二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 終焉の楽園【東方】 ( No.6 )
日時: 2016/06/20 18:32
名前: ゆるトルト (ID: Ouicm1PF)

<二話〜フラン>

その日の夜、私達は学校前の校門に集まった。

校舎に入れば、私達の明かりは僅かに射し込む月光と、
ぼんやりと辺りを照らす懐中電灯の明かりだけだ。
・・・・・何だか心細い。せめてお姉様が居れば良いんだけど・・・。

魔理沙:じゃあ、早速・・・グループを発表するぜ〜?

魔理沙がニヤニヤとしながら楽しそうに言った。
はぁ、何が楽しいって言うんだろう。
ただ叫んで怖がって帰るだけだってのに。


         * 


私達のグループは最悪だった。
全く関係の無い人達ばかりだ。
幽霊やお化け、怪異より仲間の方が怖い。

まず、小学生は私、フランとこいしさんだ。
中学生は近寄りがたい・・・・咲夜さん。
高校生は霊夢さんと。

唯一頼りになるのは霊夢さん。
確かにこいしさんは頭が良いけど、何を考えてるか、
全くもって分からない。

咲夜:張り切って行きましょう!!

爛々と無邪気な子供の様に声を荒げる咲夜さん。
夜の学校は不気味で音が響く。
咲夜さんの声が辺りに響いた。

霊夢:肝試しの様なものを張り切ろう、って・・・。あんた、頭可笑しいんじゃないの?

霊夢さんが楽しそうにする咲夜さんに悪態をつき、
呆れた様に言う。

そうだね、と心の中で共感していると、霊夢さんが不意に
私達へ話題を投げ掛けてきた。

こいし:でも、肝試しとかお化け屋敷ってなんだか興奮しない?

ニコニコと笑顔を絶やさず、こいしさんが言った。

こいし:ね、フランちゃんもそう思わない?

急に話しかけられ、戸惑う。
勉強の発表ならすぐに言えるのに、話そうと思えば声が出なかった。

フラン:・・・・・・・・・そうは思わないかな。

声は小さいけど、なんとか言えた。
私はそのまま俯き、皆に付いていった。

頭上からは楽しそうに雑談する三人の声が聞こえる。

    *****

咲夜:えぇと・・・・・・・・・此処が、七不思議の舞台の一つですね。

私達がやって来たのは音楽室。
音楽室って来たら、大概はベートーベンとかだけど・・・。

こいし:ん〜?音楽室に七不思議ってあったっけ〜・・・。
咲夜:あ、知らないようですね。なら、説明しますね。
霊夢:はぁ?ベートーベンじゃないの?

霊夢さんが説明しようとする咲夜さんを見て、慌てて言う。
咲夜さんは笑顔のまま霊夢さんの方を向き、そのまま固まった。

霊夢:は・・・?ちょ、何、アイツ・・・。

霊夢さんの困惑か恐怖か、震えた様な声に釣られ、霊夢さんと同じ
方向を見た。

そこには、窓に映る人影が____。

こいし:あれって私達の影じゃないの?

キラリ、と人影が妖しく輝いた。
反射的にか、霊夢さんが小さく声を漏らす。

咲夜:・・・・・・・っあ、七不思議の説明を____。

    *****

結局、窓に映った人影は私達だった。
霊夢さんの勘違いだったようで、時間の無駄使い・・・でした。

霊夢:うう〜・・・・・さっさと調査するわよ・・・。

余程恥ずかしかったのか、恐怖によるのか、霊夢さんは
涙目で言った。

フラン:そ、そうですね・・・。

これ以上、無駄に疲れたくないし。
私は苦笑いを浮かべて小声で呟くように言った。