二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 神父が幻想入り(仮題)宿命の吸血鬼編 ( No.82 )
日時: 2016/07/03 10:55
名前: ゼラチン (ID: 9w13DJbg)

これは全て宿命だったとしたら?友と戦い負けるのが私の運命なのか?よろしい、だったらその運命を克服するだけだ。

「このDIOに対して少し舐めすぎじゃないか?たった一撃入れただけで勝った気になってるのか?お前が勝てないという運命は既に決まっているんだよぅ!」

「DIO・・・君は昔に比べどこか可笑しくなっている。一体どうしたんだ?誰に会ったんだ?」

「関係ないだろう!このDIOがどんな計画を立てようが!幻想郷が滅ぼうか!」

「教えろ!その計画が何なのか!」

空気が張り詰める。

「いいだろう、その計画はな、簡単に言えばやり直す計画だ」

「やり直す?」

「ああ、幻想郷を一度粉々に壊してから作り直す。それで幻想郷は完璧になる。そしてこのDIOは幻想郷の主となる」

「どうやって粉々に壊すっていうんだ。そんなの紫や霊夢にだってできないぞ」

「それはな、ある水を飲むんだ」

「水?それを飲めば幻想郷を壊せるほどの力が手に入るのか?」

「その通り、そこを『無限の池』と呼んでいる。無限に湧き、その水を飲んだものは不老不死になる。さらにその水を完全に全部体に取り入れたら、神も恐れる力が手に入る」

「その水は無限に湧くんだろう?どうやって全部飲むんだ」

「それは分からん、だがこのDIOは吸血鬼だ。どうせ無限に生きられる。ゆっくりその方法を探すとするか」

「それは無理だ」

プッチがバッサリと切り捨てる。DIOはプッチを強く睨む。

「君は私に倒される。いや殺される。だから無理だ。それは変わらない」

「ふっ、ふはははははははははははははははははははは!!貴様、狂ってくるのか!?今更このDIOに勝とうなど愚かなことを考えていたとは!いいか!これは運命なんだ!もう決まっているのだ!」

プッチはDIOをまるで分っていないという目で見て、一息ついた。

「DIO、忘れたのか!この私の性格を」

「何だ!言ってみろ!」




「この私は・・・・・・・・・・運命を克服するのに何よりも拘るんだ。その運命も、克服してみせる」

「面白い!やはり貴様はそうでなければな!今度こそそんなこと考えられなくなるほど絶望の淵に叩き込んで嬲り殺してやる!」

「運命は・・・君が思うほど壊れやすいんだ。祭りの金魚すくいの網よりも・・・・」

Re: 神父が幻想入り(仮題)宿命の吸血鬼編 ( No.83 )
日時: 2016/07/03 11:56
名前: ゼラチン (ID: 9w13DJbg)

「世界!時よ止まれ!」

一瞬にしてプッチの動きが止まる。そして世界はプッチの鳩尾と肩を殴った。時が戻りプッチは悲痛の声を漏らす。

「ぐっ・・・うっ」

「ひゃっひゃひゃひゃっひゃ!!やはり貴様は最高だ!」

DIOが高笑いする。C-MOONで攻撃することに成功したがそこはすでに裏返っっていた場所で手が元に戻るだけだった。

「WRYYYYYYYYYYーーーッ!プッチ!貴様もこれで終わりだ!あ〜、こんなに心地いい気分は外の世界で9秒時を止めれるようになった以来だ」

「はぁ、はぁ、C-MOON!」

C-MOONを出してもDIOは蚊でも払うかのように世界で退けた。

「貴様のスタンドも今は弱弱しく見える。ンッン〜〜♪歌でも歌いたい気分だ。そう最高に『ハイ!』ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ!」

DIOは自分の指で頭を狂った声と共にほじくった。

「貴様への冥途の土産にこのDIOとラッシュの力比べをすることを許そう」

「いいのか?この私に最後のチャンスを与えても」

「良いさ、それこそがこのDIOの絶対の自信なのだよ」


世界とC-MOONが対峙する。その直後に両者のスタンドは同時にラッシュ攻撃を行った。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおッ」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーッ」

その結果は世界の圧勝。に見えた。

「なっ!」

しかしDIOは確信する。今まで殴っていたプッチがいないのだ。
その時、すでにプッチはDIOの背後に居た。

「世界!時よ・・・」

DIOが時を止める前にプッチはC-MOONでDIOの首に蹴りを放った。

「がふっ・・・」

口から血が吹き出す。そこにプッチは追撃を次々と入れる。体中が何回も裏返りDIOは何が自分の身に起きているのか理解できなかった。

「ぐがアアアアアアアアアアア、プッチイイイイイイイ」

「神を愛してるように君のことも愛しているぞ、DIO、だからせめて安らかに眠ってくれ」

最後にプッチは、心臓に、一撃を当てた。DIOが吹き飛ぶ、長い廊下の先にDIOが降り立ったのは屋敷の玄関だった。夜が明けていく、
プッチが体を引きずりながら歩いてくる。DIOもそれに答えるよう歩く。

「出せ、君の、世界』を」

「貴様も、C-MOONを出せ」

二人とも満身創痍だった。最早言葉は不要、体で語るのが一番彼ららしかった。


「時よ止まれ!」


時を止めたDIOが見たのは、C-MOONがあと少しで自分の脳天に一撃を入れようとしている姿と、プッチの力強い眼だった。
そのぼろぼろの体からは予想できないその眼は、どこかでDIOは見たことがある。今まで何回も。










(やぁ、君はディオ・ブランド—だね)

(君がッ泣くまで殴るのをやめないッ!)

思い出しているのは、とても昔の出来事、ある日、二人の少年が出会ったことから始まった。
やがて一人の少年は、悪の道に走っていく

(奇妙な友情すら感じるよ…)

そして二人の少年は、一つとなる。

(野郎・・・)

その奇妙な因縁は、100年にも渡る。
DIOは、その少年の子孫、その少年の信念を受け継いだ物に滅ぼされる。

(てめーは俺を怒らせた)










DIOはいつの間にか涙を流していた。そして時は動き出す。

「おおおおおおおッ」

プッチの攻撃がDIOの脳天に当たる。そしてDIOは屋敷の外に飛ばされた。



DIOが見たのは、太陽、その太陽にある少年の顔が浮かび上がった。


「ジョジョ・・・・・・」

それは、100年もの因縁、それはとてつもない執念を持った男。
プッチは屋敷に出て今も灰になりかけているDIOを優しく抱き上げた。
彼も涙が自然に出てきた。
DIOは最後に何か言おうとした。しかしそれも叶わぬまま、灰となった。











・・・・・・・・そこには悲しい虚無だけが残った。