二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)7月13日投稿 ( No.12 )
日時: 2016/08/21 19:18
名前: 山田 花 (ID: 7uAf8sm0)


「……解りました、王女様の仰せのままにします」

僕は、右手を自分の胸に置いて頭を下げてお辞儀をした。
顔を上げるとリンは、何か言いたそうに口を開こうとするけれども直ぐに辛そうに俯いた。
僕は、リンを安心させるようにリンに向かって優しく微笑むとそのまま女王の間を出て行った。
王女の間を出るとこの前に緑の国で緑の髪でツインテールをしてる女の子と出会った場所に向かった。
目的の場所に着くと前に出会った緑の髪の女の子が立っていた。
緑の髪の女の子は、周りを見渡すと直ぐに歩き出した。
僕は、緑の髪の女の子の後を追いかけると街外れの原っぱで緑の髪の女は、立ち止まった。
僕は、木の陰に隠れて緑の髪の女の子の様子を見つめた。
緑の髪の女の子は、僕が隠れている木の方に振り向いた。

「いつまで隠れているのですか?」
「僕の事を気づいていたのですね」

僕は、木の陰から出るとそのまま緑の髪の女の子に近づいた。

「それで私に何か用でしょうか?」

緑の髪の女の子は、優しく微笑みながら少しだけ首を傾げた。
僕は、緑の髪の女の子の笑顔を見て改めて女の子に恋してるって実感した。
でも僕は、リンの為に僕の初恋である緑の髪の女の子を殺さないといけないと思った。
自分の本心を隠すように自分の両手を強く握り締めた。
決心したように顔を上げると緑の髪の女の子に近づいた。

「僕は、あなたを殺しに来ました」

僕は、自分の思いを押し殺すようににっこりと微笑みながら述べた。
僕の言葉を聞いても緑の髪の女の子は、優しい笑顔を崩さなかった。

「そうなのね。
私の名前は、ミクといいます。
名前を知らない人を殺すのは、気が引けるでしょう」

ミクは、死ぬのが怖くはないみたいに笑顔を崩さなかった。

「何故ミクさんは、泣き叫んだり逃げようともしないんですか?
ミクさんは、死ぬのが怖くないんですか?」

人は、誰も死にたくないと泣き叫ぶものだ。
それなのにミクさんは、そんな事をしないで当たり前のように殺される事を受け入れるようだった。
僕は、その事が信じられなかった。

「怖くないって言ったら嘘になります。
でもこれは、仕方がない事です。
良かったらあなたの名前を教えてくれないですか?
名前も知らない相手に殺されるだけは、嫌ですから」

ミクさんは、困ったように苦笑いを浮かべると直ぐに優しい微笑みながら僕を見つめた。

「僕の名前は、レンと言います」
「レン君……素敵な名前ですね」

ミクさんは、僕の名前を呟くとやんわりと微笑みました。

「それでは、私を殺してください」

ミクさんは、僕の頬を触りながらやんわりと微笑んだ。
僕は、何も言わないでポケットからナイフを出した。
僕は、ナイフをミクさんの胸に近づけるとミクさんは、安心したように微笑んだ。
ミクさんの胸にナイフが刺さる前に手が止まるとナイフを地面に落とした。

「やっぱり僕には、ミクさんを殺す事が出来ません……」

僕は、手で地面に触りながら辛そうに俯いた。

「ねえ、レン君、こっちを向いてください」

僕は、ミクさんの方に顔を上げるとミクさんは、僕の口に自分の口を重ねてキスをした。
驚いていたようにミクさんの顔を見つめていると僕は、ミクさんに手に何かを握らされると僕に抱き着いてきた。
手に生暖かい液体の感触を感じて手を見ると僕が地面に落としたナイフを握っていてナイフでミクさんの腹を刺していた。

「ミクさん、なんでこんな事をしたのですか……?」

僕は、茫然とミクさんを見つめた。

「レン君が私を刺さなくても他の誰か殺されていました……
だから殺されるのでしたレン君が良かったです……
私の我儘に付き合わせてすいません……」

ミクさんは、弱弱しく微笑みながら僕の頬を触ると力尽きたように手を地面に下げて目を瞑りました。
動かなくなったミクさんを見てミクさんが死んだ事を実感した。
僕がミクさんを殺した事が解っても不思議と涙が流れなかった。
僕は、直ぐに王宮に戻るとそのまま女王の間に向かうと部屋のドアを叩くと部屋に入った。

「失礼します、王女様」

僕は、部屋に入るとリンに向かって頭を下げた。

「レ、レン、その血どうしたの!?」

リンは、僕の服についている血を見て驚きながら走って僕に近づいた。

「この血ですか?
これは、返り血ですから大丈夫ですよ」

僕は、血のついている洋服を手で掴むとやんわりと微笑みました。

「そんな……レン、何で……?」

リンは、信じられないような呆然とした表情で僕を見つめた。

「そんな顔をしないでください。
僕がこうしたかった事ですから気にしないでください。
でもすいません、疲れましたから今日は、休ませてもらいます」
「レン……」

僕は、右手で自分の胸を触りながら頭を少しだけ下げてお辞儀をした。
リンは、僕の名前を呟き辛そうに僕を見つめた。
僕は、リンを部屋に残して自分の部屋に向かった。
自分の部屋に戻るとベットの上に座った。
僕は、ミクさんにキスをされた事を思い出しながら自分の口を触った。
僕がミクさんを殺した事を思い出すと涙が次から次へとあふれてきて涙が止まらなくなった。
次の日の朝になるまで涙が止まる事は、なかった。
そして黄色の国が滅亡する時がちゃくちゃくと近づいて来ているとは、夢にも思ってもなかった。
〜つづく〜