二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 人形師の夢-東方 ( No.3 )
日時: 2016/07/02 12:35
名前: ゆるトルト (ID: Ouicm1PF)

【二話〜アリス・マーガトロイド】

アリス「.....グリモワ、ね」

遠い遠い記憶程では無いが、大分昔の記憶が甦る。
..........あの時の私はもう妖怪だった。
というか、自分の意思でなったのか、無理矢理されたのかすら
覚えていない。

アリス「今の私には、必要ない.....ないわ」

久々に開きたくなる衝動に駆られるが、
『今の私にはこの魔導書を扱いきれない』と言い聞かせ
書斎の棚にしまった。

          *****

結局、一睡も、一読もしないまま朝を迎えた。
黄昏の空は跡形も無くなり、小鳥たちの囀りで騒がしくなった。
ああ、そういえば外来人を寝かせていたな。

「............起きてる?」
「ええ、起きてますよ。..この家、一つしかベッドないんですか?」
「一人暮らしだもの、一つだけよ.....?」

この質問に疚しい意味は無いだろう。
恐らく、いや、そう信じたい。

どうやら、この外来人は男性の様だ。
一つ屋根の下に男女二人きりは何か嫌なので
早いところ、紫の所に連れていこう。

「ご飯、食べましょうよ。良ければ僕が作りましょうか?」
「え?あ、いやいや、良いから、待ってるだけで良いから!!」

身元も知らない男性の料理を食べるのは気が引ける。
.....男性の方を見ると、ニコニコとして此方を見つめていた。
何で此方を凝視するのよ.......?

「............」

男性が何かを呟いた、気がする。
でも、何か口パクで.....。

          *****

「い......いただきます」

男性に凝視されながら食事するという、何とも言えない
緊張に包まれる。

「可愛i.....ごほん」
「........?あ、そうだ、あなたの名前は?」
「え?あぁ....山北 俊樹、です」

にこりとして俊樹さんは言った。
俊樹、か......。

「私の名前はアリス・マーガトロイド....よ」
「アリスさんですか。可愛らしい名前ですね」

          *****

その日の朝食は特に何も起きなかった。
俊樹さんが時々何かに悶えてたけど。