二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: プリキュアラブ ( No.21 )
日時: 2016/07/09 18:40
名前: モンブラン博士 (ID: EBP//tx7)

「世界に広がるビックな愛!キュアラブリー!」
「天空に舞う青き風!キュアプリンセス!」
「大地に実る命の光!キュアハニー!」
「夜空にきらめく希望の星!キュアフォーチュン!」
「ハピネス注入!」
「幸せチャージ!」
「ハピネスチャージプリキュア!」

翌日の午前十時。
ハピネスの四人はそれぞれ名乗りを上げ、チームの決め台詞を口にして私の目の前に立ちはだかる。

「よく来たね、ハピネスチャージプリキュアの諸君。ついでに魔法つかいプリキュアの三人も呼んで来ればよかったのに」

私がとある宇宙人を真似たジョークを口にするとキュアラブリーはキッと鋭く睨んだ。

「ふざけないで!みんな、行くよ!」

四人ともやる気満々で向かってくる。ちなみに私は本拠地の前に大半の戦闘員(兵士)たちを配置していたのだがいとも簡単に浄化されて突破されてしまった。大きく戦力と雑用を失ったのだから、ハルが帰ってきたら何か文句を言われるかもしれんな。
ミストは自室で寝ているので実質ひとりで彼女らを相手にすることになるが……

「ラブリーパンチングパンチ!」

キュアラブリーはピンク色の巨大な光の拳を飛ばし、

「プリンセス弾丸マシンガン!」

プリンセスは得意技である拳から無数のエネルギー弾を発射。
そして気になるハニーは専用武器であるハニーバトンをリボンモードに変化させて、

「ハニーリボンスパイラル!」

リボンで私を拘束して動きを封じようと試みる。
そして最後のフォーチュンは、

「フォーチュンスターバースト!」

星型の光線を掌から炸裂させる。通常の戦闘員チョイアークなら一発で浄化されているし、サイアークでも直撃すればかなりのダメージを受けるであろう攻撃ではあるが避ける気はない。ならば受ける気はあるかというとそうでもない。
ではなぜ動かないのか、答えは簡単。部下が守ってくれるから。
一斉攻撃が命中する直前に彼は私とプリキュアの間に割って入ると光線技を無傷で耐え、ハニーのリボンの拘束を簡単に解除してしまった。
腰までかかる茶色い髪に猛禽類の如く殺気立った瞳に般若のような凶悪顔、そして一九八センチの長身に極限まで鍛え上げられた無駄のない筋肉質の半裸を晒し、明細色のズボンを着た青年こそ私が最も信頼している部下のひとり、不動仁王(ふどうにおう)だ。
彼はその上司である私でさえも恐ろしいほどの眼力でプリキュアたちを睨みつける。
当然ながらラブリーのそれとは比較にならない眼力故にプリンセスは恐怖のあまり身震いし涙を浮かべ、他の三人は警戒し間合いをとる。
何より恐ろしいのはただの威圧だけで彼女らの背後の扉を含めた入り口と、更に奥の部屋を完全に破壊し、外から中の光景が丸見えの状態にしてしまったことだろう。
いちおう彼は私の前に立って本来ならば表情は見えないのだが、そこは予め用意しておいたパノラマテレビの映像でカバーできる。

「よく聞くがいい、プリキュアのガキ共」

彼は獅子の雄叫びのような大音量の声で相対する四人の少女に言う。

「ハニー以外のプリキュアは俺が今すぐ殺(や)ってやる!」

そして彼が少し気合を入れてエネルギーを凝縮させた巨大な拳を見舞うと、その勢いでハニー以外の三人は吹き飛ばされ、ついでにアジトは半壊してしまった。かなり強固な素材で作られた建物であるはずなのに、それを破壊するとは信じられん。
よく見ると本拠地を取り囲んでいた森の木々がその衝撃波で次々に倒れていっている。

「……不動くん、念のために言っておくけれど……」
「俺が暴れると地球に莫大な被害が及ぶからな、場所を変えて闘って殺(や)る」
「そうしてくれるとありがたい」

正直、上司である私より明らかに素の戦闘力で勝ると感じるのは気のせいではないはずだ。