二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ポケモンナイト3天機戦争《キャラ募集》 ( No.11 )
日時: 2016/11/05 20:33
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)



プロローグ 空と大地の狭間にて

ベルパス タワーズ内部
1人の男がモニターの前で佇んでいた。モニターには帝国の資源搾取で汚染された大地とそこで暮らす人々、そして青々とした空の世界とそこに浮かぶ島々が映し出されていた。男は相互に映像を睨みながらため息をついた。そのため息はどこか冷徹かつ寂しげに滞っていた空気を押し揺るがした。

『…空にはこんなにも豊富な資源が眠っている………我が帝国の発展の為に、空にも目をつけておくべきか……』

男はそう口ずさむと1人の秘書を呼び出した。入ってきた秘書は男と同じ目つきをしておりそこに感情は存在しなかった。
「お呼びでしょうか、ギルガ様。」
「メイシュ、この空を見てみろ。」
「……普通の空に見えますが?」
「そうか、しかしここには無いものが数多く眠っている。新鮮な空気、豊富な資源、そして多様な生命体……それを有効活用できればこの帝国は更に発展する。……そうは思わないか?」
「確かに……搾取工事の影響で土は痩せ、空気や水もよどんでいます。住民の抗議活動によって作業が難航している地域もあると言います。もう資源も残り僅か……丁度よいかと思います。」
メイシュはモニターに映し出されていた空を見ながらそう言った。

ベルパスは元々は自然豊かな世界が広がっていたのだが、帝国が資源搾取工事をした途端に死の世界となってしまったのである。肥沃な土壌は痩せ、新鮮な空気や水には毒素がにじみ、不気味な霧がいつも立ち込める世界と化した。そこで住んでいた住民は怒り帝国に逆らおうとしたが戻ってこれた人々は1人もいなかった。
「そこでだメイシュ、空の世界に調査隊を送り使える資源が無いか調べてほしい、しかし絶対に見つかるなと命じろ。雲の底からの来客は久しく途絶えていると聞く、目立っていろいろ探られたらかなわん。」
「かしこまりました、直ちに向かわせます。」
メイシュはスタスタと部屋を立ち去った。ギルガはもう一度モニターの空を見た。
「………もう後戻りはできない。私はいつまで縛られていればよいのだろうか……」




イスルガンド 草原
「また、雲の底から煙が出てる……」
1人の少年がたちのぼる煙を見ながらそう呟いた。
「先生は気にするなって言うけど……明らかにおかしいよなぁ。雲から煙ってどう考えたって普通じゃないよ。……これはつまり、雲の下に、なんか工場かなんかがあるってことで……」
少年の呟きはどんどん止まらなくなっているが、側で聞いていたヌメラは寝息を立てている。
「おいおいヌメラ、これはお前にも関わるかもしれないんだぞ?……って、お前に言ってもダメか。おっと、学校の時間だ、行くぞヌメラ!」
そう言うと少年はヌメラを抱き抱え学園へ走った。いかにも『普通』の出で立ちを持つ少年だが、後に煙への興味が大きな事件を引き起こすこととなる。