、とテンポよく背中を叩きながら自らも聞こえるように深々と呼吸を繰り返すとだいぶ落ち着いてきたように思える。
サンドリヨン「っはー、ぁ、ひゅ、はーっ……」
トクマ「ちょっとは落ち着いてきたな」
サンドリヨンを宥めながら、ナイトメアを警戒するトクマ。しかし、内心は穏やかではない。
……とりあえずサンドリヨンは落ち着いたけど事態は好転していない……それどころかアイツがアシェンプテルを呼べば事態はさらに悪化する……何とかサンドリヨンだけでも逃がさないと……
ナイトメア「しかし驚きだな……やはり、孤独のままに行動したのは真理だったな」
トクマ「……お前はペアで行動していないのか?」
ナイトメア「……何やら誤解しているようだが……オレ達はガラスの悪女とは協力していない」
ナイトメアの言動に疑問を覚えたトクマが質問するとナイトメアは銃を構えながら答えた。
トクマ「……どういう意味だ?」
ナイトメア「ガラスの悪女はそこにいる純白のガラス姫の居場所を望み、暗黒の侍は強者との闘いを望み、虚実の猫女は破滅の悪戯を望み、お前の所にいる炎を司る少女の現身は和平を望む……ようは利害関係で協力してるにすぎない」
……言葉の意味があまりわからないけど恐らくガラスの悪女と純白のガラス姫はアシェンプテルとサンドリヨン、暗黒の侍は闇吉備津、虚実の猫女は誰かわからないけど炎を司る少女の現身はリンだろうな……
動こうとした瞬間、ナイトメアの銃から弾丸が飛び出し、トクマが動こうとした位置に着弾した。
ナイトメア「ちなみにだがオレ様の望みは“悪夢”……お前達がオレの好きな悪夢によって苦しむ姿を見せる事が望みだ」
不敵な笑みを浮かべてトクマとサンドリヨンに照準を合わせるナイトメア。先程の牽制でナイトメアの実力は自分より上だと理解し、まだ呼吸が落ち着いたばかりのサンドリヨンを護りながら戦うのは厳しいと考え、そして思い出した。
トクマ「……そうかい……残念だな」
どこか悲しい表情を見せたトクマ、その表情にナイトメアは眉間にシワを寄せた。
ナイトメア「まさかそこで過呼吸を起こしていた純白のガラス姫をオレの悪夢から護るつもりか? ……自惚れるな。お前程度にオレは止められない……!」
トクマ「そうじゃねぇよ」
トクマの心意を予想して濃い怒気を撒き散らすナイトメアだが、トクマの否定する言葉に首をかしげた。
トクマ「悪夢を見るのはオレ達じゃない……お前だ」
直後、ナイトメアの体に鎖が巻かれた。
ナイトメア「……なっ!? なんだこれは……ッ!!」
いきなりの出来事に戸惑うナイトメアだが、自身の背後から何かが近付いて来る事を感じ、おそるおそる後ろを振り向いた。
トクマは見落としていた。目の前のナイトメアからサンドリヨンを護る策とアナザーキャストの利害関係に思考が回っていたが、一周回って落ち着きを取り戻し、気付いた。
変装を解いた際に起こった魔力と暴風、牽制の為に撃った銃弾と銃声、それだけあれば彼らはどこからともなくやってくる。
自分達の様子をモニタリングしてた彼らがやってくる。
その事実にトクマは気付かないナイトメアに悲しい表情を向けた。
その正体が、禍々しいオーラとともにやって来た。
ピーチ「ひぃ〜とのこいじのじゃまをするぅ〜」
ベヨネッタ「わ〜るいこは〜」(棒読み)
ゼルダ「ど〜こ〜だ〜?」
……すいません。予想より斜め上の登場なんですけど……
予想より酷い登場に思わずトクマは両手で顔をおおった。
ピーチ、ゼルダ、ベヨネッタは貞子の格好をして左右にゆらゆらと揺れながらゆっくりとナイトメアに近付いている。なお、三人の格好の前面には達筆な筆文字でゼルダは『美乳』ピーチは『巨乳』ベヨネッタは『爆乳』とそれぞれ書かれている……台無しだよぉ!! 日本が誇るホラーがコメディになったよ!!
ナイトメア「……な……なんだあれは!?」
トクマ「他人のデートを邪魔して酷くしたヤツの前に現れると言われ、都市伝説扱いにされてる妖怪……恋罵女だ」
ナイトメア「こいばな!?」
動揺しているナイトメアにこれ幸いとデタラメの情報を伝えるトクマ。無垢なのかそれとも知らないのかトクマのデタラメをそのまま鵜呑みにするナイトメア。
トクマ「アイツらに捕まったら最後、無事ではすまない……一言で例えるなら……そうだな……性別が変わる?」
ナイトメア「それ真理だぞ!?」
トクマ「さあ、お前の好きな悪夢だぞ。ほらどうした。思う存分喜べよ」
ナイトメア「……は、見くびられたものだなぁ……この程度の悪夢……オレを呑み込むには全然足りないぞ!!」
トクマのゲスい笑顔にナイトメアは鼻で笑い、銃をピーチ姫た……恋罵女に照準を合わせようと振り返って向けた。
ピーチ「ひぃ〜とのこいじのじゃまをするぅ〜」
ベヨネッタ「わ〜るいこは〜」(棒読み)
ゼルダ「どぉ〜こぉ〜だぁ〜?」
サムス「どぉ〜れかなぁ〜?」
アリス「あぁ〜れかなぁ〜?」
シレネッタ「こぉ〜れかなぁ〜?」
アスナ「そぉ〜れかなぁ〜?」
美琴「あぁ〜いつかなぁ〜?」
黒子「どぉ〜いつでぇすうのぉ〜?」
ルキナ「そ、そぉ〜いつかなぁ〜?」
ルフル「こ、こぉ〜いつかなぁ〜?」
かぐや「ふふふぅ〜ふぅ〜ふふぅ〜?」
深雪乃「うぅ〜らぁめしぃ〜」
エピーヌ「……………すやぁ…………」
ほむら「ダメよまどか。こんな所でなんて……」
まどか「いいじゃないほむらちゃん〜」
マミ「女性複数人……男性一人……総受け……鬼畜攻め……夏フェス……ネタ……薄い本……厚く……なる……!!」
ナイトメア「なん……だと……!?」
振り向けば、百鬼夜行がありました。
思わずそんなワードが頭に過るが仕方ないだろう。
それぞれ『ヘタ恋』『電波』『魚人』『変隊』『貧乳』『虚乳』『婚活』『安眠』『百合』『貴腐人』等、下手すれば身バレするような達筆な筆文字で書かれた貞子が増えていた……後半に至っては隠す気無いだろお前ら!!
ナイトメア「おい! 今回は見逃すからオレをあの悪夢からたす——いないだと!!」
全員「みぃ〜つけたぁ〜!!」
ナイトメア「ヒィッ!?」
助けを求めようとするがトクマとサンドリヨンはすでに遠くまで避難していた。そして後ろからの声でナイトメアは心臓を掴まれたかのような錯覚に陥った。
ナイトメア「や、やめろ! 来るな! 来るんじゃない! やめ——
——アァァァァァァァァァ!!」
その日、大空にとある青年の悲鳴が遠くまで響いた。
ヘイヘイ! まだ続くよ!
- ラーメンと恋罵女と思い出 ( No.217 )
- 日時: 2017/07/10 22:36
- 名前: トクマ (ID: AdHCgzqg)
トクマ「大丈夫かサンドリヨン?」
サンドリヨン「……ありがとうございます」
避難できたトクマとサンドリヨンは近くのゲーセンに設置された休憩所にいた。
ゲームセンター特有の騒々しい電子音が響いて耳障りだが、一番マシな場所はここしかなかったのでトクマは納得するようにした。
サンドリヨン「……申し訳ありません」
呼吸が落ち着いたサンドリヨンは申し訳なさそうにトクマに謝った。
サンドリヨン「ピーチさんやお姉さま達に勧められ、私の気分転換に付き合って貰っているのにご迷惑をおかけしてしまって……」
トクマ「いや、迷惑とは思って……」
ナイトメア・キッドの登場は予想外だったが迷惑には思っていない事を言おうとしてサンドリヨンと目があった。
その目には不安が宿ってあり、正直に話しても彼女は取り繕ってるとしか思えなくなってしまっている。
少し考え、トクマは口を開いた。
トクマ「……正直、少しだけ思ってる」
サンドリヨン「……ッ!?」
トクマ「だから!!」
サンドリヨンはトクマの答えにショックを受けようとした瞬間に頬を人差し指で突かれて驚く。そして、トクマの言葉に続きがあることに耳をすます。
トクマ「早く元気になって、アリス達を安心させろ」
その言葉に彼女は目を点にした。
トクマ「本当に迷惑だと思うなら元気になれ……お前の姿を見て安心できるヤツがいるんだ……」
サンドリヨン「……はい」
その言葉にサンドリヨンは少しだけ微笑んだ。
サンドリヨン「……トクマさんって時々、お母さまに似てますね」
トクマ「……オレ、男だけど?」
サンドリヨン「いえ、その……先程の言葉が幼い頃に泣いていた私を慰めてくれたお母さまに……」
サンドリヨンの言葉にトクマは複雑な心境になるがサンドリヨンが言い直して答えた。
トクマ「……似てるのか?」
サンドリヨン「……はい……『強く、正しく、まっすぐに』……お母さまが私に教えてくれた言葉です……トクマさんの恩人も言われてませんでしたか?」
サンドリヨンの質問にトクマは一人の恩人を思い出し、苦笑しながら答えた。
トクマ「……似たような事を言われたな」
サンドリヨン「そういえば、どんな人だったんですか?」
トクマ「子どもっぽい人だよ。まるで子どもが大人になったような感じで前向きなお人好し……そんな人だ……『折れてもいい、曲がってもいい、砕けてもいい、挫けてもいい、泣いてもいい、汚れてもいい、逃げてもいい、諦めてもいい、腐ってもいい、背けてもいい、負けてもいい……だけど、自分の護りたいモノだけは絶対に見失うな』……オレが知る言葉の一つにそう教えられた……」
そこまで言って、トクマはどこか懐かしむような表情で苦笑する……
トクマ「最初は何を言ってるかわからなかったけど今ならわかる……人は挫折を繰り返して成長する……そう伝えたかったんだと思う……」
それは、いまだに再会できない過去の恩人について思っているのか、それとも過去の自分と今の自分を比べているのか……サンドリヨンは初めて見るであろうトクマの表情がわからなかった。しかし、彼が強い理由がなんとなくわかった気がした。
サンドリヨン「……だから、トクマさんは強くなれたんですね……羨ましいです……」
トクマ「サンドリヨン、オレは……——」
サンドリヨンの言葉にトクマが言おうとして、目の前にいつの間にか何かがいることに気が付いた。
???「……」
トクマ「ピョォッ!?」
サンドリヨン「ウエァッ!?」
視線を向けるとそこにはペンギンとアヒルを足して2で割ったような未確認生物が直立でこちらを見ていた。
ペンギン(?)「……」
サンドリヨン「……ど、どうも……」
謎の未確認生物——仮名としてペンギン(?)と名付ける——はサンドリヨンに何かのチラシを渡した。
ペンギン?「……っ!」
トクマ「いや、なにが?」
そして、トクマに向かってサムアップすると騒々しいゲーセンの奥へと消えていった。
サンドリヨン「……な、なんだったんでしょうか……今のは……?」
トクマ「……わからねぇけど……人形のPRじゃないのか……?」
とりあえず、近くにあったクレーンゲームにあのペンギン(?)の人形があり、そのPRだと判断した。
サンドリヨン「……あれはなんですか?」
トクマ「……クレーンゲームを知らないのか? コインを入れて、レバーとボタンを操作して景品を取るんだ」
クレーンゲームに興味を持ったサンドリヨンがトクマにコインを入れてもらい、早速チャレンジするも持ち上げる事はできなかった。
サンドリヨン「……むぅ……難しいですね……」
トクマ「簡単に取れたら利益になんないからな……え、あんなのもあるのかよ……」
周りを見渡してとあるクレーンゲームを見つけて唖然するトクマ。サンドリヨンは目の前にあるクレーンゲームに夢中である。
トクマ「……ん?」
ふと、上から視線を感じ、トクマはゆっくりと見上げる。
???「……」
トクマ「……」
……なんか変なのが吊るされてる……え? 何あれ?
全体的にやや黒っぽい服を着た猫耳が特徴の長髪の少女が上から垂らされたロープに腰を巻いて吊るされていた。
……そういや、ナイトメアが虚実の猫女って言ってたけどコイツの事か? 見た目はアリスに似てるから、アリスのアナザーキャストか……
目的はどうあれ、奇襲を仕掛けに来たと判断したトクマは警戒する。
???「……」
吊るされたアリスのアナザーキャスト——シャドウアリスは後ろのロープに手を伸ばして少しいじくる。しばらくして、シャドウアリスはドヤ顔でトクマに話しかけた。
シャドウ「ロープが短くて降りられないにゃ」
トクマ「何故に誇らしげ!?」
まさかの降りられない事実にツッコミをいれてしまうトクマ。奇襲をかけた相手が助けを求めてきたら誰だって驚くよね。
サンドリヨン「何かあったのですか?」
トクマ「……サンドリヨン。なんでもないから……」
急にツッコミをいれたトクマを心配するサンドリヨン。トクマは気にしないように話しかけるもサンドリヨンはその様子にさらに心配する。
サンドリヨン「上に何かあるのですか?」
猫女「……ニャリ」
瞬間、シャドウアリスが不敵に笑う。サンドリヨンがシャドウアリスを見たら過呼吸で苦しむと予測したトクマはサンドリヨンに向かって大声で言った。
トクマ「サンドリヨン——
——あっちに伊勢海老のクレーンゲームがあるぞ!!」
サンドリヨン「え!? 本当ですか!!」
シャドウ「にゃんと!?」
食は偉大であった。
サンドリヨンが伊勢海老に反応してシャドウアリスから視線を反らす事に成功した。彼女がハラペコキャラだった事にトクマは心の中で少しだけ感謝する。
サンドリヨン「こ、こんなのまであるのですか……変わっていますね」
トクマ「オレも見たことあるけど、最近じゃ見なくなったからな……久々にやってみるか」
サンドリヨン「はい!」
そのままサンドリヨンとトクマは伊勢海老のクレーンゲームに足を運んだ。実際に作者もやった事ありますが、ハッキリ言って難しいですね。何せ生きた状態の景品なのでクレーンのアームが閉じる前に別の場所まで移動してるのですから……生態を勉強して再チャレンジしようとした頃には撤去されてました。
シャドウ「ぬぬぬ……まさか防がれるとは……しかし! このままで終わる私じゃ……ん? 何か冷たい……水?」
リベンジを意気込む彼女だったが、不意に首辺りに何か水のように冷たいモノが触れた。水漏れなのか上を見上げたそこには——
アスナ「みぃ〜つけたぁ〜!」
猫女「」
サンドリヨン「……? 今、悲鳴が聴こえませんでしたか?」
トクマ「……ホラーゲームもあるから、その悲鳴だろ」
あはれ、虚実の猫女。恋罵女に襲われた事にトクマは名を知らない彼女に黙祷を捧げた。
終わり! 感想やコメントOKです!!