二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: —東方霊妖変 巫女の変異— ( No.10 )
日時: 2016/07/03 23:18
名前: 栞永稀 (ID: l/9ga28M)

【仲間探し】

霊夢の『人間と妖怪の境界』がめちゃくちゃになったあの日から数日が立った。

「くそっ……。どれも有力な情報では無かったな」

パチュリーの図書館で、魔理沙がぼやきながら本を閉じる。

「あいつ、紫は何しているんだよ……」

天井を仰いでそう呟く。すると、魔理沙の目の前でスキマが開いて紫が現れる。

「わあ!そんな登場のしかたしないでくれ!何のようだ……」

魔理沙が尻もちを付いて、相手にそう言う。

「あはは、悪いわねぇ。用はあるわ。……もしかしたら霊夢の『人間と妖怪の境界』を元通りにして、境界がめちゃくちゃになる事を無くすのが出来るかもしれないのよ」

「そ、それは本当か!?」

途端、嬉しそうな顔をして相手に聞く。

「ええ、本当よ。方法は旧地獄街道の隅っこに出来ている洞窟の最奥部にある、願いを一つ叶える宝石を手に入れるの。これに書いてあったわ」

方法を説明すると、スキマを開いてそこから分厚いボロボロの本を取り出す。

「へぇ、そうなんだ。じゃあ早速……」

「待ちなさい」

図書館から出て行こうとした魔理沙を言葉で引き止める。

「洞窟には強力な魔物や獣などがいるわ。私と貴方だけでは無理。他の誰かにも手伝って貰わないと死んじゃうわよ」

『死んじゃうわよ』という台詞はとても現実味がある物であった。
魔理沙は振り返り、分かったと言って頷く。

「……そこの魔法使いさん、どう?」

「……面倒くさいわ。他に強いのはいくらでもいるでしょ?」

「……ここの主にメイド、門番、主に頼んだら快く引き受けてくれたわ」

「……手伝えばいいんでしょ、手伝えば」

パチュリーは本を閉じて溜息を付く。

「貴方ならそう言うと思ったわ。じゃあ、明日お願いね」

「え、明日なの……?」

紫は戸惑うパチュリーを無視する。

「私は後、萃香と式神にお願いをしておくわ。貴方も何人かお願い」

「おう、分かったぜ! 任せろ!」

魔理沙は敬礼のような仕草をして了承した。