二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: プリキュアラブ ( No.15 )
- 日時: 2016/07/08 21:38
- 名前: モンブラン博士 (ID: EBP//tx7)
「ごちそうさまでした」
弁当に感謝して食べ終わった容器をゴミ箱に捨てた私は、再び横になろうとソファに深く座る。そのとき、ある大切なことを思い出した。
「そういえばファントムくんはハニーキャンディーをくれなかったな……」
忘れていたのか嫌がらせなのかはわからない。本人のみが知るまでだが、弁当を注文している客の中にはキャンディを大きな楽しみとして感じている人もいるだけに、彼の行為は許しがたいものがある。ゆうこちゃんならば絶対に忘れないキャンディを渡さないとは。
もしかすると奴は他の客にも同じような無愛想かつキャンディをあげないという配達員として失格と表現しても過言でない態度をとっているのではないか。これではおおもりご飯の昼の弁当注文の客数が減る可能性があるし、何よりそれがゆうこちゃんの笑顔に繋がっているのだから、もし彼が原因で彼女が泣いたりするとなれば、問題は大きい。
元幹部としては怨み重なる相手ではあるものの、それとこれとは話は別だ。今後のゆうこちゃんの笑顔のためにも彼の接客態度を指摘しなければ。
「あの……仮にもデッドラインは人を不幸にさせるのが目的なのですから、人の、しかもプリキュアの幸せを願うのは不適切なのではないでしょうか……?」
おずおずといった雰囲気を出して小さな声で揉み手しながら言う中年兵士。コイツはまだいたのか。
揉み手といい、私の機嫌をとって出世しようと考えそうなその感じがいちいち癪に障る。
「やかましい!」
衝撃波を掌から放ち彼を窓から空の彼方へと吹き飛ばす。
数秒後にはピカッと空が光ったので、おそらく消滅してしまったのだろう。私は何か自分の思い通りにならなかったりすると癇癪を起す悪癖がある。できる限り部下には親切にするように心がけてはいるのだが、癇癪は理性が吹き飛んでしまうために厄介だ。
すぐに短気を起こす私も私だが空気の読めない発言をする部下も部下だ。まあ確かに私の所属する組織の立場上彼の発言も一理はあるが。
兵士が消えてしまったのは悲しいが、いつまでも悲しみに囚われてはいけない。今の私の使命はファントムくんを掴まえ、態度とサービスの悪さを指摘してハニーキャンディーを貰うことだ。
「そうと決まれば早速、ファントムくんを探しにいこう」
こうして私は本拠地にしっかりと鍵をかけてファントムくんを捜索しに出かけた。