二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 悪ノ王国(悪ノ娘、悪ノ召使などなど)8月21日投稿 ( No.13 )
- 日時: 2017/04/07 12:15
- 名前: 山田 花 (ID: ZY.go0IT)
歌の悪ノ娘シリーズを小説にした物です。
レンの視点から書かれています
〜悪ノ王国〜
〜第五話〜
〜悪ノ召使編〜
ミクさんを殺してその晩に涙が止まらなくなったけれども次の日になるとどうにか涙が止まった。
僕は、気持ちを切り替えるように召使の仕事に専念をした。
相変わらずリンの我儘は、治まるどころかどんどんエスカレートしていった。
そんなある日、緑の国が滅んだ事を聞かされた。
その滅んだ理由が王女様、つまりリンが緑の髪の女に嫉妬して滅ぼした事になっている。
でもその理由が信じられなかった。
だって僕がミクさんの事を殺した時も信じられないようにむしろその事で傷ついているように感じられた。
そんなリンが緑の国を滅ぼすとは、思えなかった。
その噂を聞いた時から嫌な予感がしてしょうがなかった。
悪い事が起こりそうで怖くなったのでリンに召使の仕事の休みをもらい召使の仕事を教えてくれた召使の先生のハルさんに助言を求める為に会いに行った。
ハルさんに会いに行く途中の街の道では、荒れていて空腹で倒れ込んでいる人が多くいた。
ハルさんの家の前に着くと家の扉に着いてある呼び鈴を鳴らした。
でもいくら呼び鈴を鳴らしてもハルさんは、家から出てこなかった。
扉のノブを回すと扉が開いたので黙って家の中に入りハルさんを探した。
でも家の中には、ハルさんの姿が無かった。
ハルさんが居ないどころか机や椅子や棚や食器などにほこりがつもっていて人が生活している雰囲気を感じさせられなかった。
僕は、家を出ると誰かに声かけられた。
「あれ、レン君じゃない。
久しぶりだね、元気したのかい?」
僕は、振り向くと近所に住んでるおばちゃんが立っていた。
「お久しぶりです、おばさん。
おかげさまで元気にやらせてもらっています。
久しぶりにハルさんに会おうと思ったのですがハルさんは、留守だったみたいでして……
おばさん、ハルさんが今は、何処に居るか解りますか?」
僕は、ハルさんの家の方を一回振り向いてからおばちゃんの方を見つめた。
「レン君は、まだ知らなかったんだね。
ハルさんは、不治の病を患ってたみたいで一か月前に亡くなったそうよ」
「ハルさんが死んでいたなんて……
僕は、何も聞かされていませんでした……」
僕は、いつも支えてくれたハルさんの死を知って絶望したように地面に手をついて俯いた。
「……そう言えばレン君が訪ねて来たら渡してほしいと頼まれていたものがあるのよ」
おばさんは、思い出したように右手の中指で頬を触り上を向きながら述べた。
「えっ、ハルさんがですか……?」
僕は、顔をあげると戸惑いながらおばさんを見つめた。
「今持ってくるから少し待っていて」
おばさんは、僕にお願いするとおばちゃんの家にハルさんからの預かり物を取りに行った。
そして10分くらいしたらハルさんからの預かり物を持って戻ってきた。
「これがそうです。
困った時にこれを読みなさいってハルさんに言いましたわよ」
おばさんから古びた手紙を渡された。
「手間をとらせてすいません。
確かにハルさんから手紙を受け取りました」
おばさんから渡されたハルさんの手紙の表裏を見ると手紙をポケットに入れた。
「レン君も色々と大変だと思うけれども頑張るんだよ」
おばさんは、僕の腕を軽く触りながら優しく話かけた。
「ありがとうございます、おばさんも色々と大変だと思います頑張ってください」
僕は、腕を触ったおばさんを見つめ返した。
「ありがとう、レン君」
おばさんも僕を見つめ返しながら述べた。
僕は、おばさんと別れると次は、メイコさんに会うためにメイコさんが働いている酒場に向かった。
酒場の周りは荒れていて酒場の看板も落ちていた営業してる感じがしなかった。
「この荒れようは、どうしたんだろ……」
僕は、酒場の建物を見上げながら呟くと酒場の扉のドアノブを回して扉を開けようとした。
酒場の扉は、鍵がかかっていて扉が開かなかった。
「酒場が休みって訳ではないよね……」
不安そうに酒場を見上げるとしばらくしてからメイコさんの家に向かった。
「メイコさんの家に来るのも久しぶりだな……」
メイコさんの家に着くとメイコさんの家を見上げながら呟いた。
気合を入れるように咳を一回すると扉の呼び鈴を鳴らした。
でも家からは、誰も出て来なかった。
「あれ、留守なのかな?」
もう一回扉についている呼び鈴を鳴らした。
それでも家からは、誰も出て来なかった。
メイコさんの家の前で一時間くらいメイコさんの帰りを待ったけれども結局メイコさんには、会えなかった。
僕は、帰る前にメイコさんの家の庭を覗いたら木には、剣か何か刃物で何回も打ち付けている傷痕が合った。
「メイコさん、剣の稽古を頑張ってるんだね。
でもメイコさんがこんな荒々しい傷をつけるなんて珍しいな。
そう言えば王宮に行く時も見送りに来なかったし何かあったのかな……」
メイコさんの庭の荒れようを見て悪い予感がしてしょうがなかった。
僕は、気をまぎらすようにメイコさんが剣で傷つけた木の傷痕を右手で軽く触った。
メイコさんの家の庭を見渡すと王宮に戻った。
王宮に戻るとそのまま自分の部屋に向かった。
自分の部屋に入ると椅子に座った。
「街は、凄く荒れていたな……
それだけ国民から税金を巻き上げているって事だよな。
緑の国を滅ぼしたって噂もあるし国民の怒りが爆発しなければ良いけれども……」
僕は、不安そうに俯くと視界にポケットの膨らみが見えてポケットにしまってる手紙を思い出した。
僕は、ポケットから手紙を出してペーパーナイフで封筒の上を切ると封筒の中から一枚の手紙が出てきた。
手紙を机に広げて手紙を読んだ。
手紙の内容は、次のような事が書いていた。
『この手紙を読んでいる時は、私がもうこの世界に居ないと思う。
不治の病の事を黙っていてすまなかったと思ってる。
でもレンには、自分の仕事に専念してもらいたかったから解ってほしい。
この手紙を読んでいるって事は、とても大きい悩みが出来たのだと思う。
その悩みの予想は、できている。
私からアドバイスができる事は、一つだけだ。
リンと双子であるレンだけにできる事がある。
それを実行するかどうかはレンの判断にまかせる。
でもこれだけは、言っておく。
後悔だけは、するなよ。
いつまでも天国からレンの事を見守っているぞ。
レンの師匠のハルより』
僕は、手紙を読み終わると手紙を机の上に置いた。
「ハルさんの言葉を確かに受け取りました。
でもリンの双子である僕だけにできる事って……」
僕の姿とリンの姿が似ているのを思い出すと最悪の事態が起きた時に僕がリンにしてあげれる事を思いついた。
「これなら最悪の事態が起きてもリンを守ってあげる事が出来る。
それにリンが抱えている柵をとってあげる事もできるかもしれない」
僕は、リンを必ず守る事を決心したように手紙を軽く握り締めた。
僕の悪い予感が当たりハルさんの手紙を読んでから月日が経たないうちに革命が起きた。
革命は、王宮の兵士により直ぐに鎮圧されると思われた。
でも革命の勢いが激しく王宮は、革命軍に包囲されてリンが捕まるのも時間の問題になった。
「王女様、王宮に攻め込まれるのも時間の問題です」
僕は、リンに革命の進行具合を知らせる為に王女の謁見の間に報告に来た。
「そんな……私が何をしたと言うのよ……
ほんの少し贅沢しただけなのに……」
リンは、両手で顔を隠して涙を流して泣いた。
僕は、リンを部屋に一人残して自分の部屋に戻った。
自分の部屋に戻ると王女様……リンの洋服に着替えると僕の召使の洋服を持つとリンがいる部屋に戻った。
部屋に戻るとリンは、両手で顔を隠して泣いていた。
「王女様、僕の洋服を貸してあげます」
僕は、リンの方に僕の着ていた召使の洋服を差し出した。
「えっ……そのレンの洋服ってもしかして……?」
リンは、顔をあげると信じられないように僕を見つめながら僕の召使の洋服を受け取った。
「僕と王女様は、似ていますから入れ替わったって誰も解りません」
「でもそれってレンが私の身代わりになるって事でしょう。
そんなの私は、嫌よ……」
リンは、僕の腕を触り辛そうに僕を見つめた。
「王女様のそんな顔は、似合いません。
僕は、王女様の笑ってる笑顔が一番好きです。
だから王女様は、いつも笑っていてください」
僕は、リンの唇を右手の中指で触ると優しく微笑んだ。
「そんなのレンと一緒じゃないと無理よ……」
リンは、悲愴な表情で僕を見つめながら僕の袖を掴んだ。
僕は、リンを落ち着かそうと口を開こうとしたら遠くでリンを探す声がした。
「そろそろお別れの時間です」
僕は、王女様が座る椅子の後ろに隠されているお城から抜け出す為の隠し通路の扉を開けた。
僕は、直ぐに隠し通路の入り口にリンを入れた。
「この入口は、一度閉めたら外から開けられない仕組みになってますから安心してください。
さようなら、リンお姉ちゃん」
僕は、慈愛を込めてリンに向かって優しく微笑んだ。
「ちょっと待ってよ。
まだ私は、レンと別れたくない!!」
リンは、僕の腕を掴んで僕を引き留めようとした。
僕は、無言でリンの言葉を無視してリンの手を離させて隠し通路の入り口の扉を閉めた。
僕が隠し通路の入り口を閉めると同時に部屋の扉が開き革命軍が部屋に入ってきた。
部屋に入ってきた革命軍は、一人の男性は、青髪のカイトお兄ちゃんで、もう一人は、黒髪で20歳くらいの男性で、もう一人は、茶色の髪で40歳くらいの男性で、もう一人の女性は、赤髪のメイコさんだった。
「お久しぶりです、リン王女様。
王女様、あなたは、罪のない人達を苦しめすぎました。
もう逃げられませんよ」
僕は、後ろを向いているとカイトお兄ちゃんは、近づいて来た。
僕は、振り向くとカイトお兄ちゃんを見つめた。
「君は、もしかして……?」
カイトお兄ちゃんは、驚きながら僕の肩を触った。