二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 神父が幻想入り(仮題)宿命の吸血鬼編 ( No.62 )
日時: 2019/04/05 14:39
名前: ゼラチン (ID: H6c/o5GF)

人里の貸本屋、鈴奈庵、プッチはここに来ていた。もしかしたら過去にこんな事件があったかも知れないからだ。

「どうも、プッチさん、何の本をお探しですか?」

カウンターから出て来た少女の名は本居小鈴、この店には常連なのですっかり顔なじみなのだ。

「ああ、過去に幻想郷で起きた事件ってないか?」

「うーん・・・でもここはほとんど外の世界から来た本『外来本』しか取り扱っていませんよ?」

「そうか・・・」

プッチが困った様子を出すと小鈴は店の奥から古い本を出してきた。

「これ・・・紫さんが持ってきた本なんですけど・・・どうでしょう」

「えーと・・『スティール・ボール・ラン・レース全記録』?これがどうかしたのか?」

「えーと、これじゃなくて、中に挟まっている本です」

プッチが本をパラパラと捲ると一冊の本が出て来た。タイトルは『聖人とは』というタイトルだ。

「聖人・・・、死んだ後に奇跡を最低2度起こす人物の事、聖人の遺体は腐らず、国に聖人が渡れば、その国は千年栄える」

「千年ですか!すごいですね!」

「すごいなんてもんじゃない。千年以上栄えた国はヴェネツィアとヴァチカンぐらいだ。東洋の江戸幕府でさえ250年で滅んでいる」

「へぇー」

「しかし何でこの本がレース本に挟まっているんだ?」

プッチは本の最後のページを見た。するとそこには、別な誰かの筆跡で、『聖人も、忘れられたら幻想入りする』

「なぁ・・・小鈴、この本を渡した紫って、どこに居るんだ?」

「基本どこにでも、スキマ妖怪ですから」

プッチは鈴奈庵を出て人気のいない場所に向かう

「・・・見てるのか?紫」

するといきなり目の前の空間が裂け、その穴から女性が出て来た。この人が紫だろうか?

「貴方とは初めましてね、で、何?何が聞きたいの」

「色々あるがまず、聖人の遺体は幻想郷にあるのか?」

「ええ、あるわよ、今はどこにあるか分からない。でも見つけてどうするの?」

「DIOの場所を示してもらう」

「それで、その後はどうするの?」

「DIOを説得する」

「・・・甘い」

紫は冷酷に告げる。

「DIOは説得するのは無理よ。あなたも殺すつもりでしょうね」

「だが私は、DIOを殺したくはない。何か方法があるはずだ」

「・・・・・・・だからそれが甘いんでしょうが、この若造」

紫の口調が変わる。プッチは怯むことなく紫を睨んでいる。

「あら、恐れないのね、今も私は貴方を消すことも可能なのよ?」

「するつもりならやってるはずだ。DIOを自分の手では殺せない理由があるんだろう?」

「そう思うんならそうなんじゃないかしら、まぁせいぜい頑張りなさい」

紫はスキマに入り、その場から消える。後には煮え切らない気持ちが残るだけだった。