二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: プリキュアラブ ( No.8 )
日時: 2016/07/08 17:31
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

「———以上が、プリキュアの詳細です」
「そうか、うん。ご苦労様。でも、本当にすごい戦士?なのかな?弱点とか多いし」

 椅子に座ったままの黒地に黄色のラインが入ったジャケットを着た少年は、微かに笑みを浮かべながら聞く。
 それに対し、彼よりも確実に年上であろう男は、かしこまった様子で答える。

「はい。現時点で数々の組織も潰されており、戦闘能力だけなら、我ら一般兵などは大きくしのぐと思われます」

 堅苦しく話す男から視線を外し、少年———ハルはプリキュアの書類に目を移す。
 彼は元々、ラビリンスに所属していた。
 実力だけなら、他の最高幹部である、ノーザやクラインなども大きくしのぐ実力。
 しかし、ちょうどプリキュアが現れる少し前から他の異世界の調査に出ていたため、プリキュアとは接触していなかったのだ。
 それにしても、と彼は考える。
 彼女等の写真や情報だけ見れば、普通の女子中学生に見えない。
 そう思ったハルはクスッと笑い、男に目を向けた。

「・・・・・・そうか。まぁ良い。モランとミストにも話したのかい?」
「ミスト様にはもう話はつけており、モラン様はこれからです」
「そっか。了解」

 男はハルに会釈をすると、部屋を出て行った。
 ハルはそれを見送ると、書類を手に取り、クスッと笑みを浮かべた。

「悪いの悪いの飛んでいけ、ってね」

 プリキュアの一人である桃園ラブの書類を取った彼は、それで紙飛行機を折り、飛ばしてしまう。
 その書類は大きく弧を描き、きれいにゴミ箱に吸い込まれていった。

「悪い芽は早く摘まなくちゃ、ね」

−−−

 テレポート能力で人間界まで来た僕は、適当に公衆トイレの鏡で自分の全身を見てみた。
 銀色だった髪は黒に、それと、黒を基調としていた服装は一転、爽やかな白の薄手のパーカーに黄色のシャツ。ジーパンに、普通のスニーカーだった。

「さて、と。それじゃあ早速プリキュア達の情報でも集めようかな」

 トイレから出てどこに向かおうか決めようとした時だった。

「ちょっとラッキー!ダメだよ!」

 突然、目の前にでかい犬が現れた。人懐っこいとでも言うのだろうか。その犬は真っ直ぐ僕のところまで走ってきて、そのまま飛びかかってきた。
 僕は突然のことでその威力を受け止めきれず、仰向けに倒れる。

「っつ・・・・・・ッ!コイツめ・・・・・・ッ!」

 僕は生意気な犬の首を絞めてやろうと腕を伸ばした。
 その時だった。

「すいません!怪我はないですか?」

 女性の声がした。
 流石に犬の首を引きちぎるスプラッタホラーを女性に見せるわけにはいかないかと思い、僕はその声のする方向を見た。
 そして、息を呑んだ。

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・大丈夫、ですか?」

 茶色の柔らかそうな髪を頭の右側で小さく一つに束ね、黄色を基調とした服を身にまとった少女が、そこにはいた。
 優しい声。柔らかそうな髪の毛。整った顔立ち。
 見栄も、何もかもを投げ捨てて、言ってしまえば僕は・・・・・・———恋に落ちました。

「あれ?見覚えのない、顔ですね。私は山吹祈里。あなたは?」

続。