二次創作小説(映像)※倉庫ログ

彼らとの共通点 ( No.243 )
日時: 2017/08/07 19:37
名前: トクマ (ID: FLOPlHzm)


 大長編の戦闘描写に時間がかかってしまったので、先に出来上がったエピソード0から執筆致します。それではどうぞ!



 これは、彼ことトクマが新参者親交会に参加してから数日たった頃の話である。

当麻「今日の午前中は珍しく騒動に巻き込まれなかったなぁ……上条さんにしてはのんびりとでき、不幸にならなかった」

 館の廊下を上機嫌に歩く当麻。いつもならギャグカオス組のイタズラや彼に好意を寄せる電撃を放つ茶髪の女子中学生——御坂美琴に追いかけられるのだが、珍しくなにも起こらなかった事に嬉しくなっていた。

当麻「今日の午後も平和に違いない! そうと決まればどこか出掛けるのも——!?」

 予定を組み立てながらリビングの扉を開けるが、ピリピリする空気に体勢を低くする。その空気の出所に視線を向ける。

トクマ「……」
ルフレ「……」

 そこには、お互いを睨みあったまま硬直するトクマとルフレの二人がいた。そろりと静かに移動し、マックと美琴を見つけて近付いて話しかけた。

当麻「……どうしたんだよ、あの二人」
マック「なんか、トクマが言うには『気にくわないヤツが出てきた』そうだけど……」
ルフル「兄様が言うには『ムカつくヤツに出会った』と言ってました」

 マックと話していると横からルフレに似た白髪ツインテールの女性が説明する。美琴は気になる部分を聞き、質問する。

美琴「……え、兄様? あれ、あんたの身内なの?」
ルフル「妹のルフルです。兄様がご迷惑をかけてしまってすみません」

 ルフレの妹である白髪ツインテールの女性——ルフルが謝罪とともに深くお辞儀する。その後ろにいた面影がマルスに似た長髪の女性——ルキナがルフレのフォローをする。

ルキナ「で、でもルフレさんはいい人だから悪気はないんですよ」
当麻「それだったらトクマもだな。アイツもなんだかんだ言って付き合いがいいハズなんだけど……」

 普段なら争いを起こさない二人に首をかしげる当麻。しかし、当の本人達は一触即発の空気を出し、ついにうご——

マリオ「あー待て待て」
リンク「ケンカはダメだぞケンカは」

 ——こうとしてマリオ達に止められた。突然現れた事に驚くルキナ達。しかし、トクマとルフレは不機嫌な表情で反論する。

トクマ&ルフレ「ですが!!」
マリオ「こういう時はゲームで、と前に言っただろう」

 親交会で説明したことを言うマリオに『言ってもムダ』だと判断したトクマとルフレは渋々頷いた。

トクマ「……いいでしょう」
ルフレ「なんのゲームで勝負したらいいですか?」
リンク「そこは自分の運に任せるしかないな」
トレ子「箱、持ってきました」

 トレ子が持ってきた箱に手を入れるマリオ。その様子をリンクとトクマ達は見守る。

リンク「そんじゃあ結果は——」

 マリオが取り出したくじを読むリンク。そこに書いてあったのは——



















































  ——“ポッキーゲーム”



マリオ「——ポッキーゲームか」
トクマ&ルフレ「なんてものを!?」

 あまりの結果に背筋を寒くさせるトクマとルフレ。なお、マリオとリンクの後ろには目の錯覚か、はたまた幻影なのか、ルフレがトクマの顎を軽くあげて(俗に言う顎クイ)をしながらポッキーを食べる光景が見えた。

 ……それだけは防げなければ!!

 その光景に冷や汗をかいた二人はすぐに勝負内容の変更を申し立てた。

ルフレ「勝敗はどうやって決めるんだよ!」
リンク「そこはあれだ。チキンレース的なモノだろう」
トクマ「それ以前に誰の案だよこれは!」
マリオ「んじゃ、ポッキーゲームで決着をつけてもらうぞ」

 しかし、言葉気にせずに始める準備をするマリオとリンクを見て焦るトクマとルフレ。そして、その様子を見て親指をあげてグットサインを見せるトレ子がいた。

 いや、犯人いた!!

ルフレ「いや、いやいや!!」
トクマ「おかしいですって!!」
リンク「神聖なくじの結果だ。諦めろ」
トクマ「でもポッキーがないですし!」
ルフレ「やりたくてもできませんよ!」
マリオ「ふむ……一理あるな……」

 トクマとルフレの説得に動きかけたマリオに内心喜ぶトクマとルフレ。

リンク「なら、これを使うか」
トクマ&ルフレ「?」

 リンクがそう言いながら何かを取り出そうとして、トクマとルフレは首をかしげた。

 そして、取り出したものは——

トクマ「……」(ふ菓子の右端にかぶりついている)
ルフレ「……」(ふ菓子の左端にかぶりついている)
トクマ&ルフレ「……」(一本のふ菓子の両端を口でくわえながら睨みあっている)

 ——三メートルぐらいの長さがあるお徳用のデカイふ菓子だった。味方によってはデカイポッキーをくわえているように見える。

リンク「ちょっとデカイがなんとかなるだろう」
マリオ「先に口を離した方の負けな」
トレ子「二人とも頑張れー」

 睨みあう二人に声をかけるリンクとマリオ、トレ子。そしてその様子を見て呆然とするルキナ達。

リンク「んじゃ、よーい……スタート!!」

 リンクの柏手を合図にトクマとルフレは目を見開いて、ふ菓子を食べ始めた。

ルフレ「んがふっ!」
トクマ「ごふっがふっ」
ルフレ「ぐふっ!!」

マリオ「おぉ……」
リンク「これは想像以上に酷い絵面だな」
トレ子「純粋組には見せられないですねぇ……そういや、最近ひったくりが多いみたいですよ?」
マリオ「定期的なパトロールを予定にいれるべきか……リンクはどう思うよ?」

 苦悶の声をあげながらふ菓子を食べながら進む二人の様子に平然とした様子で感想を言う三人。その側で様子を見てた当麻達も静かにトクマとルフレの二人から視線を逸らした。

 暫くして、ふ菓子から口を外して深呼吸するトクマとルフレの様子が見られた。

マリオ「決着つかず……か」
リンク「引き分けとはだらしないな」
トクマ「いやこれ無理ですよ!!」
ルフレ「口の中が大変な事になるんですからね!?」

 どうやら、ふ菓子の甘さにダウンした様子だ。手にはトレ子が入れた水を勢いよく飲んでいる。

トクマ「……こうなったら大乱闘でケリをつけてやらぁ……まぁ、大差で勝つけどな! 大差で勝つけどな!!」
ルフレ「来いよクサレ天パ、武器なんて捨ててかかって来いよ!」
トクマ&ルフレ「野郎、ぶっ潰してやらぁぁぁぁ!!」

 互いが売り文句を衝動買いする勢いで大乱闘のフィールドに走る二人を見えなくるまで見送った。

ルキナ「……行っちゃいましたね」
ルフル「何でケンカばっかり……はぁ……」
マリオ「意外にあの二人は共通点があるからな……それでケンカしてるんだろう」

 ルキナとルフルがため息を吐くとマリオが苦笑しながら理由を話した。

ルキナ「共通点って……それはなんですか?」
リンク「自分で見つけることだな」
トレ子「あ、それとマリオさん。そろそろ日用品がなくなりそうですよ」
マリオ「ありがとう。すまんが誰か買い出しに行ってくれるか?」

 マリオに買い出しを頼まれ、ルフルとルキナは近くにいた当麻とマック、美琴を誘い、二人の共通点を考えながら買い出しへと街に向かった。


 まだ続くよ! コメントはまだ!

彼らとの共通点 ( No.244 )
日時: 2017/08/07 19:43
名前: トクマ (ID: FLOPlHzm)


『ありがとうございましたー』

 スーパーから出た五人は軽くない袋を持って、館へと帰っていた。

ルキナ「これで全部ですね」
美琴「……にしても、あの二人に共通点なんてあるのかしら?」

 不意に美琴がマリオの言っていた二人の共通点について呟いた。

ルキナ「マリオさんが冗談を言うはずありませんし……」
ルフル「悪知恵じゃないですか?」
美琴「いや、諦めの悪さかも」
当麻「意外性とって酒の好みとかか?」
マック「……性別?」
四人「それだ!」
ルキナ「マジメに考えてくださいよ!」

 マジメに考えずに冗談を言いながら帰路を歩く五人。しかし、後ろからフードを被ったチンピラが通りすぎ様にルキナにぶつかった。

ルキナ「きゃ!?」
当麻「あ、おい!!」
美琴「気を付けなさいよ!!」
ルフル「大丈夫ですか?」
ルキナ「はい、だいじょ……あれ……?」

 走るチンピラに忠告しながらぶつかって倒れたルキナを起こすも、ルキナは顔を青くしながら自身のポケットを忙しなく触り始めた。

ルキナ「……ない……財布が……ない……ひったくられました!!」
ルフル「えぇ!?」
当麻「さっきぶつかったヤツか……もうあんな遠くに……」
美琴「大丈夫、あの距離なら私のレールガンで——」

 ひったくりが多発してる事を話してたトレ子を思い出し、あのチンピラが犯人だと理解した四人は急いであのチンピラを探すと遠くにおり、美琴は手加減した超電磁砲レールガンを放とうとするが、突然チンピラが二人に分裂した。

当麻「なっ!? 分裂した!」
ルフル「分身能力!?」
美琴「やば……狙いが……!」

 突然の事に驚き、本物がわからず標準があわない美琴。

ルキナ「誰か……誰か双子のひったくり犯を捕まえて下さい!!」

 ルキナの叫びを後ろにチンピラはどんどん遠くに行き——

トクマ&ルフレ「止まれ」

 ——突然の衝撃に目を白黒させながら、トクマとルフレに蹴り飛ばされた。

トクマ「おい、勢いで蹴ったけどこのチンピラで良いのか? さっきまで双子だったのにいつの間にか一人になってるぞ」
ルフレ「恐らくだが、コイツが持つ能力かなんかで増えたんだろう……分身能力でひったくりし、見つかっても自分は別にいたって言うアリバイも出来るしな」
当麻「トクマ! ルフレ!」

 チンピラがひったくり犯である事に疑問符を浮かびながら首をかしげるトクマに能力でひったくりをしていると答えるルフレを当麻は二人に声をかける。

トクマ「よ、当麻。マリオさんとリンクさんにルキナ達を迎えに行ってこいと言われたけど早く見つかって良かったぜ」
ルフレ「こいつのムカつく顔を見なくてすむな」
トクマ「……そうだな。負け犬の顔を見ると辛気くさくなって敵わんなぁ」
ルフレ「……まぐれで勝ったようなラッキー野郎に言われても痛くも痒くもねぇよ」
トクマ&ルフレ「……」
ルフル「……ケンカしないでください」

 怒りの表情でどこかの不良のごとく睨みあう二人を疲れた表情で制止するルフル。しかし、その間にチンピラは起き上がって能力を使用して十数人に分裂した。

トクマ「うぉ!? 増えやがった! 忍者か!!」
ルフレ「ツッコミいれてる場合か……アイツを逃がすなよ」

 手に鉄パイプやバットを持ち始めたチンピラの分身に睨みながら、トクマとルフレは戦闘態勢とり始める。

トクマ「ルフレ、ひとっ走り……ついてこれるか?」
ルフレ「こっちのセリフだ」

 その言葉とともに二人はチンピラに駆け出し、チンピラに衝突する寸前で二人は弾かれるように左右に別れて敵を倒していく。

トクマ「よいっ! せぇ!」

 トクマは拾った鉄パイプやバット等の武器をチンピラに投げ、武器を持ったチンピラの指を折って奪取と同時に蹴り飛ばし、振り回して武器を投げるを繰り返す。時には相手の足を力強く踏む、相手の傷口を力強く触る等をして怯んだ隙にこめかみや顎、目や鼻、股間や鳩尾といった人体の急所を攻撃する等ケンカ殺法に近い動きで倒していく。

ルフレ「ふっ! はぁ!」

 対するルフレはトクマとは正反対に最小限な動きで相手の攻撃を往なし、かわし、力を利用して倒すという訓練で身に付けたであろう動きで相手を倒していく。

 そのルフレの後ろにひっそりと隠れていたチンピラが隙をついてルフレの動きを拘束した。

ルフレ「しまった!!」
チンピラ「武器を捨てろ! コイツがどうなっても——」
トクマ「そいつに人質の価値はねぇ!!」
チンピラ「——えぇ!?」

 チンピラが交渉に出るより早く、トクマはルフレに向かって鉄パイプをぶん投げた。

ルフレ「あっぶね!?」
チンピラ「ぐぴゃっ!?」

 あまりの行動に驚いたチンピラの隙をついてルフレは拘束を外し、宙を回転しながら飛んでくる鉄パイプを自身を拘束したチンピラで盾にして直撃を防いだ。

 すると、今度は大勢のチンピラがトクマを袋叩きにしようと迫り来る。その様子を見たルフレがニタリ、と不敵に笑いながら呪文を唱えた。

ルフレ「ふせろトクマ……エルサンダー!」
トクマ「ちょ!? にゃわっち!!」
チンピラ「ぎゃあぁぁぁぁ!!」

 ルフレの唱えた呪文が広範囲の雷魔法だった事に慌てながらそこから離脱するトクマ。その判断は正しく、昼のような明るさを放つ電撃が辺りを照らし、大勢の分身したチンピラを一掃した。

トクマ「テメェ、何がふせろだ! 広範囲に放ったらふせても意味ねぇだろ!」
ルフレ「テメェこそ躊躇なく鉄パイプを投げんな!」
トクマ「やるのか、ア"ァ"!」
ルフレ「上等だ! 一人負傷した所で大差ねぇからな!」
チンピラ「テメェら、隙だら——」
トクマ&ルフレ「うるせぇ! 引っ込んでろ!!」
チンピラ「——ギャバら!?」

 口喧嘩からリアルファイトに発展しそうな勢いの二人に割って入ったチンピラは容赦なく瞬殺され、残るは本体であるチンピラだけだった。

美琴「あの二人、仲が良いのか悪いのかわからないわねぇ……」

 殆どノーダメージで倒した二人に呆れる美琴。その隙にチンピラはこっそりと逃げようとしていた。

ルフル「あ、チンピラが逃げ——」
トクマ&ルフレ「逃がすかァァ!!」

 ルフルの声と同時に全力疾走でチンピラに襲いかかるトクマとルフレ。

チンピラ「な、なんで追ってくんだよ」

 その気迫に戸惑うチンピラが恐怖からか二人に問いかけると同時にトクマとルフレは勢いよく跳んだ。

トクマ「んなもん、決まってるだろ……このバカ白髪には——」
ルフレ「このアーパー天パには——」


































トクマ&ルフレ「——負けたくねぇからだ!!」

 一蹴一閃。

 二人の飛び蹴りがチンピラに襲いかかり、くらったチンピラは蹴りの衝撃で後ろの壁に激突し、その衝撃で気を失った。

 遠くからパトカーのサイレンが聴こえてくる。




    ——\ファルコンキック‼/——




ジュンサー「逮捕のご協力、感謝致します」
ルフル「いえ、こちらこそ迅速な対応に感謝します」

 警察官であるポケモンで有名な婦警——ジュンサーがルフル達に最近話題になりつつあったひったくり犯のチンピラを捕まえた事に感謝を示し、後日調書を録る為に伺う事を伝えてチンピラに能力封じの枷を着けて連行した。

 去っていったジュンサーのパトカーを見ながら、ルキナは思い出したように周りに聞こえる声で話した。

ルキナ「あ、そうだ。あの二人の共通点を見つけました」
当麻「俺もわかった」
マック「ま、あんなわかりやすく言ったら誰だってわかるよな」
美琴「ホント、よく考えれば納得よね」
ルフル「あそこまで仲が悪かったら同族嫌悪の域ですよね」

 ルキナの言葉に四人は苦笑しながら、トクマとルフレを見て一斉に呟いた。

五人「負けず嫌い」

 五人が呟いた言葉が聞こえなかった二人——トクマとルフレは先程の戦闘を労っているのか、トクマが握手のようにルフレの手を掴み——

トクマ「バルス!」
ルフレ「 手がぁぁぁ、手がぁぁぁぁ!!」

 ——メキメキ、そんな音が聞こえるぐらいの強さでルフレの手を力強く握り始める。あまりの痛さにルフレはトクマの首に手刀を何発か叩き込んで逃れた。

ルフレ「バルスってなんだ! 滅びろか! 俺に滅びろって言いたいのか!!」
トクマ「それ以外の何があると思ってるんだ。さぁ、さっさとバルスしろよ」
ルフレ「その前にテメェを滅ぼしてやるよ!」

 ガルル、フシャー、まるで犬猫のケンカのように取っ組み合いを始める二人を見た五人は呆れて苦笑する。

 その取っ組み合いはマリオとリンクが迎えに来るまで続いたそうだ。


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