二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 人形師の夢-東方 ( No.2 )
日時: 2016/06/28 21:20
名前: ゆるトルト (ID: Ouicm1PF)

【一話〜アリス・マーガトロイド】

私の朝は夜中から始まる。
...と、言うのは嘘で、今日はたまたま早くに起きただけだ。

ベッドの側の窓越しに見える外は、月光に照らされ、少し明るい。
此処は森だ。木が生い茂り、葉が日光や月光を遮っている。
その為、結果的に昼夜問わず暗い。

だが、私のようにこの森に住む人は広い土地に家を建てる。
つまり、木が少ない所に建てるのだ。

「まぁ......人形作りをする作業に支障は無いでしょう」

誰に言うでもない独り言を漏らし、窓に背を向ける。
...いつもする時間帯とは少しずれているから、明かりが足らないのは
事実でもある。
そうなると、明かりをフォローする何かが欲しいところだ。

「んん〜...適当に、これでも良いでしょう.......多分」

机の側の棚から大きめの蝋燭を取り出し、「ファイア.....」と
小さく呟き、火を付ける。...ボウッと音が出るような勢いだ。

まぁ、何はともあれ、ようやく作業に取り掛かれる。
ふと時計を見ると、3:27と示していた。
もう3時半か.....。


コンコン


「ん?誰......かしら」

普通、こんな時間に人が訪問しに来ないけど...?
常識ってもんがあるでしょう...。

ガチャ

「................誰ですか」
「気が付いたら、此処に居て...」

ああ、成る程。外来人ね。
外来人は暖かい格好をしていた。
外は寒いのかしら...?暑さ、寒さに鈍いなんてなんか嫌ね。

「とりあえず、入りなさい」
「ありがとうございます...」

         *****

外来人を家に招き入れ、約四十分。
外来人は寝かせ、私は黙々と作業に打ち込んでいた。

....気が付けば、雨が降っている。大雨だ。
昼には止むだろうか。...止まなかったらどうしようか。
今日、紫に外来人を連れていく予定なのに。

一気に気分が下がる。
これじゃあ、人形を作っても良い出来にはならない。

.....そうだ、魔法の研究でもしましょう。