二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 神父が幻想入り(仮題) ( No.98 )
日時: 2016/08/03 11:11
名前: ゼラチン (ID: 9w13DJbg)

「あはははははははっ!!凄いよプッチ!私の弾幕をここまで避けるなんて!」

フランドールの弾幕は予想以上だった。しかし避けれない訳ではない。冷静に対処すれば難なく避けれる。

「ねぇプッチ!選んで!私が全力をこのまま出すか、スペルカードを使うか!」

「なっ!!今まで全力じゃなかったのか!?」

「当たり前じゃん。早く選んで」

「スペルカードで頼む」

「あははっ!次は避けれる?禁忌『フォーオブアカインド』」

するとフランドールが4人になり、避けるのがさらに困難になった弾幕を放ってくる。

「何イイイイイイイイ!!4人になっただと!」

「「「「どうしたの?慌てたら死んじゃうよ?」」」」

「本体はどこだ!?」

多分偽物に攻撃を当てても無意味だ。そもそも攻撃を当てることができるのか?

「「「「遅いよ!遅い遅い!」」」」

攻撃に怯まなく逆に一瞬で粉々にされる可能性だってある。死ぬのか?こんな所で?ならば飛び道具・・・もない。瓦礫も避けられるだろうしその他の飛び道具なんて持ってるはずがない。

「「「「もう動きだけは素早いね!」」」」

フランドールがこんなになったのはきっとフランドールのせいじゃないんだろう。彼女の中の狂気が暴走しただけだ。でも私が死ぬのはおかしい、一体どうしたら・・・・・・

(慌てないで、考えるのが辛くなったら、最初に戻って、一度周りを見渡しなさい。灯台下暗し、真実は、すぐそばに・・・・・)

突如声が聞こえる。聞いたことのある声だ。
そうだ。私は前も、そして今も!迷ってばかりだった!

「「「「さっきからどうしたの?バキッ・・え?」」」」

「私はもう迷わん、そして、今は生き残ることを考えようか・・・狂気という物はな、いともたやすく現れる。その大きさは別として、だ。ここから重要なんだ。君を狂気から救うことができるかもしれない。あくまでも〝しれない”だがな」

「「「「プッチ貴方どうしたの?雰囲気が全然違う」」」」

そう、彼女を救う方法は一つ、

「聖なる遺体の力を使う時が来た」

Re: 神父が幻想入り(仮題) ( No.99 )
日時: 2016/08/23 10:42
名前: ゼラチン (ID: 9w13DJbg)

「ふぅ・・・咲夜?プッチはどうしたのかしら」

「そろそろ挨拶もすんで戻ってくる頃ではないかと」

咲夜がそう言った直後、プッチが息を切らせながらレミリアの部屋に飛び込んできた。

「もうちょっと静かにしなさいよ」

「レミリア!何だあの妹は!」

「強いでしょ」

「殺されるところだったんだぞ!何とか逃げてきたけど」

「で?どうだった?あの子はどうにかなる?」

「どうにかなるって何だ?」

「あの子があんな残念な子になっちゃったのはね・・・〝狂気”が原因なのよ」

「狂気?フランドールは元から狂気を身に宿していたんじゃないのか?」

「貴方が思っている狂気とはちょっと違うわ、この幻想郷では狂気はもう一つの姿を見せるの」

「もう一つ?まさか狂気が勝手に動いてフランドールに憑いたのか?」

プッチは半分冗談で苦笑いしながら言った。

「その通りよ、〝狂気”は他者に憑き、その名の通り狂わせ、挙句の果てにその体を乗っ取ってしまう妖怪よ」

「妖怪!?じゃあフランドールは本当にその妖怪に憑かれてるのか!?」

「ええ、まだ体を完全に乗っ取られてないけどそれも時間の問題ね」

「なぁ、体を乗っ取られたらどうなるんだ?」

「・・・最初は外見に変化が現れる」

「外見に?」

「これは、狂気に何とか耐えようとしたら起こる減少ね、体に斑点ができたり、オッドアイになったり、そして不安になってきたところに、体の中から囁いて来るのよ、苦しいんだろう?だったらもう逆らうな、楽しく生きよう・・・ってね」

「フランドールは斑点などはなかったぞ?」

「あの子は特に抗いもせず狂気に身を委ねたから・・・でもそのおかげで狂気と共存できてるみたいだけど」

「・・・そうだ!いい方法を思いついたんだ。聖なる遺体を使えばフランドールを狂気から救い出すことができるんじゃないのか?」

「その聖なる遺体がどんなものかは知らないけど、本当にできるの?」

「ああ、やってみせる」

Re: 神父が幻想入り(仮題) ( No.100 )
日時: 2019/04/05 14:42
名前: ゼラチン (ID: H6c/o5GF)

プッチは以前に遺体を埋めた場所に来ていた。そして土を掘り返すと変わらずそこに聖なる遺体、正確には『聖人の左腕』だが・・・プッチはこの遺体の不思議な力でフランドールから狂気を取り除いてもらおうとしたのだ。プッチの手が止まる。その後ろには、紫が居た。

「何の用だ」

「何って、忠告よ、ちゅ、う、こ、く」

「忠告?何の忠告だ」

「貴方は本当に人の話を聞かないわね・・・忠告は、貴方がその遺体の力を勘違いしているところよ」

「私が何を勘違いしているんだ」

「それはね、その遺体は、〝フランから狂気を取り除くことはできるけど狂気そのものは無くならない”ことなの」

「どういう意味だ?」

「確かにその遺体だったらフランから狂気をポイッと出すことは可能だけど、その狂気はまた別な人に憑くわよ・・・それでいいの?」

「なっ!」

「もしかしたらレミリアや霊夢、貴方がお世話になった人に憑くかもね、それじゃなくても狂気に憑かれた人がその人を殺すかもしれないわ、いいの?」

「・・・・・・」

プッチは少し黙り込む

「ま、フランはあのままにしたほうがいいわ、それが貴方の為にもなるんだから」

プッチは黙ったまま、土を掘り続けた。

「ちょっ!あんた私の話聞いてた!?狂気があんたの大事な人に移るかもしれないのよ!」

「霊夢やレミリアは・・・狂気に負けるとお前は思うのか?それに・・・一つ訂正してもらおう」

プッチは、遺体がくるまれた布を手に取ると、


















「私は、ただ人を自分の為に利用しているだけだ。再び天国に行けるようにな、お前は使い捨ての物が本当に大事なのか?」

そう、紫に告げた。








Re: 神父が幻想入り(仮題) ( No.101 )
日時: 2016/08/25 20:15
名前: ゼラチン (ID: 9w13DJbg)

「貴方・・・利用って」

「何かおかしいか?人として至極まともな考えだ。自分の為に他人を蹴り落とす」

「だったら何で貴方はフランの狂気を取り除こうとしたの?自分の事だけ考えていたのなら放っておくはずよ」

「・・・ただの気まぐれだ。強いて言うのなら、レミリアには恩を売った方が良い気がするからな」

「DIOを殺した時にもそんな考えだったの?」

「ッ!・・・・・・私は紅魔館に行き、説明する」

そう、プッチは遺体を抱えて、紅魔館へと歩いて行った。





















「・・・というわけで誰かに狂気が移ってしまうらしいんだ」

「ふーん、それより狂気が移る人を指定することはできるの?」

「ん?多分できるんじゃないのか?」

「じゃあ簡単ね、私に狂気を移しなさい」

レミリアのその言葉にプッチだけでなく咲夜も同時に吹き出した。

「それじゃあ何も変わらないだろう!?」

「フランよりも私の方が狂気を抑え込めるわよ、それとも、私が簡単に狂気に乗っ取られると思うの?」

「う・・・本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫よ」

「本当に本当に大丈夫なのか?」

「だから大丈夫よ!誰だと思ってんのよ!私は天下の吸血鬼、レミリア・スカーレットよ!狂気に負けるようじゃ半人前なんだから!」

「わかった。そこまで言うのなら、フランドールの狂気をお前に移す」

「貴方は良いわよね?咲夜」

「私はお嬢様の仰せのままに致します」



これで移すことに決まった。大丈夫だ。何も心配することはない。







Re: 神父が幻想入り(仮題) ( No.102 )
日時: 2016/08/28 15:58
名前: ゼラチン (ID: 9w13DJbg)

「フランドール、この布を見てくれ」

プッチ、そしてレミリアはフランの居る地下に来ていた。フランはプッチが来たのを見ると無邪気な笑いを見せた。

「フランでいいよ、貴方は特別だから!」

「プッチ、早く私に狂気を移して」

「狂気?・・・お姉様、何?それ」

声のトーンが低くなり、明らかに先程とは違う雰囲気をフランは身にまとっていた。

「フラン、お前の中にいる狂気をこの布の中にあるもので取り除く」

「・・・どうして?」

「今は共存できているがやがて完全に狂気に飲み込まれてしまうぞ!」

「心配ないよ、だって今までそんなことなかったもん・・・分かんないなぁ」

「いけない!プッチ!早く移して!」

「分かった!」

プッチは遺体をフランに近づける。遺体が光り輝き始めてフランが首を掴み苦しそうにもがいた。

「うぐ・・・何で・・・・・・私は何もしてないのに・・・」

「すまんな、これもフランの為なんだ」

「やめ・・・・ヤメテ・・・・・・クルシイ」

「おいレミリア、様子が少しおかしいぞ」

「そのままにして、早く終わらせて」

「ウ、ウウ・・・ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「「!?」」

フランが衝撃波を出し、プッチは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。

「くっ・・・レミリア!フランを押さえつけろ!」

「分かってるわよ!でもあの子の力が予想以上に大きくなっているわね・・・」

「オ姉様モワタシヲ・・・」

フランが不意をついてレミリアに向かう。体当たりをくらったレミリアは先程の衝撃波よりも強く、吹き飛ばされた。

「くっ・・・もう返してやれ!」

「フフ・・・何ヲ言ウノダ、コノ小娘ハ抵抗モシナイジャナイカ」

「C-MOON!」

C-MOONがフランを捕まえようとするがまた衝撃波を出され壁に叩きつけられる。骨が何本か折れ、最低でもひびが入っただろう。

「フハハハハハハ貴様ラガイクラ足掻イテモ私トコノ小娘ノ体ガアレバモウコノ幻想郷デハ負ケナシダ!」

「フランは外見、内面共に子供だ。だからお前みたいな奴がいると教育に悪いんだよ」

プッチは半笑いでそう言った。

「ソンナ無様ナ姿ノオ前が今更何ガデキルト言ウノダ!」

「何ができるか・・・そうだな、お前の意識を引き付けるくらいなら・・・できるぞ」

「何!?」

レミリアは既にフランの後ろに立っていた。フランはそれに気づかずレミリアの一撃を許してしまった。フランは地面に何度も体を打ち付けている。

「ガ・・・グギ・・・・・・貴様、ヨクモ」

「あんな程度の攻撃で私がまいっちゃうとでも思ったの?安心しなさい?貴方が私の中に来たら一瞬で封じてあげるから」

「ウ、ウウ」

「貴方運が良いわね、フランに憑いていなかったら今すぐに消し飛ばしてあげたのに」

「レミリア!今だ!この遺体をお前とフランに近づけろ!」

プッチが投げた遺体をレミリアは受け取りそして自分とフランに近づけた。するとまた遺体が光始めた。

「ヤメロ、ヤメロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」

するとフランの体から黒い人型の何かが出てきた。

「レミリア、こいつが狂気か?」

「ええ、どいてプッチ」

「ヤメテクレ・・・モウコノ小娘カラハ離レルカラ、ヤメテクレ」

「無理」

「ヒッ」

レミリアは狂気に手を掲げ、そしてフルパワーの弾幕を放った。
数秒後、そこには狂気の姿が跡形もなくなっていた。

「終わったのか?」

「終わったわよ、これでもう二度とフランの中に狂気が芽生えることもないし、消し飛ばしたから多分私にも狂気が芽生えないわ」

「そうか・・・」


プッチの中にある不安はあと一つになった。カーズである。そしてそれは一筋縄ではいかないだろう。だがプッチには自然と勝機が湧いてきた。大丈夫、きっと何とかやっていける。






10話 END