二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: プリキュアラブ ( No.11 )
- 日時: 2016/07/07 21:52
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
「あっ、えっと、あの・・・・・・」
突然声を掛けられた僕は、言葉が出ずに、ついどもってしまう。
ダメだ。落ち着け、僕。そもそも相手はプリキュアだぞ?
平常心。平常心。・・・・・・よし。
「僕は龍野春也。気軽に、下の名前で呼んでよ。よろしく」
僕は顔に笑顔を貼り付け、手を差し出して応答する。
山吹祈里は僕の手を握り、笑顔で「よろしくね。春也君」と言ってくれる。
柔らかくて暖かい手に、僕の中の何かのゲージが一瞬で振り切れそうになる。が、ギリギリ堪える。
「それで、春也君は、ここで何してたの?」
「あ、えっと・・・・・・とりあえず、立ち話ってのも何だし、歩きながら話さない?」
僕は、町も見てみたかったので、そう提案してみた。
山吹祈里はそれに頷いてくれて、一緒に歩きながら色々話した。
流石に元ラビリンスの最高幹部でプリキュアを倒しに来たとも言えず、考えた末に、この近くに引っ越してきていて、折角だから町を探索していたと話しておいた。
山吹祈里も色々話してくれた。と言っても、ほとんど書類で知っていたことだったが。
彼女が住んでいるのは商店街で、彼女の両親は動物病院を経営しており、よく彼女も手伝いをしているらしい。今連れている犬のラッキーも、その手伝いの一環なのだとか。
あと、友人とダンスをしており、最近では大会で優勝したという。
好きなことに関して語る彼女の顔は、本当に綺麗で、輝いて見えた。
「そういえば、この辺りに住んでるってことは、春也君も近くの中学に通っているの?」
祈里はそう言って僕の顔を覗き込んできた。
僕はその問いに、解答を詰まらせる。
さて、どう誤魔化したものか・・・・・・。
「おーい!ブッキー!その子は誰〜?」
その時、前方の方から声がした。
見ると、祈里と同じプリキュアの、桃園ラブと東せつなの姿があった。
「あ、ラブちゃん。せつなちゃん」
祈里もそれに軽く手を振って答える。
僕は二人の姿を見た瞬間、心の中で何かが重くなるような感覚があった。
折角二人きりだったのに・・・・・・邪魔しやがって。
「・・・・・・じゃあ、友達との交流の邪魔もしたくないし、僕は今日の所は、もう帰るよ」
「え?でも、まだ道に慣れてないんじゃ・・・・・・」
「大丈夫。ここから家、近いんだ」
近いと言えば近いかもしれない。テレポートすれば一瞬なのだから。
僕は適当に彼女を言いくるめ、すぐに人目のつかない場所に行く。
「恋するにしても・・・・・・先に周りの人間を消さなくちゃ、だよな」
僕はそう呟きつつ、変身を解き、普段の黒を基調とした服装に戻る。
そして胸の前に漆黒のダイヤを作り出した。
少し辺りを見渡した後で、自動販売機のようなものを見つけた。
「まずは、力試しをさせてもらうよ・・・・・・キュアパイン。僕と釣り合う女性なのかを、ね」
僕は舌なめずりをしつつ、両手を構える。
「ナケサケーベッ!我に仕えよ!」
僕は叫び、ダイヤを自動販売機に突き刺した。
続。