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Re: パラレルワールド-幻想郷 ( No.27 )
日時: 2016/06/28 18:14
名前: ゆるトルト (ID: Ouicm1PF)

<紅魔郷〜七話(後編)>【三章/霊夢】

「ぼ、亡霊!?」

咲夜は剰りにも意外だと思ったのか、紫に聞き返す。
そんな咲夜の様子を見て、紫はクスクスと笑う。
やっぱり、この紫の笑い方は違和感がある。

「ええ、亡霊。私もそれ以上の事は知らないのよ」
「うぅむ...じゃあ、信用出来るとは言い難いな」

紫が頷きながら言い、残念そうに目を閉じる。
魔理沙は難しそうな表情で言い、本を紫から奪い取る。
「ああ、ちょ...」何か言いたげに紫が声を漏らす。
だが、魔理沙の事だ。気にも留めていない様子だった。

「.....紫、開かないぜ?」
「はぁ?魔理沙、何を腑抜けた事言ってるのよ」

魔理沙の訝しげな声に、思わず反論する。
この古ぼけた本が開かないなんて可笑しい筈だ。
紫が読んだと言う事が嘘じゃないなら、開く筈。

「何か、開ける決まりがあるんじゃ無いでしょうか?」
「早苗の案に同意よ。何か条件があるのかも知れないわね」

「も、もぉ。私がちゃんと話すから、静かにしてちょうだい」

咲夜や早苗の言葉を遮るように、紫が声を張る。
一斉に口を閉じた。
辺りが急にシーンと静まり返り、逆に耳が痛くなりそうだ。

私達四人は、紫の方へと視線を集中させる。
その行動に紫は照れる様な仕草をしたが、直ぐに真剣な
表情へと変わった。

「その本、時間が経つと、ロック掛かるのよ...」
「...なんだ、そんな事かよ。じゃあ解いてくれ」

魔理沙が安堵したように言う。
だが、紫の方は何とも言えない気難しい顔をしていた。

何か思い詰める事があるのだろうか?
私は紫に声を掛けようとした。___その時だった。
紫が低い威圧感のある声で話し始めた...。

「その本には沢山の魔力を吸いとられる。一回か二回で限界だわ。
だから、今日、いいえ、明日もその本を開くのは無理よ」

何かを必死で隠し通す様に紫は言う。
びくり、と魔理沙の体は飛び上がった。
震える声で魔理沙は「そ、そうか....無理な事言ってごめん」と呟き、顔を伏せた。

「いいえ、謝る必要は無いわ。...異変解決、頑張ってね?」

紫はいつの間にかいつもの様な胡散臭い笑みで口元を扇子で
隠している。

.......さっきの紫は、なんだったんだろう?
何か引っ掛かる様な感じで、気が引けない。
まぁ、どうせ紫の気紛れよね。

「ええ、次はパチュリーの所へ行ってくるわ」

私達四人は紫に一時的な別れを告げ、紅魔館の中へと向かった。