二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: プリキュアラブ ( No.14 )
日時: 2016/07/08 21:27
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

「ブッキー。さっきの子は誰なの?」

 春也君と別れたすぐ後で、ラブちゃんが頬を紅潮させながら聞いてくる。
 私は、春也君の名前と、最近引っ越して来た事。さっきたまたま出会ったことを簡潔に話した。
 するとラブちゃんは「おー」と興奮した様子で言う。

「いやぁ。あんなアイドルみたいにカッコいい子と仲良くなれるなんて!ブッキーも運が良いね!」
「そんなことないよ〜。そういえば、せつなちゃんは、今日はラビリンスでの活動は休み?」

 私は話題を変えるという名目で、せつなちゃんに聞いてみた。
 せつなちゃんもそれを察したのか、笑顔で「えぇ」と答える。

「最近ラビリンスの復興が順調でね。久しぶりに息抜きに」
「ってことは、ウェスターやサウラー・・・・・・あ、今は西さんと南さんだね。二人も、こっちに来てるの?」
「もちろん。まぁ、すぐにカオルちゃんのドーナツカフェに行ってるんだけどね」
「ふふっ。西さん達らしいわね」
「あ。美希たんだ〜!」

 私たちの声は、ラブちゃんの能天気な声に遮られた。
 ラブちゃんが手を振っている方向を見ると、ちょうど美希ちゃんが歩いてくるところだった。

「ラブにブッキーに、せつなまで!久しぶりね。この4人が揃うのって」
「でしょでしょ!?そういえば聞いてよ美希たん!ブッキーったら、さっき偶然出会ったイケメンの春也君?って子と仲良くしててさ〜!」
「ナーケサケーベ」

 突然聴こえた声に、私たちは顔を上げた。
 そこでは、胸に真っ黒なダイヤを付けた自動販売機が暴れまわっていた。

「な・・・・・・ッ!?」
「ナケワメーケ!?なんで、ここに!?」

 ラブちゃんの言葉に、せつなちゃんは「いいえ。違うわ」と答える。

「あれはナケサケーベ。ホラ、前にカードみたいなので私がナケワメーケを強化してできたものなんだけど。あのカードは、元々とある最高幹部の召喚するナケサケーベを再現するために作られたものだったの」
「最高・・・・・・幹部・・・・・・?」

 私の問いに、せつなちゃんは静かに頷き、ナケサケーベを睨んだ。

「えぇ。ノーザやクラインを遥かに凌駕し、メビウス様も管理し切れない力を持っていた男・・・・・・」
「イース。君はいつから、語り手になったんだい?」

 突然聴こえた透き通るような声に、せつなちゃんの体はびくりと大きく震えた。
 私たちの視線は、一点に注がれる。

「自己紹介なら、自分でするよ。はじめまして、皆さん。元ラビリンスの最高幹部であり、現在、「デッドライン」で幹部の一人を担っています」

 漆黒のジャケットに、同色のズボン。袖やズボンの横の辺りには、黄色の細い線が入っていて、まるで自身の腹黒さをごまかすように明るい黄色のシャツを下に着ている。指無しの灰色のグローブ。銀色の髪の奥では、金色の目がギラリと光っている。

「僕の名前はハル・ドラグーン。以後、お見知りおきを」

 胸に手を当てわざとらしくお辞儀をする『少年』が、そこにいた。