二次創作小説(映像)※倉庫ログ

—東方霊妖変 巫女の変異— ( No.3 )
日時: 2016/07/03 20:35
名前: 栞永稀 (ID: l/9ga28M)

【みたらし団子を賭けた弾幕ごっこ】

「早苗がくれたみたらし団子、ほんと美味しいわね」

「そうだな。みたらし団子の中でもとびっきり高いやつだそうだからなぁ」

霊夢と魔理沙が博麗神社の縁側に座って、早苗から貰ったみたらし団子を頬張っている。
そのみたらし団子は幻想郷の中でもナンバーワンを誇る物であり、それを食べていられる事だけでも二人は大満足である。
やがて、それを食べ終わった二人。

「……さあってと、残りを食べようかしら」

霊夢は皿に乗っている後一つのみたらし団子に手を伸ばす。
それを見た魔理沙は瞬時に相手の腕を掴む。

「おおっと、それを食べるのは私だぜ?」

「あら?これを貰ったのは私よ。それをあんたが頂いているの。食べる資格があるのは私よ」

霊夢が何故か自身ありげにそう言って余裕の笑みを浮かべる。

「ぐぬぬ……。じゃあ、弾幕ごっこで決めるぞ!」

魔理沙は相手の腕を掴んでいた手を放して立ち上がり、スカートの中から自分のスペルカードを取り出す。

「上等よ!博麗の巫女である私に勝てるかしら?」

霊夢も立ち上がり、自身ありげな顔をして、スカートの中からスペルカードを取り出す。

「じゃあ……準備はいいかしら?」

「ああ、構わないぜ」

親指と人差し指で丸を作って笑みを見せ、了承すると、置いていた箒を持ってそれに跨って空中に浮く。
それに合わせて、霊夢も何処からかお祓い棒と御札を取り出して空中に浮く。

「……それじゃあ、みたらし団子を賭けた弾幕ごっこ……開始よ!」

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「……霊夢、まだ気付いて無いのかしら……」

スキマから体を乗り出し、それの縁に両腕を乗せて、何処からか遠くに居る霊夢を見て紫はそう呟く。

「あの子の『人間と妖怪の境界』がおかしくなっている。今なら遅くない。早速分けないと……」

そして霊夢の居る方向に右腕を伸ばす。すると、細くて白い指先に光が灯る。

「これできっといけるはず……。——!?」

光が粒子へと突然変わって散り、紫の指に痛みが走る。これは、霊夢の『人間と妖怪の境界』を分けることに失敗したという事である……。

「……どういう事かしら……? 私の能力じゃ霊夢の境界を分ける事が出来ない……?」

細目で霊夢を見つめてそう呟く。そして、スキマの中に入る。
……それを見た者、気付いた者は誰も居ない。